この記事では批判と非難の違いについてみていきます。2つとも相手から何かを指摘された時に使われるイメージがあるよな。厳しい言葉であっても前向きに伝えられるか、感情的な物言いで攻撃をされるかによって大きく使い分けることもあるようですが、どうも混同しやすいようです。両者の意味の違いを確認しながら、例文や間違いやすい語についても言葉の意味の違いが気になる文学部卒のライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

相手から声高に責められるのは辛いと感じる、細かな言葉の違いが気になる文学部卒ライター。

批判と非難の共通点

image by iStockphoto

批判はものごとの良し悪しを判断し、判定したり評価を下したりすること。他人の行動や発言などの表現、仕事の仕方についてなど間違いや欠点などをあげて、正しく直す所や反省点について議論をすることです。一方、非難の場合は他人の欠点、失敗などをあげて一方的に責めることをいいます。

両者の共通するところは、他人の悪い点を指摘することです。

批判と非難の異なる点

image by iStockphoto

批判と非難の違いは、悪い部分を指摘をするやり方や、ものごとや相手に対してフォローがあるかどうかにもよるようです。まず、批判からみていきます。

批判:欠点や悪い所を正すために指摘

批判をする場合、対象になるものごとや相手に対して欠点や悪い所を正すために具体的な意見を述べる時に使います。厳しい指摘や耳が痛い意見であっても、改善ができるように、前向きな姿勢が感じられますね。また、相手と対等な立場であれば、自分が批判されたとしても、反論できる余地がある場合もあるかもしれません。

非難:欠点や悪い所をあげつらって責める

非難は、相手の欠点や失敗などの悪いところをあげつらって責めること。あくまでも一方的な言い方で、相手の言い分を聞かずにとがめたりなじったりする様子をイメージすると分かりやすいでしょう。批判のように、相手の不足する部分の改善に向けて意見を述べることはありません。

\次のページで「批判と非難の使い方を例文でチェック!」を解説!/

批判と非難の使い方を例文でチェック!

それでは、批判と非難の使い方を例文でチェックしていきましょう。

批判を使った例文

批判を使った例文は以下の通りです。

・Aさんに作品を批判されたが、今回は修正したのでお褒めの言葉をいただいた。
・彼の批判は最もなことで、ぐうの音も出なかった。
・お客様の批判は真摯に受け止めます。
・仕事に対する彼女の姿勢について、多くの同僚が批判の声をあげた。

非難を使った例文

非難を使った例文は以下の通りです。

・芸能人が不祥事を起こし、レポーターから記者会見で非難されていた。
・いわれのない非難を受けて、自分がバカにされたように思えて反発した。
・上司にお前の仕事の仕方が悪いと非難され、指導の仕方が悪いと言い返した。
・SNSでは本音が出やすく、書き方によっては非難の応酬になりやすい。

\次のページで「批判・非難と間違いやすい語」を解説!/

批判・非難と間違いやすい語

image by iStockphoto

批判や非難と似ている言葉には誹謗中傷、批評などがあります。どのような点で間違いやすいか確認してみましょう。

1.誹謗中傷:嘘の悪口で相手を傷つける行為

誹謗中傷は、「誹謗」と「中傷」の2つの熟語が合わさった四字熟語。誹謗は他人の悪口を言うことで、中傷は根拠のないでたらめを言いふらして相手の名誉を傷つけることです。非難には言い方に責めるようなところはあるにせよ、でっち上げて噂を流す意味は含まれません。

近年ではSNS上での有名人や法人を狙った誹謗中傷が問題となっています。悪質なデマ(虚偽の情報)や大げさなうわさをSNS上に流して相手を攻撃するような例がありますね。でたらめな学歴や犯罪歴などを本当のことのように仕立て上げ、人格を否定するなどの問題が出ているようです。

2.批評:長所や短所をあげて価値を判断する

批評は、ある物事や作品などについて長所や短所などをあげてよく調べ上げた上で、そのものの価値があるのか判断し、自分の意見を述べること。文学や演劇、音楽などの芸術作品について評価する場合に使われることが多いです。ただ、広い意味では政治や科学、経済などの身近な生活に関することやスポーツなども批評の対象となることも。

批評は良い点も悪い点も平等に指摘して、客観的に公平な意見を述べる時に使うイメージ。どちらかというと、批判の方が悪いところをあげて否定的な意見に傾きがちな場合に使うことが多いでしょう。

批判は問題点を指摘するが非難は悪い所を責めるのみ

批判も非難も相手の悪いところを指摘するという点では同じですが、批判は悪いところを指摘した上で相手を良い方向へ向かわせたり、反論の余地を残したりと前向きなところが感じられるでしょう。しかし、非難は相手の言い分をあまり聞かないで、一方的に責め立てる場合に使われる点が異なります。

" /> 簡単でわかりやすい!批判と非難の違いとは?共通点や例文・類語も文学部卒ライターが詳しく解説 – ページ 2 – Study-Z
雑学

簡単でわかりやすい!批判と非難の違いとは?共通点や例文・類語も文学部卒ライターが詳しく解説

批判と非難の使い方を例文でチェック!

それでは、批判と非難の使い方を例文でチェックしていきましょう。

批判を使った例文

批判を使った例文は以下の通りです。

・Aさんに作品を批判されたが、今回は修正したのでお褒めの言葉をいただいた。
・彼の批判は最もなことで、ぐうの音も出なかった。
・お客様の批判は真摯に受け止めます。
・仕事に対する彼女の姿勢について、多くの同僚が批判の声をあげた。

非難を使った例文

非難を使った例文は以下の通りです。

・芸能人が不祥事を起こし、レポーターから記者会見で非難されていた。
・いわれのない非難を受けて、自分がバカにされたように思えて反発した。
・上司にお前の仕事の仕方が悪いと非難され、指導の仕方が悪いと言い返した。
・SNSでは本音が出やすく、書き方によっては非難の応酬になりやすい。

\次のページで「批判・非難と間違いやすい語」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: