コンビーフは、なぞの肉が詰まっていると缶詰めと思っている人もいるんじゃないか。ですが、コンビーフは100%牛肉が使われていて長期保存にも適した食品なんです。今回は、コンビーフがどんな食べ物なのか、特徴や栄養・効能についてもフードアナリストのコナパパと一緒に解説していきます。

ライター/コナパパ

フードアナリスト兼、現役のコック。さまざまな食材に対する知識がある。今回はさまざまな料理にも使うことのできるコンビーフについて解説していく。

コンビーフはどんな食べもの?

コンビーフは、聞いたことがあるけど食べたことがない人や、名前にビーフとついているが本当にビーフなのか?と思っている人も多いのではないでしょうか。ここでは、コンビーフがどんな食べ物なのか、特殊なシルバーの缶についてもご紹介します。

コンビーフの原材料は?

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コンビーフのコンとはcorned(塩漬け)の意味で、原材料は塩漬けされた牛肉です。日本では通常、塩漬けにした牛肉を加熱したあと、ほぐしてから缶詰めされたものをコンビーフの呼びますが、海外では塩漬けした生の牛肉のことをコンビーフ呼ぶことがあるんですよ。塩漬けした牛肉なので、コンビーフ以外にソルトビーフとも呼ばれています。

また、コンビーフという名前は、2006年から100%牛肉を使ったもののみ使用できる名前なので、それ以外の肉が使われていることはありません。

日本では、塩漬けした生の牛肉が売られているのをあまり見かけませんが、海外ではごく一般的な食材として存在するんですよ。有名な料理ですと、キャベツとコンビーフを一緒に煮込んだアイルランド料理「コンビーフアンドキャベジ」や、ブラジル料理の「フェイジョアーダ」などが有名です。

コンビーフ缶の歴史

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日本でよく見かける枕缶と呼ばれる缶に詰められたコンビーフは、1875年アメリカのビリー社によって製造が開始されました。この当時は、缶切りがまだ普及していなかったので、缶の一部を帯状に巻き取る「巻取り鍵式」の缶が採用されたようです。

国産ですと、ノザキのコンビーフが70年あまり巻取り鍵式の缶で、根強い人気がありましたが、2020年から底面部のシールをはがして簡単に開封できるタイプのアルミック缶に変更されています。

コンビーフの価格は高い?

コンビーフは、おもに缶詰めの食品ですが正直なところ高いです。日本だと緑の缶に牛が描かれたノザキのコンビーフが有名ですが、2017年に公式ツイッター上で「ぶっちゃけ肉より高い。」と自社製品を自虐するツイートをしました。その他のツナやトマトの缶詰と比べても、倍以上の値段はするので高く感じる人もいるでしょう。ただこれは、単純に原材料がほぼ牛肉であることや加工している手間がかかっているのが大きな理由です。

日本では牛肉をハムやソーセージなどの加工品にすることはあまりなく、これだけ便利で手軽に牛肉を食べられる加工品はあまりありません。お酒のおつまみで、ビーフジャーキーなどもありますがそれなりの値段で売られています。

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特徴のあるコンビーフ

近年では、コンビーフと一言でいっても高級なものから、低脂肪なものまでいろいろな種類が存在します。ここでは、コンビーフの特徴について解説しますね。

有名なコンビーフ

日本で定番のコンビーフと言えば、緑の缶に牛が描かれたノザキのコンビーフかと思います。ノザキのコンビーフは1948年に製造が開始され、当初は瓶詰めのコンビーフだったんですよ。ノザキのコンビーフは川商フーズ株式会社が製造をしており、コンビーフやニューコンミートの販売総数は2020年時点で9億2955万個にも及びます。

高級なコンビーフ

近年は、高級なコンビーフも多くあります。特に有名なお店は、東京都の千駄木腰塚の自家製コンビーフが有名です。千駄木腰塚のコンビーフは、職人が一つひとつ手作業で作っており一流ホテルなどでも使われているんですよ。

このほかにも、山形牛で作られた加藤牛肉店のコンビーフやあかまる牛肉店の鳥取和牛のA5ランクを使ったコンビーフはお取り寄せ商品やふるさと納税の返礼品としても人気があるんですよ。

健康志向なコンビーフ

塩分の強いイメージのコンビーフですが、近年ではヘルシーに食べることのできる低脂肪のものや、無塩せきのコンビーフが売られています。健康を気にされる人でも食べることのできるコンビーフもあるので、ネットで検索してみて下さいね。

無塩せきとは、亜硝酸ナトリウムなどに漬けていないことを指します。コンビーフ以外にもハムやソーセージなどの加工品を作る工程の中で、塩せきと呼ばれる亜硝酸ナトリウムなどの発色剤に漬け込む工程があるのです。亜硝酸ナトリウムなどは人工の添加物なので懸念される人もいるんですよ。

