「白いいちご」とは熟しても赤くならないいちごの品種の総称です。当然赤いいちごとの違いは明白ですが、白いいちご同士でもそれぞれ異なった特徴があるんです。人気品種を5種類ピックアップして、比較してみよう。また、その味わいを最も堪能できる美味しい良品の見分け方も見ていきます。この記事では、白いいちごの旬や産地、品種の特徴やその高価な理由についても果物大好きパティシエのmei.mと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。いちごは、毎週数百粒を共に過ごしてきた相棒!

白いいちごの旬

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白いいちごの収穫時期は、普通の赤いいちごと同じで、12月~6月の冬から春にかけてです。特に収穫量が多いのは、1~3月頃。4月に入ると収穫量が減少する品種が多いようです。

名産地はどこ?

赤いいちごの生産量は、言わずと知れた栃木県がシェア15%トップ2位はあまおうで知られる福岡県でシェア10%、3位熊本県で7%です。トップシェアでも15%ほどということから分かる通り、赤いいちごは北は北海道、南は九州まで、全国各地で栽培されていますね。

赤いいちごは全国各地で栽培されているのに対し、白いいちごは希少性を守るため、契約の農家でしか栽培されない品種もあります。以下に、白いいちごの主な品種とその生産地を挙げました。

品種(名称):主な産地
初恋の香り:山梨県、福島県、茨城県、静岡県、愛知県
淡雪:鹿児島県、佐賀県、熊本県など
ミルキーベリー:栃木県
パールホワイト・真珠姫・コットンベリー:奈良県
雪うさぎ・天使の実:佐賀県

リストから分かる通り、白いいちごの名産地である佐賀県奈良県。意外にも赤いいちごの生産量は、全国で佐賀県は8位、奈良県は19位と、そんなに多くはありません。しかし、白いいちごのように、特徴的な独自の赤いいちごの品種もありますよ。

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高価な理由は「珍しいから」

白いいちごのお値段を目にしたことがありますか?白いいちごは赤いいちごと比べると、かなり高価ですね。品種にもよりますが、1pc2500円~5000円くらい、安いものでも1000円以上になると思います。白いいちごは赤いいちごの2倍くらいの価格で販売されているんです。

その理由は、味よりも、何と言っても珍しい見た目。品種によっては、糖度も高く、美しい形を揃えたものもありますが、白いいちごの場合、見た目の希少性が値段に反映されています。では、値段の分赤いいちごより美味しいのか?と問われると...イメージとは違う場合もあるかもしれません。

どこで購入できるの?

希少な白いちごですが、どこで売っているのでしょうか?

白いいちごが出始めた頃には、百貨店の高級フルーツ店で「贈答用」としか販売されていなかったそうですが、最近では大きめのスーパー通信販売でも購入できるようになりました。また、洋菓子店レストランでも、白いいちごを使ったデザートを食べられるケースもあり、可愛らしいデコレーションと共に楽しむことも出来ます。希少であるとはいえ、まったく手に入らないわけではありませんよ。

人気品種5選

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白いいちごの品種はまだまだ少なく、現在では10種類くらいと言われています。赤いいちごは国内だけでも200種を超える品種がありますので、白いいちごは「ごく少ない」ということが分かりますね。この記事では、人気のある5品種を詳しく解説していきます。

ところで、白いいちごの名前は、丸っこくて白い見た目にマッチした可愛い名前が多いですね。しかし、その「可愛い名前」は品種名でなく、商品名の場合があります。いちごには「品種名」のほかに「商品名」というものがあるのです。より販売しやすいように、開発時の名称から変更されることがあるのですね。

1.初恋の香り:白いいちごのパイオニア

「初恋の香り」は白いいちごの最初の品種です。2009年の「初恋の香り」の登場から、白いいちごブームがやってきました。品種名は「和田初こい」、可愛らしい「初恋の香り」という商品名は、果皮の淡いピンク色が「初恋をした時の頬の色や淡い気持ち」のイメージにピッタリだったことから。

熟していくと、ほんのりピンク色になります。つぶつぶは赤くなるため、白とピンクのグラデーションと粒の赤色がなんとも可愛らしいいちごです。桃のような香りで、ジューシー。酸味は少なく、甘いいちごです。

2.淡雪:最もポピュラーな白いいちご

品種名は、ひらがなで「あわゆき」。赤いいちごで知名度の高い「さがほのか」の突然変異として生まれました。白いいちごの中では、わりと出回っている品種で、比較的低価格が嬉しいです。サイズが少し大きめで、きれいな円錐形。果皮は黄みがかった薄いピンク色ですが、断面は白色です。食感はややかため。酸味が少なく、甘みが際立つ味わいです。

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3.パールホワイト:ひときわ白い品種

パールホワイトの品種名は「イロハ-001」。白いいちごの中で、最も白い品種です。つぶつぶの部分は赤くなるため、白と赤のコントラストの見栄えが美しいですね。細長いタマゴ型をしており、歯ごたえのある食感があります。かための果肉は輸送にも比較的耐えられるので、お取り寄せやギフトに人気がありますよ。香りが良く、酸味は控えめ。

4.ミルキーベリー:ミルクのような見た目と風味

品種名は「栃木iW1号」。最近誕生した新しい品種で、まだ栽培が始まったばかりなので、ほとんど出回っていません。「ミルキーベリー」という名称は、「ミルクのように白く、まろやかな甘み」というイメージで県民から公募によって付けられました。

