今は無線LANが主流ですが昔は有線が多かった。また、無線LANでもその裏では有線のネットワークが使われている。そんなネットワークとネットワークやネットワークとパソコンなどをつなぐのがブリッジやスイッチです。ですが、この2つは何が違うのでしょう。同じ役割なら2つも要らないよな。役割の違いやよく言われている相違点の本当の意味をネットワークスペシャリストの資格を持つプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。情報処理技術者試験のネットワークスペシャリスト保持。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

同じようで違う?ネットワークをつなぐ機器

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パソコンでインターネットするときに何を使っていますか。今は無線LAN(WiFi)を使うことが多いかもしれません。カフェやホテルなどでもWiFiを使いますよね。ビジネスホテルなどでもWiFiが増えていますが、まだ机に有線のLANポートがついていることもあるでしょう。このように普通に目にするところでは無線が多いです。しかしその裏では今でもケーブルを使った有線のネットワークが活躍しています。会社でも有線のネットワークを使うところもまだまだ多いのでは。

その有線のネットワークで必要になるのがブリッジやスイッチ。どちらもネットワークのための機器です。この違いについて解説していきます。

ブリッジ:ネットワークをつなぐ橋

ブリッジとは直訳すると「橋」のことです。複数のネットワークの間をつなぐ橋になります。イメージとしては電気などの延長ケーブルです。壁のコンセントから遠いところにある家電のために延長ケーブルやコンセントタップを使うことがありますよね。ブリッジはその延長ケーブルやコンセントタップに近いです。

なぜ、ブリッジが必要になるかは後で説明します。今はネットワーク同士をつなぐものと考えておいてください。

スイッチ:通信相手を選択する切替器

スイッチとはその名の通りスイッチ。電気のオンオフのスイッチというよりは切替器のイメージです。例えば、テレビに複数の入力端子がありますよね。ビデオやゲームなどをつないでいますが、テレビのリモコンで切り替えることができます。今はテレビ自体に切替器が内蔵されていますが、昔はテレビには入力端子が1つだけで、切り替えるためだけの機器が別にありました。

ではネットワークのスイッチは何を切り替えるのでしょうか。これもあとで詳しく説明します。今はネットワークとパソコンなどをつなぐものと考えておいてください。

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役割が違う?ブリッジとスイッチの相違点

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ブリッジとスイッチの違いをざっくり説明すると、ネットワーク同士の橋渡しがブリッジです。一方、スイッチはネットワークとパソコンなどをつなぎます。ただし、単につなぐだけではスイッチではありませんスイッチというからには切り替える仕組みが必要です。その仕組みについて説明していきます。

ネットワークをつなぐとは?ブリッジの役割

ネットワークをつなぐのがブリッジと説明しましたが、どういうケースで使うのでしょう。例えばある会社の営業部と製造部を思い浮かべてください。それぞれ自分たちのネットワークを持っています。ただ、同じ会社の中ですから、営業部と製造部や他の組織とのやり取りも必要2つのネットワークをつなぐ必要がありますよね。

しかし、ただつなぐだけではブリッジではありません。この橋には番人が必要です。この番人は営業部や製造部の中だけのやり取りは外に出ていかないように見張っています。営業部内のやり取りは橋を通さないのです。しかし、営業部から製造部へ向けたものは橋を通します。逆も同じです。これは秘密を守る意味もありますが、交通整理の意味もあります。営業部と関係ない製造部のやり取りが営業部側に入ってくると、それだけネットワークが混んでしまうので、遅くなってしまうのです。

通信相手を切替えるとは?スイッチの役割

スイッチの説明の前にネットワークの仕組みを説明します。実はネットワークの中ではあるパソコンへの情報も同じネットワーク内のすべてのパソコンに送られていました。過去形であることに注意してください。イメージとしては学校の教室。先生が生徒のAさんに大声で指示した内容は他の生徒にも聞こえますよね。また、Aさんがぼーっとしていたり、他の生徒が騒いでいると聞き逃すことも。昔のネットワークはそういう状態です。

一方、スイッチは切替器と説明しましたよね。つまり、やり取りする相手を切り替えて、目的の相手にだけ届けるのです。今はスイッチを使うのが普通。そのため、同じネットワークでも別のパソコンとやり取りしている内容はわからないようになっています。教室で言えば先生と生徒が個別にチャットしているようなもの。聞き逃したり、聞き取りにくかったりすることもなく、他の生徒とのやり取りは一切わからないわけです。

利用者がよく見るのはスイッチ

会社や学校でパソコンを有線でネットワークにつなぐ場合、ハブというものを使うかと思います。スイッチとはこのハブの一種で、正確には「スイッチング・ハブ」です。切替機能のあるハブということですね。今のネットワークではほとんどの場合はこのスイッチング・ハブを使っています

一方、スイッチングではないただの「ハブ」も昔はありました。こちらは切替機能がありません。つまり、ハブにつながっているすべてのパソコンに同じ情報が伝わっています。先ほどの教室の例えと同じ状況です。それを自分宛のものとして受け取るか、そうではないから捨てるのかは繋いでいるパソコン側で判断していたのが昔のネットワークでした。その分、無駄なやり取りも多かったわけです。

よくある誤解?ブリッジとスイッチの豆知識

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他にもブリッジとスイッチについて解説した記事があります。その中には間違いではないですが、なぜそうなのかを説明していないものが多いようです。そこで、よくある勘違いとなぜそうなのかについて簡単に説明します。

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誤解その1:ブリッジはソフトウェア、スイッチはハードウェア

