Windowsでファイルのプロパティを見ると「サイズ」の他に「ディスク上のサイズ」という項目があるよな。多くはディスク上のサイズの方が大きい数字になっているはずです。このディスク上のサイズってなんだかわかるか。場合によってはいくら空きがあるように見えてもそれ以上使えなくなることもあるぞ。ディスクでのファイルの管理の仕方とディスク上のサイズの意味について、パソコンとの付き合いが長いプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。パソコンとも35年以上の付き合い。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

実は無駄が多い?ファイルのサイズの不思議な違い

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内蔵や外付けのHDD、SDDやUSBメモリなど、さまざまなデバイスでファイルを使います。そのファイルのプロパティを開くと、ただのサイズの他に「ディスク上のサイズ」という項目が。ほとんどの場合でただのサイズよりも大きな数字になっていますよね。

この「ディスク上のサイズ」とはなんでしょう。ざっくり言えば仕組み上無駄になっている分も含んだサイズです。その無駄とはなんでしょう。このサイズとディスク上のサイズの違いを解説します。

サイズ:ファイルそのものの大きさ

何もついてない「サイズ」は、そのファイルの元々の大きさです。例えば「ABC」の3文字だけならば3バイトになると思います。これは簡単ですよね。普通気にするのはこちらの「サイズ」になります。

ディスク上のサイズ:どうしても入る無駄も含んだ大きさ

では「ディスク上のサイズ」とは。HDDやSDD、USBメモリやCD、DVDなども含めて「ディスク」と呼ばれます。そのディスクの中でそのファイルがどのくらいの大きさを使っていることになっているかを示すサイズです。わかりにくいですね。

後で詳しく説明しますが、ディスクではファイルを置いておくのにディスクの中を細かいブロックに分けています。1つのファイルは1つ以上のブロックに収めますが、1つのブロックに2つのファイルを入れることはできません。そのため、仕組み上無駄な部分ができてしまいます。その無駄になっている分も含んだサイズが「ディスク上のサイズ」です。この後、もう少し詳しく解説していきます。

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HDDやSDDはホテルのようなもの?客(ファイル)を入れる部屋がある

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ディスクでのファイルのしまい方を説明しますが、まずはホテルや宿を思い浮かべてください。それらには部屋がありますよね。部屋には一人部屋から数人が使える部屋まで色々です。ディスクの仕組みも同じ。ディスクが宿、客がファイルと思ってください。ホテルの例えでサイズとディスク上のサイズを説明していきます。

この部屋は何人部屋?アロケーションユニットサイズとは

例えば、そのホテルに4人部屋がひとつ空いているとします。そこにペアの客が2組来た場合、泊まることのできるのは1組だけ。通常はもう1組は泊まることができません。部屋としては4人分の空きがあるのですが、使えるのは2人分だけです。4人部屋に2人が泊まると人数的には2人分余ってしまいます。この場合の「サイズ」にあたるのは実際に泊まる2人「ディスク上のサイズ」に当たるのは無駄になっている2人分も合わせた4人です。

この部屋が何人部屋かというのをディスクでは「アロケーションユニットサイズ」と呼びます。ホテルの場合は色々な大きさの部屋がありますね。しかしディスクの場合は1台のディスクでは1種類のアロケーションユニットサイズしか使えません。ワンルーム専用マンションのようなものです。

無駄が多いか少ないか?アロケーションユニットサイズで決まるディスク上のサイズ

あるホテルが2人部屋が10室あったとします。ここにペアが2組と、一人旅の人が3人。その場合、実際に泊まっている人数は2人×2部屋+1人×3部屋=7人ですよね。本来このホテルには20人が泊まることが可能。ですのでまだ3分の2近く空いているはずです。しかし、部屋としては2人部屋が5部屋なのですでに半分を使っていることになります。

このようにファイルのサイズとディスク上のサイズは違うわけです。ファイルサイズとしては空いているように見えても、実際に使える量は少なくなってしまいますディスクによってこの部屋のサイズ=アロケーションユニットサイズはバラバラ。場合によってはサイズとディスク上のサイズが10倍やそれ以上違うこともあります。一見、ディスクがまだ空きがあるように見えても、場合によってはすでに満室という場合もあるわけです。

HDDやSDDによって様々?アロケーションユニットサイズはどうやって決まる

このアロケーションユニットサイズはディスクによってもさまざま。またある程度変更することも可能です。それを決めるのはディスクのフォーマットの時。ディスクにもよりますが、ここでアロケーションユニットサイズが変えることができる場合もあります。

ただディスクというホテルは部屋の数の上限がルールで決まっているのです。そのため、巨大なディスクはどうしても部屋のサイズであるアロケーションユニットサイズが大きくなりがち。逆に小容量のディスクは部屋のサイズを自由に選べることも多いです。パソコンに最初から入っているディスクの場合は4Kから16Kバイト程度のことが多いかと思います。大きなホテルは部屋も大きく、逆は小さいことが多い、と覚えてください。

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少しでも無駄を減らすために!アロケーションユニットとの付き合い方

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さてどうしても無駄が出るのは仕方ないとして、無駄は減らしたいですよね。そのためにはどうすればよいでしょう。その方法を説明します。