果皮の色は、練乳がかかったような少し黄みがかった白色で、つぶつぶは赤くなります。白いいちごですが、温かみのある色合いが可愛いですね。サイズは1個20gと大きめで、シャキッとした歯ごたえがあります。酸味が少なく、まろやかな味わいはクリーミーだとか。

5.雪うさぎ:春には桜色に変化

名前の由来はその名の通り、白地の果皮に、完熟時のつぶつぶの赤色が「ウサギの目」のように見えることから。ごくわずかな生産者しか栽培しておらず、栽培期間も限られるので、とても希少ないちごです。

1粒35gほどとかなり大粒の品種で、桃や洋梨のような豊かな香りと、控えめな酸味で穏やかな甘さがあります。の間に収穫されると果皮は白色ですが、気温が温かくなるとほんのりピンク色に色づくそうです。そのため、春に収穫されたものは「桜いちご」という別の名前で販売されます。

美味しいいちごの選び方

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いちごは収穫してから時間の経過と共に糖度が落ちてしまいます。そのため、新鮮なものが一番甘いのです!お取り寄せなどでは直に選ぶことが出来ませんが、店頭で確認できる場合はできるだけ新鮮なものを選びましょう。白いいちごの鮮度の見分け方は、赤いいちごの場合と同じです。ただ、果皮が白いため、「産毛の有無」は分かりづらいですね。以下に、鮮度を見分けるポイントをまとめました。

選ぶポイント
1.ヘタが鮮やかな緑色でしっかりしている
2.果皮にハリがある
3.同じ品種なら、小粒より大粒の方が美味しい

逆に、ヘタがしおれているのは新鮮さが損なわれている証。また、果肉にがあったり、変色しているものも避けましょう。

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熟しているものを選ぼう

いちごは追熟しない果物なので、熟しているものを選びましょう。白いいちごの完熟時の色は品種によって差があるので、それぞれの特徴を確認して。基本的には、果皮の色具合甘い香りがポイントです。

まだまだ希少!可愛い白いちごは食べ比べも魅力的!

白いちごは「白」と言っても、品種ごとに名前に表されるような特徴があります。限られた生産者でしか栽培されていない品種も多く、希少価値の高い果物ですが、見た目からは想像できない甘さを、ぜひ食べ比べてみたいですね。まだ始まったばかりの白いいちごの歴史。今後さらなる品種の誕生に期待が寄せられます。

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高価な希少果実「白いいちご」!産地や人気品種、美味しいいちごの見分け方を果物大好きパティシエが簡単にわかりやすく解説

高価な理由は「珍しいから」

白いいちごのお値段を目にしたことがありますか?白いいちごは赤いいちごと比べると、かなり高価ですね。品種にもよりますが、1pc2500円~5000円くらい、安いものでも1000円以上になると思います。白いいちごは赤いいちごの2倍くらいの価格で販売されているんです。

その理由は、味よりも、何と言っても珍しい見た目。品種によっては、糖度も高く、美しい形を揃えたものもありますが、白いいちごの場合、見た目の希少性が値段に反映されています。では、値段の分赤いいちごより美味しいのか?と問われると…イメージとは違う場合もあるかもしれません。

どこで購入できるの?

希少な白いちごですが、どこで売っているのでしょうか?

白いいちごが出始めた頃には、百貨店の高級フルーツ店で「贈答用」としか販売されていなかったそうですが、最近では大きめのスーパー通信販売でも購入できるようになりました。また、洋菓子店レストランでも、白いいちごを使ったデザートを食べられるケースもあり、可愛らしいデコレーションと共に楽しむことも出来ます。希少であるとはいえ、まったく手に入らないわけではありませんよ。

人気品種5選

image by iStockphoto

白いいちごの品種はまだまだ少なく、現在では10種類くらいと言われています。赤いいちごは国内だけでも200種を超える品種がありますので、白いいちごは「ごく少ない」ということが分かりますね。この記事では、人気のある5品種を詳しく解説していきます。

ところで、白いいちごの名前は、丸っこくて白い見た目にマッチした可愛い名前が多いですね。しかし、その「可愛い名前」は品種名でなく、商品名の場合があります。いちごには「品種名」のほかに「商品名」というものがあるのです。より販売しやすいように、開発時の名称から変更されることがあるのですね。

1.初恋の香り:白いいちごのパイオニア

「初恋の香り」は白いいちごの最初の品種です。2009年の「初恋の香り」の登場から、白いいちごブームがやってきました。品種名は「和田初こい」、可愛らしい「初恋の香り」という商品名は、果皮の淡いピンク色が「初恋をした時の頬の色や淡い気持ち」のイメージにピッタリだったことから。

熟していくと、ほんのりピンク色になります。つぶつぶは赤くなるため、白とピンクのグラデーションと粒の赤色がなんとも可愛らしいいちごです。桃のような香りで、ジューシー。酸味は少なく、甘いいちごです。

2.淡雪:最もポピュラーな白いいちご

品種名は、ひらがなで「あわゆき」。赤いいちごで知名度の高い「さがほのか」の突然変異として生まれました。白いいちごの中では、わりと出回っている品種で、比較的低価格が嬉しいです。サイズが少し大きめで、きれいな円錐形。果皮は黄みがかった薄いピンク色ですが、断面は白色です。食感はややかため。酸味が少なく、甘みが際立つ味わいです。

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