近年は、情報番組で紹介された卵や、素材にこだわった餌を食べた鶏の高級な卵を、オンラインショップで購入する人もいるみたいです。養鶏場から鮮度の良い卵が直接届くのも人気の理由らしいぞ。そんな卵には、大きさや色、鶏によってさまざまな種類が存在するんです。今回は、卵には旬があるのか、種類や選び方についてもフードアナリストのコナパパと一緒に簡単にわかりやすく解説していきます。

ライター/コナパパ

フードアナリスト兼、現役のコックで、さまざまな食材に対する知識がある。今回は栄養が豊富な上にさまざまな使い方ができる食材、卵について解説していく。

卵の旬や産地

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卵は、一年を通してスーパーに売っている食材なので、旬や産地を気にしたことがない人もいるのではないでしょうか。ここでは、卵に旬はあるのか、卵の有名な産地などについて解説します。

卵の旬は?

卵にも旬があり、2月~4月ころといわれています。卵の親にあたるニワトリにも繁殖期があり、季節的には春が繁殖期で、その前の栄養を蓄えている2月~4月ころが卵の旬になるのです。ただ卵には、ひよこになる有精卵とひよこにならない無精卵があり、私達が食べている卵のほとんどが無精卵にあたります。

この無精卵は一年中、ニワトリが卵を産めるように品種改良されてできた卵なので、一年を通して味や栄養面は一定で変化がありません。旬が当てはまるのは有精卵の卵だけなんですよ。

旬ではありませんが、卵が注目される時期があります。それはイースターと呼ばれるキリスト教の復活祭の意味を持つイベントです。イースターはクリスマスよりも重要ともいわれていて、イースターの時期にはカラフルにペイントした卵が飾られるんですよ。

卵をペイントするのは、鳥が卵の殻を破ってこの世に誕生するように、イエスキリストも、死という殻を破って復活したという意味が込められていて、それぞれの絵柄や色に意味があるといわれています。卵は、ただ食べるだけでなく、人類の歴史に大きく関わったりエンタメ性も兼ね備えた食べ物なのです。

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卵の有名な産地は?

卵といえば、ここが有名といえる産地は存在しません。期待外れかもしれませんが実際に、農林水産省の令和2年において鶏卵生産量の都道府県別割合をみると、1位から茨城県が8.8%、次いで鹿児島県が7.2%、千葉県が6.0%となっています。それ以外でも4%が5県あるので突出した卵の産地は存在していないのです。

ただ、上位3位までを見てみると茨城、千葉については大消費地である東京が近いといえます。また鹿児島については、薩摩地鶏など鶏肉の生産地としても1位なので、鹿児島が鶏肉や鶏卵の生産が盛んな土地柄だといえるでしょう。

卵をよく食べる国は?

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世界で、一番卵を食べる国はメキシコです。日本人は、卵焼きや目玉焼き、さらには国民食のラーメンにも味付けたまごがのっていたりと、至るところで卵を食べているので日本が世界一と思った人もいるのではないでしょうか。しかし、メキシコが1位、マーレシアが2位、日本が3位です。

実際に、日本人のお米くらいメキシコ人は卵を食べているといわれ、トルティーヤに卵をのせたウェボスランチェロスという定番の朝ごはんや、ウェボスディボルシアードス(離婚した卵)という名の卵料理が有名なんですよ。マレーシアでも、ナシゴレンやミーゴレン、ラクサなど、定番のマレー料理には茹でたまごや目玉焼きが添えられています。

食用として食べられている卵の種類は?

卵は、世界の各地で食べられており、人間が栄養を摂取するのには欠かすことの出来ない食材です。ここでは、日本でよく食べられている鶏の卵はどのような種類の鶏なのか、特徴とともに解説していきます。

1.一般的によく食べられている鶏卵

私たちが、ふだんよく食べている鶏卵はニワトリの卵で、基本的にレシピなどに「卵」書かれていたらニワトリの卵と思って間違いないでしょう。スーパーなどでも手軽に手に入りやすいのも人気の理由で、焼いたり茹でたり半熟にするだけでなく、出汁と合わせて茶碗蒸しや牛乳と合わせてプリン、小麦粉と合わせて焼き菓子など、たくさんの料理やデザートに使われているんですよ。

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2.小さいサイズのうずらの卵

「うずらの卵」という名前は浸透していますが、何の鶏の卵か知らない人もいるかと思います。答えは鶉(うずら)という鶏です。うずらは全長20cmほどでキジ科の中では一番小さな鶏。うずらの卵も小さく、一つ10gほどです。串に刺したうずらの卵のフライや中華丼の餡に入っていたりと、日本人からすると鶏卵の次に食べる機会のある卵かと思います。

アジアでは、うずらの卵はよく食べられていますが、欧米ではうずらの卵を食べることはほとんどなく、食肉用として好まれている鶏です。栄養ですと、ビタミンA、ビタミンB2などは、鶏卵よりかなり多く含まれているんですよ。卵の殻は薄く割れやすいのですが、殻の内側にある薄皮は破れにくくしっかりしています。

3.大きさに驚くダチョウの卵

ダチョウの卵は、地球上で最大の卵といわれています。ダチョウは全長が2mもあり、体重も100kg以上。卵の重さは、約1.6kgにもなり鶏卵と比べると約25倍にもなるんですよ。固ゆで卵にするには、1時間半かかるともいわれているので家庭での調理には不向きですね。殻の部分は、耐久性があり非常に硬くハンマーを使わないと割ることができません。

