この記事では日本の伝統的な調味料の1つである味噌の種類や選び方についてみていきます。単に味噌と言っても赤味噌や麦味噌など、種類が多くあるよな。これらは、そもそもの原料であったり成熟期間の長さが異なったりすることで味わいに変化が現れ、種類が異なる味噌になるらしいのです。
今回は基本の味噌の作り方から、種類による違いや選び方について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。家に味噌は常備しており、健康のためにも具沢山味噌汁をよく飲んでいる。

味噌の製造方法

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味噌は、大豆・穀物・麹・塩からできています。スーパーで売っている味噌も家庭で作る味噌も基本的な作り方は同じです。使用する麹の種類によって味噌の種類が決まります。

大豆を軽く洗って半日以上水に浸して吸水させ、アクを取りながら軟らかくなるまで煮ましょう。フードプロセッサーを使い細かくつぶすか、頑丈なビニール袋に入れて足で踏みつぶして均一でなめらかな状態にします。そこに、塩と麹を混ぜ合わせたものを加えてよく混ぜて、煮汁で固さ調整しましょう。空気を抜きながら味噌を丸く固めて容器に詰めて、さらに上からおさえて空気を抜きます。

常温で保管し、仕込みから半年から1年で完成です。

味噌のおいしい時期は秋頃

味噌がおいしい時期は、味噌が出来上がる秋頃です。おいしい味噌は仕込みの段階で決まります。一番のポイントはおいしい大豆を選ぶことです。豆の粒が均一で色つやが良く、秋から冬の旬にとれた新鮮なものを選びましょう。

味噌の仕込みは大豆の旬である冬に行うのが一般的です。どの時期にも味噌作りをすることができますが、冬だと麹の活動がゆっくりじっくり行われるため風味やうまみが強くなります。冬に仕込むと出来上がるまでに時間がかかり、出来上がりが秋ごろです。

味噌は大きく分けて3種類

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味噌の種類は大きく分けて、米味噌・麦味噌・豆味噌の3種類です。それぞれ米麹・麦麹・豆麹を使用しています。それぞれの特徴をみていきましょう。

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1.ポピュラーな「米味噌」

米味噌は米麹を使って作られた味噌で、全国的に広く使われています。日本で出荷されている味噌の約80%が米味噌です。クセが少なく甘味があるのが特徴で、さまざまな料理に合わせやすくなっています。代表的なものは、信州みそや江戸味噌、越後味噌などで種類豊富です。

2.九州などで食べられている「麦味噌」

麦味噌は麦麹を使って作られた味噌で、九州・四国・中国地方を中心に生産が盛んに行われています。麦特有の香ばしい風味が特徴で、さっぱりした味わいです。味噌汁にすると、底に麦麹のかすが残ることがありますが、栄養豊富なので一緒に食べてください。代表的なものは、瀬戸内麦味噌や薩摩味噌です。

3.大豆だけで作られる「豆味噌」

豆味噌は豆麹を使って作られており、他の味噌と違いほとんど大豆でできています。甘味が少なく、豆のうまみが豊富です。愛知・三重・岐阜などの中京地方での生産が盛んに行われています。代表的なものは、八丁味噌です。

味の濃さで分類

大豆に対しての麹や塩の量で味に違いが生まれ甘味噌・甘口味噌・辛味噌と呼ばれています。麹が多いと甘口に、塩が多いと辛口となり、甘味噌が最も甘く辛口は塩味が強めです。

味噌の色で分類

味噌の色の濃さによって、白味噌・淡色味噌・赤味噌と分けられます。色が違くなる要因は、成熟期間や大豆の加熱方法、成熟の過程での管理の仕方です。大豆を煮て短期間で成熟させると白味噌に、大豆をよく浸水し蒸してから時間をかけて成熟させると赤味噌になります。成熟期間が短いと白く長いと赤い味噌となり、作るときに味噌を良くかき混ぜるかじっくり置いておくかでも変化するようです。

自宅でも購入してから時間が経つと成熟が進んで色が濃くなることもありますが、これも同じ原理によるものですね。

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味噌の選び方

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続いて、味噌の選び方をみてみましょう。

好みで味噌を選ぶ

甘くてさっぱりした味わいの味噌が好みなら米味噌で白味噌、甘くて深い味わいが好みなら米味噌の赤味噌、というようにまずは自分の好みで味噌を選ぶことがおすすめです。麦味噌や豆味噌は香りや味わいが特徴的なので、気分転換にもなるでしょう。迷ったときは、ポピュラーな米味噌をおすすめします。

煮込み料理にするなら豆味噌

豆の深い味わいが特徴的な豆味噌は、他の味噌に比べて香りや味が飛びにくいため煮込み料理におすすめです。風味がしっかりしているので、鍋や味噌煮にもぴったり。日常的に豆味噌を使う地域は少ないかと思いますが、使ったことのない方でも煮込み料理なら使いやすいですよ。

赤味噌は美容効果に期待?