よくあるブリッジとスイッチの説明の中に、ブリッジはソフトウェアで処理していて遅いスイッチはハードウェアで処理しているから速い、というものがあります。これ自体は現状を指すものとしては間違ってはいません。ただ、別にブリッジとスイッチの根本的な違いではないのです。

元々はブリッジというものがありました。そこに後からスイッチが登場します。その頃には技術が進歩してハードウェアで処理できるようになったというのが本当のところ。また、ネットワーク同士をつなぐブリッジよりもネットワークとパソコンなどをつなぐスイッチの方が数が必要です。専用のハードウェアを作っても元が取れるというのが一番の理由。単なる結果であって、違いを説明するものではありません

誤解その2:ブリッジは口が少なく、スイッチは口が多い

次によくあるのはブリッジはケーブルを指す口(ポート)が2つや少ない、スイッチは多いという相違点です。これも確かに間違ってはいません。ただ、先に説明した役割の違いを理解すれば当然ですよね。

ブリッジはネットワーク同士を結ぶものです。そのため、ポートは2つや3つで十分。一方、スイッチはネットワークとパソコンなどをつなぐものです。個人が家庭で使うようなものであれば3〜5個程度で十分ですが、会社や学校などで使うものは8個や16個、それ以上のものもあります。多くのパソコンをつなぐには多くのポートが必要ですよね。これも結果的にスイッチには多くの口が必要だからそうなっているだけで、ブリッジとスイッチの相違点ではありませんね。

誤解その3:ブリッジはMDI、スイッチはMDI-X

最後によくあるのはポートの話です。ポートとはブリッジやスイッチにケーブルを挿す口のこと。このポートにはMDIとMDI-Xの2種類があり、ブリッジはMDI、スイッチはMDI-Xを使っているのが普通。これ自体は正しいです。でも、なぜ2種類あるかの説明がありません。

LANケーブルには信号線が2つあります。道路で言えば2車線道路です。ブリッジはネットワークを延ばすものですよね。だから上りは上り、下りは下り同士をつなぎます。一方、パソコンとつなぐときは上りと下りを逆につなぐ必要があります。上りをパソコンから送信、下りをパソコンで受信すると考えれば、スイッチの上り線(出口)から出たものはパソコンの下り(入り口)で受け取る必要がありますよね。昔はケーブル自体が2種類ありましたが区別しにくいです。そのため、ケーブルではなくポートの方を逆にしたのがMDI-Xになります。

ブリッジとスイッチの役割の違いを正しく認識しよう

ブリッジとスイッチはどちらも有線のネットワークで必要なネットワーク機器です。細かい違いを挙げれば色々あります。しかし根本的な違いはひとつだけ。ブリッジはネットワーク同士をつなぐ橋のようなもの。そして、スイッチはネットワークとパソコンなどの機器をつなぐものです。

ネットワークとパソコンをつなぐものの中にはスイッチではないものも昔はありました。ただ、今は技術の進歩で一般的に使われるものはほとんどがスイッチです。スイッチとそうでないものの違いは、データを送り先だけに送るのがスイッチスイッチでないものはつながっているすべてのパソコンに送ってしまいますデータを送り先に合わせてスイッチ(切り替え)するから「スイッチ」なのです。

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IT・プログラミング雑学

簡単でわかりやすい!ブリッジとスイッチの違いとは?橋と切替器?役割や仕組みもプログラマーがわかりやすく解説

今は無線LANが主流ですが昔は有線が多かった。また、無線LANでもその裏では有線のネットワークが使われている。そんなネットワークとネットワークやネットワークとパソコンなどをつなぐのがブリッジやスイッチです。ですが、この2つは何が違うのでしょう。同じ役割なら2つも要らないよな。役割の違いやよく言われている相違点の本当の意味をネットワークスペシャリストの資格を持つプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。情報処理技術者試験のネットワークスペシャリスト保持。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

同じようで違う?ネットワークをつなぐ機器

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パソコンでインターネットするときに何を使っていますか。今は無線LAN(WiFi)を使うことが多いかもしれません。カフェやホテルなどでもWiFiを使いますよね。ビジネスホテルなどでもWiFiが増えていますが、まだ机に有線のLANポートがついていることもあるでしょう。このように普通に目にするところでは無線が多いです。しかしその裏では今でもケーブルを使った有線のネットワークが活躍しています。会社でも有線のネットワークを使うところもまだまだ多いのでは。

その有線のネットワークで必要になるのがブリッジやスイッチ。どちらもネットワークのための機器です。この違いについて解説していきます。

ブリッジ:ネットワークをつなぐ橋

ブリッジとは直訳すると「橋」のことです。複数のネットワークの間をつなぐ橋になります。イメージとしては電気などの延長ケーブルです。壁のコンセントから遠いところにある家電のために延長ケーブルやコンセントタップを使うことがありますよね。ブリッジはその延長ケーブルやコンセントタップに近いです。

なぜ、ブリッジが必要になるかは後で説明します。今はネットワーク同士をつなぐものと考えておいてください。

スイッチ:通信相手を選択する切替器

スイッチとはその名の通りスイッチ。電気のオンオフのスイッチというよりは切替器のイメージです。例えば、テレビに複数の入力端子がありますよね。ビデオやゲームなどをつないでいますが、テレビのリモコンで切り替えることができます。今はテレビ自体に切替器が内蔵されていますが、昔はテレビには入力端子が1つだけで、切り替えるためだけの機器が別にありました。

ではネットワークのスイッチは何を切り替えるのでしょうか。これもあとで詳しく説明します。今はネットワークとパソコンなどをつなぐものと考えておいてください。

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