指輪文化が浸透してきた背景は?
image by iStockphoto
世界の指輪文化を見てみるとその歴史は古く古代ローマ時代までさかのぼります。しかし日本での歴史は浅く浸透してきたのは第二次世界大戦後1960年代です。ここからは指輪文化が浸透してきた背景や左手薬指に着用する理由まで詳しくみていきましょう。
指輪文化の歴史
婚約指輪の起源は、古代ローマ時代までさかのぼります。古代ローマでは紀元前3世紀には男性から女性へむけて婚約の品を贈る文化があり、約束を果たす誓いとして鉄の指輪が贈られていたそう。指輪を贈る理由はその形にあり「〇」は永遠に途切れないものを表しているとか。当時は男尊女卑の思想が強かったため女性が男性に対して忠義を誓う意味もありました。2世紀ごろには恋人の証として金の指輪を贈っていたという記録も。
結婚指輪を男女2人でするようになった起源は、9世紀にローマ教皇ニコラウス1世がはじめて結婚指輪を身に着けてから。当時の文献には、花嫁に金の指輪を贈り花婿に鉄の指輪を贈ったという記録が残されているようです。その後13世紀ごろには結婚指輪を贈り合う文化が定着し男女でつけるようになっていきました。
日本に浸透してきた背景
日本の指輪文化の始まりは明治時代、キリスト教の布教とともに浸透してきたそうです。また、ダイヤモンドのあしらわれた婚約指輪が日本に浸透してきたのは第二次世界大戦後の1960年~70年代ごろ。日本では太平洋戦争からダイヤモンドの輸入が禁じられていましたが、戦後にジュエリーの輸入が解禁、徐々に結納の品として婚約指輪を贈ることが増えてきました。
結納とは日本独特の婚礼の儀式で、家と家の繋がりのために行われる行事。つまり結婚のための手付金の1つとして婚約指輪を充てるという考え方もあったということですね。現代ではお披露目の意味を込めて両家が介する場で婚約指輪を紹介するカップルも多いようです。
こちらの記事もおすすめ
世界を巻き込んだ人類史上最大の戦争「第二次世界大戦」を元塾講師が分かりやすく5分でわかりやすく解説
左手薬指に指輪をする理由は?
古代ギリシャ時代には、左手の薬指には心臓とつながる太い血管があるといわれていました。そのため2人の愛を深める意味をこめて左手の薬指に婚約指輪も結婚指輪も着用するようになったそう。また現代では指輪をどの指につけるかで着用する意味が変わってくると考えられていて、例えば右手の薬指であれば心の安定や恋愛成就、恋人がいる証などの意味があり、左手中指は協調性を高め人間関係をよくするなどの意味があります。
左手薬指につけなければならないという決まりはないですがあえてその指に着用する理由として、右利きの人が多い日本では利き手でない左手薬指であれば生活する上で邪魔にならないからという現実的な意見もあるほどです。
\次のページで「現代の指輪事情」を解説!/