この記事ではつまみやおやつにぴったりの、ピーナッツの選び方などについてみていきます。ゆでたり炒ったりしたピーナッツや、ピーナッツバターなどに加工したものなどさまざまな種類のピーナッツがあるよな。どのように選ぶと良いのか難しいが、選び方のポイントを押さえれば自分に合ったピーナッツが選べるみたいです。
今回はピーナッツの種類や選び方について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。ピーナッツ栽培が盛んな地元で育った。落花生をゆでて食べるのがお気に入り。

ピーナッツの歴史は5千年

ピーナッツは南米原産の植物です。今から5千年ほど前から存在していました。初めに生産していたのはペルーだと考えられていて、亜熱帯の温かい地域で栽培がされていたようです。そこからヨーロッパに広まり、さらにアフリカに、そしてアジアに広がっていきました。日本に伝わったのはピーナッツの長い歴史から見ると最近の出来事です。江戸時代頃に中国から伝わり、明治以降に栽培が定着していきました

現在出回っているピーナッツは品種改良されたもので、5千年前に栽培されていたものとはかなり異なると考えられています。

国産ピーナッツの8割が千葉県産

image by iStockphoto

ピーナッツというと千葉のイメージがありますが、実際に千葉県が一番多く国産の80%以上を生産しています。千葉以外では茨城県や神奈川県でも生産されていますが、そのほかをすべて合わせても全体の1/4以下です。ピーナッツにおいて千葉の右に出る県はないのですね。

しかし、国内で流通しているピーナッツの約9割が輸入品です。その多くが炒ったり揚げたり加工して輸入されていますが、生落花生に限っても国内生産量よりも輸入量のほうが上回ります。産地を気にされる方は、しっかり確認してから購入しましょう。

ピーナッツの栽培方法は?

ピーナッツはナッツではなくマメ科の植物で、畑で栽培されています。黄色の小さな花が咲き1日でしぼみ、花のツルが地面に向かって伸びて地中で落花生が育つのです。日当たりが良く温かい環境を好み、成長には石灰が必要となります。落花生の栽培は初心者でも難しくなく、プランターでも栽培可能です。

連作を避けるべき、とさまざまなサイトで書かれていますが、地元の畑には毎年落花生が植わっているのをみてきました。毎年同じ畑で育てている方もいるようですし、連作しても大きな問題にはならなさそうです。気になる方はプランターや場所を変えて試してみてください。

ピーナッツの旬は秋

ピーナッツの旬は10~11月頃の秋です。種を植えるのは5月頃で、夏には次々と花を咲かせます。その後落花生として収穫できるようになるのは、2~3か月ほど後です。収穫できるまでに少し時間のかかる植物となっています。旬の時期には生の落花生がスーパーや直売所に並ぶので、秋には逃さずに食べたいですね。

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ピーナッツは大きく分けて4種類

ピーナッツの種類は大きく分けて、バージニア種・ランナー種・スパニッシュ種・バレンシア種の4つです。

1.大粒でそのまま食べる「バージニア種」

日本で栽培されているピーナッツのほとんどが、バージニア種となっています。大粒サイズでさやに2粒入っていることが多く、そのままの形で食べることが多いです。塩ゆでにしたり形の残る加工品にされたりシンプルな食べ方がおすすめの品種となっています。

2.世界的に生産の多い「ランナー種」

アメリカでメインに生産されているのが、ランナー種です。ピーナッツと言えば形のあるものを想像しますが、アメリカでは加工された商品として食べるのが一般的となっています。大きめで幅があり丸みのある粒が特徴で、ピーナッツバターに加工されることが多いです。

3.油分の多い「スパニッシュ種」

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スパニッシュ種は、赤みの茶色の渋皮で覆われており、ひとつの殻に3~4個入っていて小粒のピーナッツです。油分が多く含まれているためピーナッツオイルや調味料・キャンディーなどのお菓子に使用されています。

4.小粒で珍しい「バレンシア種」

世界でもあまり栽培されていないバレンシア種は、ひとつの殻に3~5粒の小さいな実が入っています。甘みが強く、殻つきのまま炒ったりゆでたりして食べることが多いです。ホワイトバレンシアという珍しい種類もあるようで、高額で販売されています。苗も販売しているので変わったピーナッツを育ててみたい方にもおすすめです。

\次のページで「ピーナッツの選び方」を解説!/

ピーナッツの選び方

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ピーナッツは、食べるシーンによって選び方が変わりますよね。生落花生を買うときや、お酒のつまみ、朝食やおやつなど、用途に合わせた選び方をみてみましょう。

その1.生落花生を買うときは「さや」に注目

生の落花生を買うときは、さやに注目しましょう。さやが汚れていなくてきれいなものは、過度な洗いすぎで風味が悪くなっている可能性があります。少し土がついていたり黒っぽい渋が付いていたりするほうが、フレッシュでおいしいようです。

また、さやが膨らんでいて実が大きそうなものがおいしそうに見えますが、成長しすぎて味が落ちていることがあります。あまり丸くなく細めの落花生を選ぶのがポイントです。

その2.ピーナッツを銘柄で選ぶ

日本で生産されているピーナッツは全部で5種類あります。

・中手豊(なかてゆたか)
・千葉半立(ちばはんだち)
・郷の香(さとのか)
・おおまさり
・Qなっつ

中手豊は収穫量が多く安価で手に入れやすく、さっぱりした甘みがあります。千葉半立は強い甘みと香ばしさが特徴的で価格はやや高めで、現在栽培されているピーナッツのうち一番古くから栽培されている銘柄です。郷の香は収穫が8月中旬ごろからできるため、シーズンの初めから食べることができます。味は中手豊と似ていてさっぱりした甘みが特徴で、塩ゆでして食べるのが一般的です。

