3分で簡単にわかる!石英とガラスの違いとは?構造や見分け方も工学系院卒ライターがわかりやすく解説!
この記事では「石英」と「ガラス」の違いについて掘り下げていきます。どちらも二酸化ケイ素SiO2が主成分の素材で、無色透明で硬さがあるのが特徴ですが、各々の構造や特性を比べてみると、まるで違うことが分かる。
今回はそんな似て非なる2つについて、学生時代、固体物理学を学んでいたライターthrough-timeと一緒に解説していきます。
ライター/through-time
工学修士で、言葉や文学も大好きな雑食系雑学好きWebライター。学生時代の経験と知識を生かし、石英とガラスの違いについて分かりやすく解説していく。
石英とガラスの違いは?
ときに光を優しく透かし、ときに光を受けてキラキラ輝く石英とガラス。どちらも同じ二酸化ケイ素でできている上、無色透明で違いが分かりにくいと思われがちですが、実は構造や特性が全く異なっているのです。
二酸化ケイ素について
まずは両者の主成分である二酸化ケイ素について解説しましょう。ケイ素Siの酸化物で化学式はSiO2、シリカや無水ケイ酸とも呼ばれます。自然界では石英として存在していることが一般的です。また、地球の表層の約6割が二酸化ケイ素を含む鉱物によって構成されています。
二酸化ケイ素はさまざまな用途があり、身近なのは乾燥剤のシリカゲルです。ほかにも化粧品や薬、意外なところでは食品添加物にも使われていますが、体内でほとんど消化吸収されることなく排出されます。
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石英とは
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石英(クオーツ)は、二酸化ケイ素の共有結合結晶で、地球上の多くの岩石を構成する造岩鉱物です。砂にも多く含まれており、砂場などを探すとキラキラ光る石英の小さな粒(ケイ砂)を見つけることができます。砂漠や砂丘の砂は石英の占有率が高く、リビア砂漠やカラハリ砂漠は9割以上が石英です。
六角柱状に大きく成長し、かつ透明度の高いものは水晶と呼ばれます。
石英および水晶はほかの物質と混ざらない特性があるため、無色透明ないし白色であることが多いです。が、不純物や放射線の影響で色がつくことがあり、色や外観により紫水晶(アメシスト)や黄水晶(シトリン)、煙水晶(スモーキークオーツ)などの名前が付けられています。
結晶について
結晶を辞書で調べると、下のように書いてあります。
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