
てんさい糖と似ている砂糖との違いは?選び方のポイントは2つ!管理栄養士が簡単にわかりやすく解説

今回はてんさい糖の製造方法やその過程をおさえて、砂糖の選び方のポイントなどについて管理栄養士のミサキと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ミサキ
給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。てんさい糖を利用したお菓子をよく食べている。
「てんさい」は100%北海道産

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日本国内で生産されている「てんさい」はすべて北海道産です。その理由は、てんさいが寒さに強く熱に弱いことにあります。もともとはドイツなどのヨーロッパでてんさいの栽培と砂糖の製造が行われていましたが、ヨーロッパと気候条件が似ていることから北海道で栽培が始まりました。
現在も北海道以外でてんさい糖の生産は行われておらず、流通している国産のてんさい糖はすべて北海道産となっています。
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てんさい糖の旬は秋
てんさいの旬は10~11月頃です。収穫後すぐに砂糖の生産が始まるので11月頃には新しい砂糖ができることが分かります。しかし、砂糖は劣化しずらい食品で、賞味期限がなく製造年月日の表示をしなくてもいいことになっているためいつでもおいしく食べられるでしょう。
てんさいは、冬の終わりごろに苗が植えられ、春から夏に成長し、秋の朝晩の温度差で糖度が増すようです。収穫後、次の苗を植える2、3月頃までに1年分の砂糖を製造しています。
てんさい糖の製造方法

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てんさいの根を使って製造されるのがてんさい糖です。きれいに洗ったてんさいの根をカットして、お湯に糖分を溶け出させて、糖液を作ります。不純物を取り除いた糖液はさらに蜜と結晶に分離。グラニュー糖や上白糖に精製されるのが、結晶部分です。蜜はてんさい糖として加工されています。
上白糖はショ糖を結晶化させて製造するのに対して、ブラウンシュガーと呼ばれるてんさい糖などは製造方法が違うため栄養や味に違いがあるというわけです。ショ糖だけでなく蜜を利用して製造する砂糖は「含蜜糖」と呼ばれています。
「てんさい」から作られている砂糖は?
てんさいからは、てんさい糖の他にもグラニュー糖や上白糖が製造されています。砂糖の原料として「てんさい」よりも知られている「さとうきび」ですが、てんさいから作られている砂糖のほうが日本では4~5倍も生産量が多いです。てんさい糖を使ったことのない方でも、家に常備してある砂糖の原料がてんさいであることもあるでしょう。
てんさい糖と同じ原料から作られているグラニューと上白糖ですが、味や特徴に差があります。グラニュー糖は結晶化したショ糖を乾燥させたもので、純度が高く味にクセがないです。
上白糖は、結晶化したショ糖に転化糖を加えて作られています。しっとりした状態で、グラニュー糖よりもコクがあり甘みを感じやすいです。

グラニュー糖はクセがないからコーヒーや紅茶に入れることが良くあるよな。上白糖はコクがあって料理にも利用されている。焦げ目や焼き色も上白糖のほうが付きやすいから、菓子に使用されるのも上白糖が多いな。
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