建物の管理者として設置されている「防災管理者」と「防火管理者」。
似たような名前ですが、いったい何が違っているんでしょうな。
今回は「防災管理者」と「防火管理者」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

防災管理者と防火管理者の違い

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建物の管理者として「防災管理者」と「防火管理者」が存在します。「防災」と「防火」の文字が違っていますが、具体的にこの2つは何がどう違っているのでしょうか。ここでは「防災管理者」と「防火管理者」の違いについて解説していきます。

防災管理者:火災以外の被害を対策

「防災管理者」とは、防災管理対象物において火災以外の災害に対する管理業務の推進責任者のことです。防災管理対象物とは防災管理が必要な建物のことで、面積や階層数によって定義されています。火災以外の災害なので、地震や津波、噴火などへの計画・指導・訓練・管理をすることが仕事です。

防火管理者:火災の被害を対策

一方の「防火管理者」とは防火管理業務の推進責任者を指します。つまり火災の発生を防止し、万が一火災が発生した場合に被害を最小限にするための対策をする責任者です。消防法では「防災管理者は、防火管理者のすべき業務を行わなければならない」とされています。つまり防災管理者と防火管理者は同一人物でなくてはなりません。

大規模な建物の管理者

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「防災管理者」と「防火管理者」の違いについてはおわかりいただけたと思います。実はオフィスビルや雑居ビル、ショッピングモールなどの大規模な施設においては、より広範囲を管轄する管理者がいるのです。ここではそんな大規模な建物の管理者について解説していきます。

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統括防災管理者

「統括防災管理者」とは権限が複数に分かれた防災対象物について、一体的な防災体制を整える「防災管理者」のことです。大規模施設にはテナントが複数入居していますよね。彼らが独自の防災計画・指導・訓練・管理を行っていると、いざ災害に直面した際に施設全体で統一の取れた行動がとれません。よって入居テナントたちが協議し、「統括防災管理者」という防災面のリーダーを選出します。

統括防火管理者

「統括防火管理者」は「統括防災管理者」の火災対策版といえる役割。テナント間の防火面での連携を図るため、計画・指導・訓練・管理を行うことが仕事です。なお「統括防火管理者」については消防機関への届け出が必要となっています。

防災管理者・防火管理者になるには

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「防災管理者」も「防火管理者」も人命に責任を持つ重要な役割。よって正しい知識や技術を持たない人物が選任されることは危険ですよね。そこでそれぞれ管理資格が存在するのです。ここでは「防災管理者」も「防火管理者」の資格の取り方について解説していきます。

防災管理者資格の取り方

「防災管理者」は以下3つの要件のうちいずれかを満たす必要があります。1つ目は一般社団常人日本防火・防災協会が主催している甲種「防火管理講習」を修了していること。2つ目は大学または専門学校で防災管理に関する課程を修了の上、一年以上の管理実務経験があるか、「防災管理講習」を修了していること。3つ目は市町村の消防職員として防火管理職に一年以上いたことです。

防火管理者資格の取り方

「防火管理者」は「防災管理者」との兼任が前提のため、「防災管理者」資格の取り方とほぼ同じです。違っている点は「防火管理講習」が担当する施設の規模により甲種・乙種が分かれている点。届け出の出し方については各地自治体により異なるため、消防署への問い合わせが必要となります。

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防災管理者は火災以外、防火管理者は火災の対策

ここまで「防災管理者」と「防火管理者」の違い、「統括防災管理者」と「統括防火管理者」という役割、そしてそれぞれの資格の取り方について解説してきました。一見難しいようでいて、意外とシンプルな役割だったことに気づけたのではないでしょうか。

日本は災害大国のため建築における安全面の技術は非常に発達していますし、「防災(防火)管理者」のガイドラインも厳しいものになっています。しかしそれだけでは尊い人命を守り切ることはできません。「防災(防火)管理者」だけでなく、個々人も防災・防火の意識を持たなければなりませんね。

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資格・専門雑学

3分で簡単にわかる防災管理者と防火管理者の違い!資格の取り方も雑学好きライターがわかりやすく解説

建物の管理者として設置されている「防災管理者」と「防火管理者」。
似たような名前ですが、いったい何が違っているんでしょうな。
今回は「防災管理者」と「防火管理者」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

防災管理者と防火管理者の違い

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建物の管理者として「防災管理者」と「防火管理者」が存在します。「防災」と「防火」の文字が違っていますが、具体的にこの2つは何がどう違っているのでしょうか。ここでは「防災管理者」と「防火管理者」の違いについて解説していきます。

防災管理者:火災以外の被害を対策

「防災管理者」とは、防災管理対象物において火災以外の災害に対する管理業務の推進責任者のことです。防災管理対象物とは防災管理が必要な建物のことで、面積や階層数によって定義されています。火災以外の災害なので、地震や津波、噴火などへの計画・指導・訓練・管理をすることが仕事です。

防火管理者:火災の被害を対策

一方の「防火管理者」とは防火管理業務の推進責任者を指します。つまり火災の発生を防止し、万が一火災が発生した場合に被害を最小限にするための対策をする責任者です。消防法では「防災管理者は、防火管理者のすべき業務を行わなければならない」とされています。つまり防災管理者と防火管理者は同一人物でなくてはなりません。

大規模な建物の管理者

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「防災管理者」と「防火管理者」の違いについてはおわかりいただけたと思います。実はオフィスビルや雑居ビル、ショッピングモールなどの大規模な施設においては、より広範囲を管轄する管理者がいるのです。ここではそんな大規模な建物の管理者について解説していきます。

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