その1:小さいファイルがたくさんある場合は圧縮してまとめよう

通常アロケーションユニットサイズは4Kから16Kバイト程度のことが多いです。例え1バイトのファイルでもそれだけのサイズを使ったことになってしまいます。それを避けるにはどうしたらよいのでしょうか。ホテルだったら相部屋にしてもらうという方法もあります。それと同じような考えがファイルの圧縮です。

Windowsのエクスプローラーで圧縮フォルダーを使う方法や専用のツールでいくつかのファイルをまとめて圧縮することができます。この場合まとめたファイルがどれだけあっても、ディスクから見れば1つのファイル。つまり相部屋してもらっている状態です。1バイトのファイルが10個あると40Kバイト使ったことになってしまうわけですが、圧縮すれば4Kバイトで済みます。これは効率的ですよね。

その2:どうしてもなんとかしたい場合はバックアップして再フォーマット

先ほど説明したように、ディスクのアロケーションユニットサイズは変更も可能です。ただし、それにはフォーマットが必要すでにあるファイルはフォーマットしてしまうと消えてしまいます。そのため、まずはどこか別の場所にバックアップする必要が。その後、フォーマットして、ファイルを戻すという手間が必要です。面倒ですよね。

また、ディスクによってはアロケーションユニットサイズが変更できないケースもあるので、どうしても変更したい場合だけこの方法を使ってください。

その3:ディスクに空きがあるならば気にしない

さて、それ以外にはどういう方法があるでしょうか。実はディスクに空きがある状態ならば気にしないのが一番です。と言うのも、アロケーションユニットサイズは必ずしも小さいことがよいとは限らないため。無駄なスペースを減らすと言う意味では効率的ですが、デメリットもあります

それはファイルの読み書きが遅くなること。アロケーションユニットサイズが小さいと言うことは、それだけそのファイルを細かく分けているということ。例えば、100Kバイトのファイルがあるとします。アロケーションユニットサイズが16Kバイトであれば7分割です。一方、4Kバイトであれば25分割。16Kバイトを7回読み書きするよりも、4Kバイトを25回読み書きする方が、サイズは同じでも回数が多い分遅くなってしまいます。そのため、大きなファイルを扱う際にはアロケーションユニットサイズが大きい方がよいのです。

実際のサイズとディスク上のサイズは両方重要、違いすぎる場合は工夫も必要

ファイルのプロパティにある「サイズ」と「ディスク上のサイズ」はホテルに例えると宿泊人数と部屋数×部屋の最大人数の違いです。ディスクは中をアロケーションユニットサイズという大きさで分けた部屋に区切っています。そのため1バイトのファイルでもアロケーションユニットサイズ分は使ったことになってしまうわけです。部屋が埋まってしまえば部屋の中に空きスペースがあっても使うことはできません

ただ、アロケーションユニットサイズが大きいことは悪いことばかりではありません。その方が大きなファイルの読み書きが早くなります。無駄なスペースがあるというと気になるかもしれませんが、必要な余裕と思ってください。ただ、空きがあるように見えても無駄スペースがあるので実際には満杯ということがあるということを覚えておいてください。

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IT・プログラミング雑学

簡単でわかりやすい!ファイルの実際のサイズとディスク上のサイズの違いとは?ファイル管理の仕組みからプログラマーが詳しく解説

Windowsでファイルのプロパティを見ると「サイズ」の他に「ディスク上のサイズ」という項目があるよな。多くはディスク上のサイズの方が大きい数字になっているはずです。このディスク上のサイズってなんだかわかるか。場合によってはいくら空きがあるように見えてもそれ以上使えなくなることもあるぞ。ディスクでのファイルの管理の仕方とディスク上のサイズの意味について、パソコンとの付き合いが長いプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。パソコンとも35年以上の付き合い。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

実は無駄が多い?ファイルのサイズの不思議な違い

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内蔵や外付けのHDD、SDDやUSBメモリなど、さまざまなデバイスでファイルを使います。そのファイルのプロパティを開くと、ただのサイズの他に「ディスク上のサイズ」という項目が。ほとんどの場合でただのサイズよりも大きな数字になっていますよね。

この「ディスク上のサイズ」とはなんでしょう。ざっくり言えば仕組み上無駄になっている分も含んだサイズです。その無駄とはなんでしょう。このサイズとディスク上のサイズの違いを解説します。

サイズ:ファイルそのものの大きさ

何もついてない「サイズ」は、そのファイルの元々の大きさです。例えば「ABC」の3文字だけならば3バイトになると思います。これは簡単ですよね。普通気にするのはこちらの「サイズ」になります。

ディスク上のサイズ:どうしても入る無駄も含んだ大きさ

では「ディスク上のサイズ」とは。HDDやSDD、USBメモリやCD、DVDなども含めて「ディスク」と呼ばれます。そのディスクの中でそのファイルがどのくらいの大きさを使っていることになっているかを示すサイズです。わかりにくいですね。

後で詳しく説明しますが、ディスクではファイルを置いておくのにディスクの中を細かいブロックに分けています。1つのファイルは1つ以上のブロックに収めますが、1つのブロックに2つのファイルを入れることはできません。そのため、仕組み上無駄な部分ができてしまいます。その無駄になっている分も含んだサイズが「ディスク上のサイズ」です。この後、もう少し詳しく解説していきます。

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