酒の種類として挙げられる「醸造酒」と「蒸留酒」。普段飲んでいる酒が、どういう種類の酒なのか知らない人も多いんじゃないか。
今回は頻繁にバーに通う酒好きライターおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。ビール、日本酒、ワイン、ウィスキーと複数の認定資格を持つほどのお酒好き。

醸造酒と蒸留酒の違い

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お酒の種類を表す言葉として「醸造酒」と「蒸留酒」があります。普段何気なく乾杯しているお酒は、必ずいずれかの種類に該当しているんです。ビールやウィスキーといったお酒のジャンルは知っていても、それらのお酒と「醸造酒」と「蒸留酒」という言葉が結びつかない人も多いはず。ここではまず「醸造酒」と「蒸留酒」の違いについて解説していきます。

醸造酒:原料を発酵させて作る

「醸造酒」は原料を発酵させて作るお酒です。発酵とは酵母という微生物の働きにより、アルコールを生成すること。原料にお米を使えば日本酒が、大麦を使えばビールが、ぶどうを使えばワインが作られます。近年ではリンゴから醸造したシードルというお酒も人気です。

蒸留酒:醸造酒を蒸留して作る

「蒸留酒」は「醸造酒」を蒸留して作るお酒です。蒸留とは液体を蒸発させることで、より純度の高い液体にすること。アルコールの沸点は水よりも低いので、「醸造酒」を蒸留することでアルコール度数を高めることができるのです。蒸留では蒸留器という大型の機械を用いて加熱します。

「蒸留酒」は英語で言うとスピリッツです。特にジン・ラム・ウォッカ・テキーラに関しては4大スピリッツと呼ばれています。またビールを蒸留すればウィスキーに、ワインを醸造すればブランデーになるんですよ。

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混成酒との違い

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「醸造酒」と「蒸留酒」の違いについてはおわかりいただけだと思います。実は「混成酒」という言葉もあり、前述の2種類と混同されがちです。ここでは「混成酒」の定義について解説していきます。

混成酒:醸造酒や蒸留酒に原料を追加して作る

「混成酒」は醸造酒や蒸留酒に原料を追加して作るお酒です。主な原料は果実や果汁、香料、薬草、スパイスなど。

例えばワインは「醸造酒」ですが、薬草やスパイスを加えることでベルモットというお酒になります。また焼酎は「蒸留酒」ですが、ここに梅を漬け込むと日本でお馴染みの梅酒に。また他にも糖分(蜂蜜や糖液など)を加えたり、ハブ酒のように生き物の体を漬け込むこともあります。薬酒と呼ばれるようなお酒はこれに該当しますし、調味料のみりんも「混成酒」なんですよ。

酔いやすいのはどっち?

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「醸造酒」と「蒸留酒」の違いがわかったところで、気になるのは酔いやすいのはどちらの種類かということですよね。ここでは「醸造酒」と「蒸留酒」の酔いやすさの違いについて解説していきます。なお「混成酒」については素になったお酒がどちらなのかによって異なるのでご注意ください。

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醸造酒は酔いやすい

一般的に「醸造酒」は酔いやすいと言われています。「醸造酒」のアルコール度数はビールで5パーセント前後、日本酒やワインで15パーセント前後のためそこまで高くありません。逆を言えばアルコール以外の成分が多く含まれているため体内での吸収・分解の負担が多くなります。

またアルコール度数が低いということは有機物が多く品質が変わりやすいことでもあるのです。そのため添加物を投入する場合があるのですが、この添加物が二日酔いなどの原因になるとも言われています。

「醸造酒」のちゃんぽんは悪酔いの原因の一つ。ちゃんぽんとはジャンルの違うお酒を飲み合わせること。例えば日本酒とワインのちゃんぽんは禁物です。

蒸留酒は酔いにくい

「蒸留酒」は「醸造酒」に比べて酔いにくいと言われています。「蒸留酒」のアルコール度数は焼酎で25パーセント前後、ウィスキーやブランデーで50パーセント前後と高めです。

しかし純粋なアルコールにより近い「蒸留酒」は水とアルコール以外の成分量がそこまで多くありません。要するに不純物が少ないのです。そしてアルコールの種類もエタノールというものがほとんどで、また添加物なども基本的に含んでいません。そのため意外にも「蒸留酒」の方が吸収と分解はスムーズになり、悪酔いしにくいと言えます。もちろん飲み方は制限しないとダメですよ。

醸造酒と蒸留酒は製造方法が違う

ここまで「醸造酒」と「蒸留酒」の違い、「混成酒」とはどのようなお酒か、そして「醸造酒」と「蒸留酒」の酔い方の違いについて解説してきました。今まで何気なく飲んできたお酒の見方が変わったのではないでしょうか。

生まれた国や土地の文化が色濃く表れているのがお酒です。また近年ではクラフトビールやマイクロワイナリーと呼ばれる小規模生産者も増え、よりそれぞれの個性が際立ってきています。農業技術や製造技術の向上により、年々お酒の品質は良くなっている印象です。みなさんもお気に入りのお酒を探してみてはいかがでしょうか。

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3分で簡単にわかる醸造酒と蒸留酒の違い!酔いやすいのはどっち?混成酒との違いもお酒好きライターがわかりやすく解説

酒の種類として挙げられる「醸造酒」と「蒸留酒」。普段飲んでいる酒が、どういう種類の酒なのか知らない人も多いんじゃないか。
今回は頻繁にバーに通う酒好きライターおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。ビール、日本酒、ワイン、ウィスキーと複数の認定資格を持つほどのお酒好き。

醸造酒と蒸留酒の違い

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お酒の種類を表す言葉として「醸造酒」と「蒸留酒」があります。普段何気なく乾杯しているお酒は、必ずいずれかの種類に該当しているんです。ビールやウィスキーといったお酒のジャンルは知っていても、それらのお酒と「醸造酒」と「蒸留酒」という言葉が結びつかない人も多いはず。ここではまず「醸造酒」と「蒸留酒」の違いについて解説していきます。

醸造酒:原料を発酵させて作る

「醸造酒」は原料を発酵させて作るお酒です。発酵とは酵母という微生物の働きにより、アルコールを生成すること。原料にお米を使えば日本酒が、大麦を使えばビールが、ぶどうを使えばワインが作られます。近年ではリンゴから醸造したシードルというお酒も人気です。

蒸留酒:醸造酒を蒸留して作る

「蒸留酒」は「醸造酒」を蒸留して作るお酒です。蒸留とは液体を蒸発させることで、より純度の高い液体にすること。アルコールの沸点は水よりも低いので、「醸造酒」を蒸留することでアルコール度数を高めることができるのです。蒸留では蒸留器という大型の機械を用いて加熱します。

「蒸留酒」は英語で言うとスピリッツです。特にジン・ラム・ウォッカ・テキーラに関しては4大スピリッツと呼ばれています。またビールを蒸留すればウィスキーに、ワインを醸造すればブランデーになるんですよ。

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