味噌が赤くなる原因は、メイラード反応です。糖とアミノ酸が反応して起こり、メラノイジンが生成されます。この、メラノイジンは抗酸化作用があり、美容や健康に効果的です。風味の強めな赤味噌をおいしく味わえるなら、これを選んで健康効果を得るのも良いですね。

市販の味噌はパッケージに注目

スーパーで味噌を選ぶときに注目してほしいのは、パッケージです。原材料に注目してみましょう。大豆・麹・塩だけで作られているのが、いわゆる無添加の味噌です。発酵が進み容器が膨らむのを防ぐ為にパッケージに穴が開けてあることがあります。これは生味噌の証拠です。生味噌は酵母や乳酸菌が生きていて、購入後も発酵が進みます。無添加でも穴が開いていない場合は、加熱処理してある可能性が高いです。酵母を一緒に摂取したいなら、パッケージに穴の開いている生味噌を選びましょう。

出汁が入っていることや発酵を止めるために酒精が入っていることもあるので、好みによって選んでください。

食品の原材料が書かれている順番は、使用量の多い物からになっています。味噌の原材料名の先頭に大豆が書かれていると辛口味噌で、米が先だと甘味噌です。パッケージに甘口・辛口など書いていない場合もありますし、どの程度の甘さなのかはっきりは分かりませんが、選ぶ際の参考にしてみてください。

\次のページで「好みや料理に合った味噌を選んで活用しよう」を解説!/

好みや料理に合った味噌を選んで活用しよう

味噌の種類や選び方について分かりました。味噌のおいしい時期はあまり考えたことがない方も多いのではないでしょうか。秋ごろの出来立ての味噌も味わってみたいですね。また、基本的な味噌の種類は原材料の違いから3種類で、味や色の濃さでさらに分類されます。今まで味噌をなんとなく購入していた人も、まずはパッケージに注目してほしいです。自分の好みの味噌や料理に合った味噌を見つけて、活用してみてください。

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家庭科

味噌の種類は麹で決まる!好みの味噌の見つけ方や選び方など管理栄養士が簡単にわかりやすく解説

この記事では日本の伝統的な調味料の1つである味噌の種類や選び方についてみていきます。単に味噌と言っても赤味噌や麦味噌など、種類が多くあるよな。これらは、そもそもの原料であったり成熟期間の長さが異なったりすることで味わいに変化が現れ、種類が異なる味噌になるらしいのです。
今回は基本の味噌の作り方から、種類による違いや選び方について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。家に味噌は常備しており、健康のためにも具沢山味噌汁をよく飲んでいる。

味噌の製造方法

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味噌は、大豆・穀物・麹・塩からできています。スーパーで売っている味噌も家庭で作る味噌も基本的な作り方は同じです。使用する麹の種類によって味噌の種類が決まります。

大豆を軽く洗って半日以上水に浸して吸水させ、アクを取りながら軟らかくなるまで煮ましょう。フードプロセッサーを使い細かくつぶすか、頑丈なビニール袋に入れて足で踏みつぶして均一でなめらかな状態にします。そこに、塩と麹を混ぜ合わせたものを加えてよく混ぜて、煮汁で固さ調整しましょう。空気を抜きながら味噌を丸く固めて容器に詰めて、さらに上からおさえて空気を抜きます。

常温で保管し、仕込みから半年から1年で完成です。

味噌のおいしい時期は秋頃

味噌がおいしい時期は、味噌が出来上がる秋頃です。おいしい味噌は仕込みの段階で決まります。一番のポイントはおいしい大豆を選ぶことです。豆の粒が均一で色つやが良く、秋から冬の旬にとれた新鮮なものを選びましょう。

味噌の仕込みは大豆の旬である冬に行うのが一般的です。どの時期にも味噌作りをすることができますが、冬だと麹の活動がゆっくりじっくり行われるため風味やうまみが強くなります。冬に仕込むと出来上がるまでに時間がかかり、出来上がりが秋ごろです。

味噌は大きく分けて3種類

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味噌の種類は大きく分けて、米味噌・麦味噌・豆味噌の3種類です。それぞれ米麹・麦麹・豆麹を使用しています。それぞれの特徴をみていきましょう。

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