この記事ではライブとコンサートの違いについてみていきます。2つとも好みの音楽や映像を視聴したり、会場で直接体験したりする時に使われるイメージがあるよな。違いは音楽のジャンルの違いや規模、即時に中継するかどうかなど、細かな違いがみられるようです。今回はそんな音楽や映像などに欠かせない言葉の違いについて、クラシック好きの文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

ラフマニノフやチャイコフスキーなどを好む、クラシック音楽鑑賞が趣味の文学部卒ライター。

ライブとコンサートの共通点:会場で演奏を直接見聞きする

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ライブとコンサートで共通することといえば、「会場で楽器の演奏や歌手の歌を聞いたり、臨場感あふれる様子を見たりして楽しむ」ことがあげられます。ただ、音楽のジャンルや演奏の形態により使い分けがされるようですね。

ライブのもとの意味:英語「live」の形容詞

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ライブはライヴとも呼ばれる場合がありますね。元は英語の”live”の形容詞。日本語に訳すと、「生放送の~」「実演の~」といった意味です。

1.生放送の:実際の状況をそのまま放送する

ライブはテレビやラジオ、インターネット番組からの生放送の意味で使われます。報道番組やスポーツ中継、バラエティ番組の特別番組や重大発表などの場面を連想するかもしれません。

音楽番組ではその年に活躍した歌手を大勢テレビ局やコンサート会場に集めて、ヒット曲を歌うところを編集せずにそのまま流すこともあります。コンサート会場にカメラを入れて、演奏や歌唱を即時に中継して開演時間から終了まで流すようなこともあるでしょう。

ライブビューイング」というイベントは、実際に行われている会場からの映像を、各地の上映会場に同時中継して有料で観客に見せることです。大物の歌手や演奏家、演者の催し物、海外で行われる日本代表の試合などが対象。会場に行くのが難しかったり、ファンが多すぎて入場しきれなかったりする場合に行われます。

2.実演の:演奏などを実際に見聞きする

ライブは中継を通さずにホールや音楽堂などで、演奏や歌唱を実際に見たり聞いたりする意味でも使います。本来は英語の形容詞であった”live”が、日本に輸入されて和製英語になり名詞になったようです。

このような意味でのライブは、どちらかというとポピュラー音楽の演奏や歌を聞きに行った時に使われることがほとんど。例えばライブハウスというホール。ロックやポップスなどの演奏が行われる、比較的小さい立ち見客中心のホールです。可動式のテーブルや椅子が用意された飲食店が併設されていることもあります。

\次のページで「コンサートのもとの意味:英語の「concert」」を解説!/

コンサートのもとの意味:英語の「concert」

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コンサートは英語の”concert”が日本に入った語句。演奏会音楽会という意味です。使用例としては、コンサートホール。音楽会、演奏会などを行うホールや講堂などの建物のこと。

コンサートは、ライブとは違い生演奏ではなくても構いません。以前は楽団などを国内に招待するのが難しい時代がありました。視聴覚室のような映像や音源を見聞きできるところで行われる、映像を視聴するフィルムコンサートや音源を聴くレコードコンサートのような催し物もあったようです。

一部の例外を除きクラシック音楽の演奏会を表す

コンサートは大掛かりな演奏会や音楽会をさすことが多く、クラシックの交響楽団や管弦楽団、オペラなど演奏会をいうことが多いです。クラシックのジャンル全体の演奏会にも使われるようになり、バイオリンやピアノなどの単体の楽器による演奏、オペラ歌手などの独唱についてもコンサートと呼びます。

コンサートマスター(女性の場合はコンサートミストレス)は、交響楽団や管弦楽団の第一バイオリンのうち、最も格上の演奏者です。クラシックの演奏が始まる前に、バイオリンが音の高低を合わせるために音を鳴らしますよね。その鳴らした人がコンサートマスターで、楽団の指導的な立場にいます。

ただし、アイドルなどの演奏会などについては、ポピュラー音楽ではあっても慣例としてコンサートを用いることが多いようです。

リサイタルの使い分け方

ライブやコンサートと似たような言葉に「リサイタル」があります。リサイタルとはどのような時に使われるのでしょうか。

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リサイタル:1人を主役とした演奏会

リサイタルは1人の演奏家や音楽家を主役とした演奏会、つまり独唱会独演会のこと。ソロコンサートも同じ意味です。本来はラテン語の”recito”(朗読する)詩の朗読会をいい、1人で行う催し物を指すようになりました。