しかし、約40000年前に作られたダチョウの卵の殻で作られた首飾り発見されたり、1500年代に作られたとされるダチョウの卵で作られた地球儀が発見されるなど、その耐久性が人類の歴史にも役立っているのです。

私たちがふだんよく食べている鶏卵だけでも、黄身に弾力があるもの、餌にゆずを混ぜてゆずの香りのするもの、完全放し飼いで鶏にストレスを与えていない卵などといった特徴がある数百種類のブランド卵が存在します。鶏卵以外にも、カモメの卵は超高級品として、アヒルの卵は中国でごく一般的に、カモやカモメの卵も食用として食べられているんですよ。

卵の選び方

スーパーで卵を買おうとしても、赤い卵や白い卵、小さい卵や大きな卵などたくさんの種類が売られています。ここでは新鮮な卵を選ぶ方法や、卵の色やサイズの違いについてご紹介しますね。

新鮮な卵の選び方方は?

新鮮な卵の選び方は、なるべく賞味期限の長い卵を選ぶことです。どれくらいが長いかというと、生で安全に食べれる約2週間に設定されています。これは夏場の暑い日でも、2週間は生で安心して食べれる期限を意味しているんですよ。産卵日が記載されている場合は、産卵されてから短いものが新鮮です。また、ヒビが入っているものは、割れ目から痛みやすいのでなるべく避けましょう。

卵を割って確かめる場合、黄身はハリがありこんもりしているもの、白身は透明なものより白濁している方が新鮮な証拠なんですよ。新鮮な卵は、卵の中に炭酸ガスを含んでいて、白身が濁っているのですが、段々と炭酸ガスが抜けてしまうので白身が透明になっていくのです。

一昔前まで、新鮮な卵はザラザラしているといわれていましたが、近年の卵は出荷前に洗卵されておりこのザラザラは取れてしまうので、ツルツルの卵だからといって古いこともありません。

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大きさは違うの?

卵は、大きさによってSS~LLにサイズが分かれています。これは、農林水産省の鶏卵の規格によって決められているのです。卵の重さによって多少変わりますが、割合としては卵白の重さが約60%、卵黄が約30%、卵殻が約10%になります。デザートを作る場合、卵黄何グラムと書かれている場合もあるので参考にしてみてください。では、実際のグラムを見ていきましょう。

SSサイズ:40g以上46g未満
Sサイズ:46g以上52g未満
MSサイズ:52g以上58g未満
Mサイズ:58g以上64g未満
Lサイズ:64g以上70g未満
LLサイズ:70g以上76g未満

白い卵と赤い卵の違いは?

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スーパーで並んでいる赤い卵と白い卵の違いは、ニワトリの品種で変わります。白いニワトリは白い卵を産み、色が茶色いニワトリは赤っぽい茶色の卵を産むのです。これは、ニワトリが生活をしてきた環境が大きく関わっています。

明るい場所で育ったニワトリは、敵から見つかりにくくするために白い卵を産み、暗い場所で育ったニワトリは卵が見つかりにくくするため、赤茶色の卵を産むようになったんですよ。売られている卵は、赤い方が高いイメージがありますが栄養価的にはとくに変わることはありません。

卵の選び方を知ろう

卵は、賞味期限が産卵後2週間程度に設定されていることや大きさの違い、色の違いについて解説してきました。これから卵を買うときは、用途にあったサイズを意識し、なるべく2週間に近い賞味期限の卵を選びましょう。

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家庭科

卵に旬がある?種類や選び方もフードアナリストが簡単にわかりやすく解説

近年は、情報番組で紹介された卵や、素材にこだわった餌を食べた鶏の高級な卵を、オンラインショップで購入する人もいるみたいです。養鶏場から鮮度の良い卵が直接届くのも人気の理由らしいぞ。そんな卵には、大きさや色、鶏によってさまざまな種類が存在するんです。今回は、卵には旬があるのか、種類や選び方についてもフードアナリストのコナパパと一緒に簡単にわかりやすく解説していきます。

ライター/コナパパ

フードアナリスト兼、現役のコックで、さまざまな食材に対する知識がある。今回は栄養が豊富な上にさまざまな使い方ができる食材、卵について解説していく。

卵の旬や産地

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卵は、一年を通してスーパーに売っている食材なので、旬や産地を気にしたことがない人もいるのではないでしょうか。ここでは、卵に旬はあるのか、卵の有名な産地などについて解説します。

卵の旬は?

卵にも旬があり、2月~4月ころといわれています。卵の親にあたるニワトリにも繁殖期があり、季節的には春が繁殖期で、その前の栄養を蓄えている2月~4月ころが卵の旬になるのです。ただ卵には、ひよこになる有精卵とひよこにならない無精卵があり、私達が食べている卵のほとんどが無精卵にあたります。

この無精卵は一年中、ニワトリが卵を産めるように品種改良されてできた卵なので、一年を通して味や栄養面は一定で変化がありません。旬が当てはまるのは有精卵の卵だけなんですよ。

旬ではありませんが、卵が注目される時期があります。それはイースターと呼ばれるキリスト教の復活祭の意味を持つイベントです。イースターはクリスマスよりも重要ともいわれていて、イースターの時期にはカラフルにペイントした卵が飾られるんですよ。

卵をペイントするのは、鳥が卵の殻を破ってこの世に誕生するように、イエスキリストも、死という殻を破って復活したという意味が込められていて、それぞれの絵柄や色に意味があるといわれています。卵は、ただ食べるだけでなく、人類の歴史に大きく関わったりエンタメ性も兼ね備えた食べ物なのです。

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