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コンビーフの栄養と効能3選

コンビーフは、牛肉が使われている食品なので、牛肉に似た栄養や効能があります。ここでは、コンビーフにはどんな栄養や効能があるのか詳しく解説していきますね。

1.鉄で貧血予防

鉄は、全身に酸素を運ぶ赤血球を作るのに欠かすことのできないミネラルです。そのほかにも、筋肉内に酸素を取り込む働きもあり、不足してしまうと酸素を上手く取り込めず、筋力低下や疲労を起こし貧血の原因にもなります。

体内に吸収しにくい栄養素ですが、ビタミンCを含む食材と一緒に摂ることで吸収率がアップするんですよ。コンビーフを食べる際は、ビタミンCを多く含んだ野菜やおかずと一緒に食べるのがおすすめです。

2.疲労を回復させるタンパク質

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タンパク質のおもな働きは、筋肉を修復させることです。タンパク質が不足すると、筋肉の働きが弱まり内臓の働きも衰えて疲労しやすくなります。タンパク質はエネルギー源にもなりますが、すぐには使われることはなく体内の糖質や脂質が不足することで、タンパク質がエネルギーとして利用されるのです。

タンパク質はビタミンB6と一緒に摂ることで、タンパク質の体内への吸収力を高めてくれます。ビタミンB6はチーズやニンニクに多く含まれている栄養素なので、サンドイッチにコンビーフを挟む際は、一緒にチーズを挟んでみたり、じゃがいもと調理する際はにんにくを入れるとタンパク質を高めてくれますよ。

3.成長を促すビタミンB2

ビタミンB2は、脂質をエネルギーに変える働きがあります。脂質が新しく細胞を作る際、手助けをする働きがあるので、皮膚や粘膜などの細胞の再生に役立つのです。子どもや胎児の成長を促進させる働きがあることから「成長ビタミン」とも呼ばれているんですよ。

自分にあったコンビーフを探そう

コンビーフのごく一般的なものは、賞味期限の長い缶詰めタイプですが、プラスチックの容器やパウチタイプなど使いやすい容器のものもあります。また、高級なものから健康志向なコンビーフまで売られているので、自分のニーズに合ったコンビーフを探してみましょう。

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家庭科

コンビーフはどんな食べ物?特徴や栄養・効能をフードアナリストが簡単にわかりやすく解説

コンビーフの栄養と効能3選

コンビーフは、牛肉が使われている食品なので、牛肉に似た栄養や効能があります。ここでは、コンビーフにはどんな栄養や効能があるのか詳しく解説していきますね。

1.鉄で貧血予防

鉄は、全身に酸素を運ぶ赤血球を作るのに欠かすことのできないミネラルです。そのほかにも、筋肉内に酸素を取り込む働きもあり、不足してしまうと酸素を上手く取り込めず、筋力低下や疲労を起こし貧血の原因にもなります。

体内に吸収しにくい栄養素ですが、ビタミンCを含む食材と一緒に摂ることで吸収率がアップするんですよ。コンビーフを食べる際は、ビタミンCを多く含んだ野菜やおかずと一緒に食べるのがおすすめです。

2.疲労を回復させるタンパク質

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タンパク質のおもな働きは、筋肉を修復させることです。タンパク質が不足すると、筋肉の働きが弱まり内臓の働きも衰えて疲労しやすくなります。タンパク質はエネルギー源にもなりますが、すぐには使われることはなく体内の糖質や脂質が不足することで、タンパク質がエネルギーとして利用されるのです。

タンパク質はビタミンB6と一緒に摂ることで、タンパク質の体内への吸収力を高めてくれます。ビタミンB6はチーズやニンニクに多く含まれている栄養素なので、サンドイッチにコンビーフを挟む際は、一緒にチーズを挟んでみたり、じゃがいもと調理する際はにんにくを入れるとタンパク質を高めてくれますよ。

3.成長を促すビタミンB2

ビタミンB2は、脂質をエネルギーに変える働きがあります。脂質が新しく細胞を作る際、手助けをする働きがあるので、皮膚や粘膜などの細胞の再生に役立つのです。子どもや胎児の成長を促進させる働きがあることから「成長ビタミン」とも呼ばれているんですよ。

自分にあったコンビーフを探そう

コンビーフのごく一般的なものは、賞味期限の長い缶詰めタイプですが、プラスチックの容器やパウチタイプなど使いやすい容器のものもあります。また、高級なものから健康志向なコンビーフまで売られているので、自分のニーズに合ったコンビーフを探してみましょう。

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