日本ではリサイタルを1人で演奏や歌唱を行う音楽会で使われています。例を挙げると、ピアノ・リサイタル、ヴァイオリン・リサイタルなど。

オペラ歌手が一人でオペラのアリアなどを歌う場合、クラリネットやフルートの独演などでピアノの伴奏者が付くことも。主な演奏者は1人だけですので、伴奏者がついていてもリサイタルとなります。

ジョイント・リサイタル:演奏者が2~3人

主体になる著名な音楽家が2~3人で演奏をするイベントを開いた場合や、それぞれのパートに合わせた2~3人程度の声楽家が参加して歌う場合は、ジョイント・リサイタルといいます。ジョイント・コンサートという場合もありますね。”joint”は英語で、日本語では「連携」という意味。

ライブはポピュラー音楽、コンサートは主にクラシック音楽の演奏会で使う

ライブは音楽の生演奏や音楽やスポーツなどの生中継のこと。一方でコンサートは音楽会や演奏会を表し、実際の演奏を見聞きするだけでなく、映像や音源などの形で記録された音楽を鑑賞する場合にも使われることがあります。ライブはロックやポップスなどのジャンル、コンサートは主にクラシックのジャンルで使うことが多いです。

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雑学

簡単でわかりやすいライブとコンサートの違い!リサイタルとの違いや使い分けも文学部卒ライターが詳しく解説

この記事ではライブとコンサートの違いについてみていきます。2つとも好みの音楽や映像を視聴したり、会場で直接体験したりする時に使われるイメージがあるよな。違いは音楽のジャンルの違いや規模、即時に中継するかどうかなど、細かな違いがみられるようです。今回はそんな音楽や映像などに欠かせない言葉の違いについて、クラシック好きの文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

ラフマニノフやチャイコフスキーなどを好む、クラシック音楽鑑賞が趣味の文学部卒ライター。

ライブとコンサートの共通点:会場で演奏を直接見聞きする

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ライブとコンサートで共通することといえば、「会場で楽器の演奏や歌手の歌を聞いたり、臨場感あふれる様子を見たりして楽しむ」ことがあげられます。ただ、音楽のジャンルや演奏の形態により使い分けがされるようですね。

ライブのもとの意味:英語「live」の形容詞

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ライブはライヴとも呼ばれる場合がありますね。元は英語の”live”の形容詞。日本語に訳すと、「生放送の~」「実演の~」といった意味です。

1.生放送の:実際の状況をそのまま放送する

ライブはテレビやラジオ、インターネット番組からの生放送の意味で使われます。報道番組やスポーツ中継、バラエティ番組の特別番組や重大発表などの場面を連想するかもしれません。

音楽番組ではその年に活躍した歌手を大勢テレビ局やコンサート会場に集めて、ヒット曲を歌うところを編集せずにそのまま流すこともあります。コンサート会場にカメラを入れて、演奏や歌唱を即時に中継して開演時間から終了まで流すようなこともあるでしょう。

ライブビューイング」というイベントは、実際に行われている会場からの映像を、各地の上映会場に同時中継して有料で観客に見せることです。大物の歌手や演奏家、演者の催し物、海外で行われる日本代表の試合などが対象。会場に行くのが難しかったり、ファンが多すぎて入場しきれなかったりする場合に行われます。

2.実演の:演奏などを実際に見聞きする

ライブは中継を通さずにホールや音楽堂などで、演奏や歌唱を実際に見たり聞いたりする意味でも使います。本来は英語の形容詞であった”live”が、日本に輸入されて和製英語になり名詞になったようです。

このような意味でのライブは、どちらかというとポピュラー音楽の演奏や歌を聞きに行った時に使われることがほとんど。例えばライブハウスというホール。ロックやポップスなどの演奏が行われる、比較的小さい立ち見客中心のホールです。可動式のテーブルや椅子が用意された飲食店が併設されていることもあります。

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