3分で簡単にわかる!トランジスタとFETの違いとは?特性や用途も元ラジオ少年がわかりやすく解説
違い1:電極の名称
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トランジスタとFETはともに、3つの電極・端子をもつ「3本足」の部品です。電極を構成するのは半導体で、P型とN型の2種類の半導体の組み合わせからなります。P型半導体は正の電荷を持つ電気(正孔)を伝導し、N型半導体は負の電荷を持つ電子を伝導するのが特徴。2つの異なる半導体を組み合わせることで、増幅を生じさせるのです。
トランジスタ:ベース、コレクタ、エミッタ
トランジスタの電極はベース(B)、コレクタ(C)、エミッタ(E)と呼ばれます。ベースは入力部、コレクタは出力部です。エミッタは接地します。コレクタとエミッタは同種の半導体からなり、異なる半導体をもつベースを挟み込む「サンドイッチ型」の模式図で説明可能です。その半導体の構成からNPN型とPNP型に分類されます。
FET:ゲート、ドレイン、ソース
一方FETの電極の名称はゲート(G)、ドレイン(D)、ソース(S)。こちらは入力のゲートと出力のドレイン、接地部分のソースからなります。出力と接地部分は同種の半導体で構成され、入力の半導体のみ種類が異なるという点ではトランジスタと同様です。こちらはドレインに用いる半導体の種類で分類され、N型チャネルとP型チャネルに大別できます。
違い2:増幅のしくみ
異なる半導体をもつ入力部に電力を加えると、出力部での電流の量が変化します。一般に増幅とは、出力電流の増加のみを指す用語。電力の加え方によっては、出力を0にすることも可能です。こちらはスイッチングと呼ばれ、区別されます。電力は電流と電圧からなり、そのどちらを制御に用いるかでトランジスタ・FETの違いが決まるのです。以下、制御のしくみについて解説します。
トランジスタ:ベースに電流を通す
通常エミッタ・コレクタ間の電流はベースの半導体によって妨げられています。ベース・エミッタ間に電流を加えると、エミッタ・コレクタ間の電流は増加。ベースに加える電流量によっては、出力の増大が可能です。この現象は増幅といい、トランジスタでより強くみられます。
FET:ゲートに電圧を加える
FETではドレイン・ソース間の「電流の通り道」ともいえる領域をチャネルと呼びます。異なる半導体でできたゲートに電圧を加えると、チャネルを通過する電流量が変化。トランジスタに劣るものの、増幅が生じます。FETはこの変化をすばやく制御して回路のON/OFFを切り替える、スイッチングの機能に特化した部品です。
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