3分で簡単にわかる!トランジスタとFETの違いとは?特性や用途も元ラジオ少年がわかりやすく解説
トランジスタ:増幅や発振、スイッチングに
オーディオアンプやラジオなど、信号を増幅するアナログ回路に用いると良いでしょう。増幅した信号を再度取り込み、増幅するという工程を繰り返すことで発振を生じさせることもできます。また低速度のスイッチングにも用いられ、LEDをゆっくり点滅させる回路(電子ホタル)の作成には不可欠です。
FET:大きな信号のみを拾う装置に
FETはその構造によって、さまざまな種類に分けられます。なかでも代表的なものは、接合型FETとMOSFETでしょう。接合型FETは入力インピーダンス(抵抗)が高く、微弱な信号を遮断するはたらきを持ちます。一方で強い信号は増幅されるため、目当ての信号のみを分離することが可能です。心電図や脳波系など、計器の入力段に用いられます。
MOSFETはゲートの半導体を金属酸化物の膜で隔てることで、より高い入力インピーダンスを実現。ゲートへの電流の流出・損失が少ないのが特徴です。そのため大きな電力を用いる回路に欠かせません。またスイッチング速度が速く、モーターの駆動を制御する回路にも適しています。
それぞれの強みを知り、使い分けよう!
トランジスタとFETは信号を制御する半導体素子です。はたらきは同じですが、制御の方向性が異なります。増幅やスイッチングなど、部品一つ一つのはたらきは単純。そのような個々のはたらきを持つ部品をいくつも組み合わせることで、あらゆる電子機器が成り立つのです。スマートフォンに用いられる半導体は、この記事で解説したトランジスタやFETよりもコンパクト。半導体は日夜、改良を受けています。ふだん何気なく使っているスマートフォンにも、人類の創意工夫がふんだんに注がれているのですね。