2009年に新たに販売されたおおまさりは大きな粒が特徴的で、ゆでるとホクホクの食感が楽しめます。2018年に販売された最も新しい品種のQなっつは、強い甘みとさっぱりした後味ですが食べ応えがあるのが特徴です。

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その3.おつまみやおやつにぴったりのピーナッツの選び方

おつまみやおやつには、バターピーナッツやゆで落花生など簡単に食べられるものがおすすめとなります。特におすすめするのは、栄養たっぷりの渋皮が付いたピーナッツです。赤っぽい色の皮にはポリフェノールが含まれています。せっかくピーナッツを食べるなら、栄養豊富な皮が付いているものや、さやごと販売されているものを選ぶと良いでしょう。

また、市販のピーナッツのお菓子の中には塩分や脂質が多いものもあります。特に日本人は塩分の取りすぎが問題になることが多く、無塩のピーナッツや薄味のものを選ぶと健康的でしょう。

その4.ピーナッツ加工品で多様な使い方

日本ではピーナッツはそのまま食べることが多い食品ですが、海外ではピーナッツオイルやピーナッツバターなどに加工して食べることが多いです。調味料として使用することができるので、使い方が広がりますね。

ピーナッツバターやピーナッツペーストは、ピーナッツだけを使用した物から油や調味料が添加されているものもあります。値段ばかりに注目してしまいがちですが、「塩分の含まれていないもの」や「ピーナッツだけで作られたもの」など、どのようなピーナッツバターが必要なのか考えながら買うようにしましょう。

自分に合ったピーナッツを選んでおいしく食べよう

ピーナッツの種類や銘柄、選び方が分かりました。日本でよく見るピーナッツはそのままの形で食べることが多いですが、世界的には加工して使用することが多く、栽培されている品種にも違いがありましたね。秋の旬の時期にしか販売されていない生落花生も期間限定で食べられるので、銘柄にも注目しながら食べてみてください。ピーナッツのおやつや加工品は、ポイントに注目して選んでみてほしいです。

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家庭科

ピーナッツにも品種がある!銘柄やおいしい物の選び方も管理栄養士が簡単に分かりやすく解説

この記事ではつまみやおやつにぴったりの、ピーナッツの選び方などについてみていきます。ゆでたり炒ったりしたピーナッツや、ピーナッツバターなどに加工したものなどさまざまな種類のピーナッツがあるよな。どのように選ぶと良いのか難しいが、選び方のポイントを押さえれば自分に合ったピーナッツが選べるみたいです。
今回はピーナッツの種類や選び方について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。ピーナッツ栽培が盛んな地元で育った。落花生をゆでて食べるのがお気に入り。

ピーナッツの歴史は5千年

ピーナッツは南米原産の植物です。今から5千年ほど前から存在していました。初めに生産していたのはペルーだと考えられていて、亜熱帯の温かい地域で栽培がされていたようです。そこからヨーロッパに広まり、さらにアフリカに、そしてアジアに広がっていきました。日本に伝わったのはピーナッツの長い歴史から見ると最近の出来事です。江戸時代頃に中国から伝わり、明治以降に栽培が定着していきました

現在出回っているピーナッツは品種改良されたもので、5千年前に栽培されていたものとはかなり異なると考えられています。

国産ピーナッツの8割が千葉県産

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ピーナッツというと千葉のイメージがありますが、実際に千葉県が一番多く国産の80%以上を生産しています。千葉以外では茨城県や神奈川県でも生産されていますが、そのほかをすべて合わせても全体の1/4以下です。ピーナッツにおいて千葉の右に出る県はないのですね。

しかし、国内で流通しているピーナッツの約9割が輸入品です。その多くが炒ったり揚げたり加工して輸入されていますが、生落花生に限っても国内生産量よりも輸入量のほうが上回ります。産地を気にされる方は、しっかり確認してから購入しましょう。

ピーナッツの栽培方法は?

ピーナッツはナッツではなくマメ科の植物で、畑で栽培されています。黄色の小さな花が咲き1日でしぼみ、花のツルが地面に向かって伸びて地中で落花生が育つのです。日当たりが良く温かい環境を好み、成長には石灰が必要となります。落花生の栽培は初心者でも難しくなく、プランターでも栽培可能です。

連作を避けるべき、とさまざまなサイトで書かれていますが、地元の畑には毎年落花生が植わっているのをみてきました。毎年同じ畑で育てている方もいるようですし、連作しても大きな問題にはならなさそうです。気になる方はプランターや場所を変えて試してみてください。

ピーナッツの旬は秋

ピーナッツの旬は10~11月頃の秋です。種を植えるのは5月頃で、夏には次々と花を咲かせます。その後落花生として収穫できるようになるのは、2~3か月ほど後です。収穫できるまでに少し時間のかかる植物となっています。旬の時期には生の落花生がスーパーや直売所に並ぶので、秋には逃さずに食べたいですね。

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