菖蒲はあやめ?アイリス・かきつばたとの違いは?簡単な見分け方も農学専攻ライターがわかりやすく解説
アイリス・かきつばたとの違いは?
アイリス・かきつばたは、あやめと同じくアヤメ属(iris)の植物です。アイリスはアヤメ属の属名ですが、一般にはヨーロッパ原産のアヤメ属植物を指します。なかでもジャーマンアイリスやダッチアイリスが有名でしょう。一方かきつばたは日本原産。「いずれアヤメかカキツバタ」と並んで語られるほどに、あやめに似た花を咲かせます。
このアヤメ属には他に、ハナショウブ(花しょうぶ)という植物も存在。「しょうぶ」とは名ばかりに、こちらもあやめによく似た花を咲かせます。混同しないよう注意が必要ですね。「菖蒲園」ではこれらのアヤメ属植物が栽培されています。次の項目でその見分け方についてみていきましょう。
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アヤメ属の見分け方
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あやめとアイリス、かきつばた、花しょうぶはすべてアヤメ属の植物です。どの種も3枚の花びらを外側にもつ、似た形の花を咲かせます。知識なしに判別するのは至難の業ですが、花の色や生息地などを知っていれば容易に判別が可能。以下、その違いと見分け方をお教えします!
その1.花
あやめ・かきつばたは基本的に紫色の花(まれに白い花)を咲かせます。色こそ似ていますが、両者は外側にある3枚の花びらの模様が異なるため容易に判別可能。アヤメの場合、外側の花びらの全体に網目模様が浮き出ており、その付け根には黄色の模様が見られます。一方かきつばたでは網目模様が見られず、付け根には白い模様が存在。あやめよりも、素朴な花が特徴的です。
アイリスと花しょうぶは品種改良が進んだアヤメ属植物。どちらも色とりどりの花(紫や青、桃、白、黄色など)が楽しめます。こちらも外側の花びらで判別が可能です。アイリス・花しょうぶはともに、外側の花びらの付け根に黄色の模様を持ちます。ですが花しょうぶの模様のほうが細長く、目立ちません。
さらにアイリスは外側の花びらの付け根にひげをもつ「ジャーマンアイリス」ともたない「ダッチアイリス」に分けられます。
その2.葉
花しょうぶの葉はあやめ・かきつばたのものとは異なり、中央に通った太い葉脈(主脈)が目立ちます。花を見ずとも判別可能です。
その3.生息地
先述の通り、あやめは乾燥地を好みます。ヨーロッパ原産のアイリスも同様です。一方かきつばた・花しょうぶは湿地を好みます。水が張られた菖蒲園ではあやめではなく、かきつばた・花しょうぶが植えられていると覚えておきましょう。
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