雑学

簡単でわかりやすい!業務委託と請負の違いとは?報酬を受ける対象が違う?派遣契約との比較も法学部卒現役OLライターがくわしく解説

この記事では業務委託と業務請負の違いについてみていきます。どちらも企業がアウトソーシングをする際に結ぶ契約のことです。違いは委託側から受け取る報酬の対象にあるようです。ここでは派遣契約とも比較しながら、各々の違いやメリットデメリットについてまで法学部卒現役OLライターyukoと一緒にくわしく解説していきます。

ライター/yuko

土木工事会社勤務9年目の正社員OLライター。現職場では業務委託の方や派遣社員の方、請負契約を結んでいる企業と共に仕事に従事。今回は大学4年間の法学部在学で得た知識と、9年間の事務業務で身に着けた経験をもとにわかりやすく解説していきます。

業務委託と請負の違いは報酬を受ける対象

image by iStockphoto

業務委託と業務請負の違いは報酬の対象、つまり委託者や発注者に何を与えることで報酬を得るのかというところです。簡単に説明すると受託者が行った業務が報酬の対象になるのが業務委託、請負者が作成したり施工したりしてできた完成物や成果物が報酬の対象になるのが業務請負になります。はじめに、民法の定義をみてみましょう。

民法第632条(請負)
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる
民法第643条(委任)
委任には、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手がこれを承諾することによって、その効力を生ずる
民法第656条(準委任)
この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する

(出典:民法)

民法にみる「委任」「準委任」が業務委託、「請負」が業務請負になります。委託という単語は民法上は明記されていないんですね。以上の用語の違いを念頭におきつつ、詳しく解説していきます。

業務委託:実際に行った業務

image by iStockphoto

業務委託は受託者が行った業務に対して、委任者が報酬を支払う契約のこと。受託者の行った業務に対する成果や完成物などは関係ありません。業務を委任しているため委任者から業務の進め方などを直接受託者へ指示をするのではなく、業務の手順や遂行方法も受託者側が決め遂行していきます。また、業務に必要な諸経費は委任者の負担です。

業務請負:完成物や成果物

業務請負は請負者が行った業務の完成物や成果物に対して、発注者が報酬を支払う契約のこと。その業務に請負者がどれほどの労力や時間を費やしたかということは関係ありません。業務を発注しているため業務の手順や遂行方法は請負者側が決め遂行します。また、業務中にかかる費用は発注金額のなかに含まれているので諸経費等の発注者負担はなしです。

派遣契約との違いは?

派遣契約とは人材派遣会社と企業が結ぶ契約で、人材派遣会社が雇用契約を結んだ社員を企業に派遣して仕事をしてもらい報酬を得る仕組みになっています。

業務委託や業務請負が専門性の高い仕事や、アウトソーシングした方が質やスピードを担保できると考えられる業務について業務契約を結ぶのに対して、派遣契約は企業側の指示で派遣社員を業務にあたらせるため、まずは教育をする必要があり派遣社員が仕事に馴染むまでは教育コストが発生しやすいといわれているそう。しかし企業側の裁量で人数の増減や雑務処理等をお願いできるので、業務内容によっては柔軟性に富んだ業務遂行が目指せる方法ともいえますね。

業務委託と業務請負それぞれのメリットデメリット

image by iStockphoto

ここからは業務委託と業務請負を比較してそれぞれのメリット、デメリットを各々の立場からみてみましょう。

業務委託のメリットデメリット

委任者側のメリットは、専門性の求められる業務について社員を教育をする必要がなく、社内に特別なノウハウがなくても業務を遂行することができ、労務管理をする必要がない点など。デメリットは、業務の遂行に対して報酬を支払う契約のため、想定していた成果が得られない状態であっても支払いをする必要がある点があげられるでしょう。自社でノウハウを構築できない点もあげられるかもしれません。業務委託を行う際には委託先の選択が大変重要になってきますね。

受託者側のメリットは、委任を受けた業務を遂行するための時間や工数に対して報酬を得ることができるので、完成品などに捉われず専門分野に特化した業務をおこなうことができる点など。また依頼業務が契約の範囲外であれば、断ることも可能です。デメリットは労働基準法が適用されず雇用保険や労災保険に加入できない点などがあげられるでしょう。

業務請負のメリットデメリット

発注者のメリットは業務委託同様、社内で専門性をもった人を教育するための時間やコストを節約でき、請負者の労務管理をする必要がない点など。デメリットは、発注業務の遂行状況などを把握することが難しく、万が一期限までに成果を得られなかった場合などに損害をうける可能性がある点や、専門性の高い仕事を社員に教育するための方法や経験、ノウハウの自社の蓄積が難しい点があげられるでしょう。

請負者側のメリットは、仕事内容や時間をある程度自らの裁量で決められるので柔軟な働き方が可能であったり、専門性の必要な得意分野の仕事ができる点などがありますね。成果物さえ満足する形で納品できれば、そこにかけられた時間や労力が大きくとも小さくとも関係ありません。デメリットは、労働基準法が適用されず雇用保険や労災保険に加入できない点に加えて、完成品を納品しなければ報酬を得られない点などがあげられます。

\次のページで「注意が必要!偽装請負問題」を解説!/

次のページを読む
1 2
Share: