パソコンのエクスプローラーでファイルを扱うとき、フォルダを使うと便利ですね。ですが中にはディレクトリと呼ぶ人もいる。OSによって違うようですが、同じものなのか違うものなのかよく分からないよな。フォルダとディレクトリがどういうものなかを35年以上のパソコン経験を持つプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。パソコンも35年以上の経験をもつ。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

ディレクトリとフォルダは同じもの?OSによって違う?

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パソコンでファイルを整理するのに便利なのがフォルダ。これをディレクトリと呼ぶこともあります。この2つですが実は違いはありません

WindowsやMacではフォルダと呼びますよね。一方、LinuxなどUNIX系OSではディレクトリと呼ぶのが主流です。ただ、昔のWindowsやその元になったMS-DOSではディレクトリでした。同じようなものならばなぜ違う用語があるのでしょう。パソコンのファイルの仕組みから解説していきます。

ディレクトリ:元々のルーツ

Linuxなどで使われている用語が「ディレクトリ」です。これは「電話帳」や「名簿」のこと。英語では「directory」です。辞書の「dictionary」と似ていますね。電話帳とファイルの整理ではあまり結びつかないかもしれません。ただ、ファイルの名簿だと考えれば少しはそれっぽいですよね。実際、コンピュータの中ではどのファイルがディスクのどの場所にあるか、ということを保存しておくための名簿なのです。

このディレクトリという考え方が元になってフォルダが生まれていますので、ディレクトリがルーツになります。

フォルダ:Macが起源、今はWindowsも

そのディレクトリですが、コンピューターを普通の人が使うようになるとわかりにくく感じる人も増えました。特にWindowsやMacのようなグラフィカルなユーザーインターフェイスを使うようになると、ファイルをしまうフォルダというのがイメージにピッタリです。そのため、Macではディレクトリのことをフォルダと呼び始めます。

MS-DOSから発展したWindowsも当初はディレクトリという言葉を使っていました。しかし、やはり分かりやすいのでいつの間にかフォルダと呼ぶようになっていました。その理由はパソコンが専門家や仕事で使うものから、趣味や娯楽で使うようになったことが大きいかもしれません。

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整理している?ファイルとフォルダ/ディレクトリ

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パソコンでは文書も画像も全てファイル。そのファイルを整理するためのものがディレクトリやフォルダです。以後、特に区別が必要な時以外はまとめてフォルダと呼ぶことにします。

ファイルの整理に欠かせないのがフォルダ。フォルダの中にはファイルを置くことも、さらに別のフォルダ置くことも可能です。フォルダでグループ分けすることでファイルをわかりやすく管理できます。そのフォルダがどこで生まれたのか見ていきましょう。

フォルダのルーツはUNIX系OS

今でこそ多くのパソコンやスマホなどでこ当たり前のフォルダとファイルの考え方。そのルーツはUNIX系OSになります。厳密にはそのUNIXの元になったMulticsが発祥です。それ以前のコンピュータにもファイルの考え方はありました。Multicsではディレクトリというものにファイルを置くようにします。さらにディレクトリを入れ子にできるようにして、ファイルを整理できるようにしたのです。このような仕組みを階層構造と呼びます。

残念ながらMulticsはあまりに複雑で普及しませんでした。しかし、そこから生まれたのがUNIXです。UNIXが普及した結果、WindowsやMacなどもこの仕組みを参考にします。その結果、今ではフォルダが当たり前になっています。

微妙に違う?Windowsのフォルダ

フォルダとディレクトリは同じと説明しましたが、実はWindowsとMacでは細かい違いがあります。例えば、コントロールパネルの中に色々な設定機能が入っていますよね。あのコントロールパネルの仕組みはフォルダです。Windowsのフォルダはファイル以外にコントロールパネルのように特殊なものが置けるようになっています。フォルダは元々のディレクトリをさらに改良したものになるわけです。

また、Windowsでは圧縮ファイルをフォルダのように扱う機能があります。ルーツは同じですが、WindowsやMac、Linuxなどではフォルダの仕組みが違うわけです。

フォルダは特殊なファイル?ファイルシステムとは

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パソコンを使うとフォルダとファイルは欠かせません。これらをひっくるめて「ファイルシステム」と呼びます。また、フォルダとはファイルをしまうための特殊なファイルです。そのあたりの仕組みについて解説していきます。

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すべてはファイルでできている?コンピュータとファイル

一口にファイルと言っても様々。例えば、表計算やワープロ、ゲームなどアプリごとのデータやJPEGやPNGといった画像ファイルや動画ファイルなどがありますよね。フォルダもフォルダという種類のファイルなのです。アプリが自分のファイルの中身を見て動くように、フォルダもWindowsやmacOSなどが中身を見てフォルダとして動くようになっています。

もちろんアプリ自体もプログラムというファイルですよね。Windows自体も多くのファイルでできています。このようにコンピューターはすべてファイルでできていると考えることができるのです。

OSによって違う?ファイルシステムとOS

上の方でWindowsとMacやLinuxなどではフォルダの機能が違うと説明しましたよね。この違いはファイルシステムの違いです。どれもフォルダとファイルという似たような機能を持っていますが中身が違います。そのためWindowsで使った外付けHDDをMacにつないでも中身が見られないことも。

ただ、それでは不便ですし、実際には使えることもありますよね。実はファイルシステムは複数のものが使えるのです。USBメモリや外付けHDDなどを初期化する際に「FAT」と「NTFS」を選択できます。このFATというのはWindowsの元になったMS-DOSのファイルシステムです。このFATはMacなどでも広くサポートされています。そのため、FATを使うことで色々なパソコンで読み書きできるようにできるのです。

フォルダとディレクトリは同じもの、文脈で呼び分けよう

パソコンではファイルをフォルダという仕組みで階層的に管理できます。この考え方はWindowsやMac、Linuxなどでも同様です。元祖のUNIXではディレクトリと呼んでいました。それがMacではフォルダと呼びます。Windowsも当初はディレクトリだったのがフォルダになりました。名前は違いますが考え方は同じです。

ただ、細かい部分はいろいろ違う部分も。考え方は同じですがWindowsやMacなどのOSの種類で中身が違います。この仕組みをファイルシステムと呼びます。WindowsとMacではファイルシステムが違うので、細かい部分が違うわけです。多くの人はWindowsかMacを使っていますよね。ですのでフォルダと思えばおおむね間違いはありませんLinuxなどを使うことがある際は、フォルダではなくてディレクトリなので気をつけましょう。

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IT・プログラミング雑学

ディレクトリとフォルダの違いとは?OSによって違う?ファイルシステムもプログラマーがわかりやすく解説

パソコンのエクスプローラーでファイルを扱うとき、フォルダを使うと便利ですね。ですが中にはディレクトリと呼ぶ人もいる。OSによって違うようですが、同じものなのか違うものなのかよく分からないよな。フォルダとディレクトリがどういうものなかを35年以上のパソコン経験を持つプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。パソコンも35年以上の経験をもつ。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

ディレクトリとフォルダは同じもの?OSによって違う?

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パソコンでファイルを整理するのに便利なのがフォルダ。これをディレクトリと呼ぶこともあります。この2つですが実は違いはありません

WindowsやMacではフォルダと呼びますよね。一方、LinuxなどUNIX系OSではディレクトリと呼ぶのが主流です。ただ、昔のWindowsやその元になったMS-DOSではディレクトリでした。同じようなものならばなぜ違う用語があるのでしょう。パソコンのファイルの仕組みから解説していきます。

ディレクトリ:元々のルーツ

Linuxなどで使われている用語が「ディレクトリ」です。これは「電話帳」や「名簿」のこと。英語では「directory」です。辞書の「dictionary」と似ていますね。電話帳とファイルの整理ではあまり結びつかないかもしれません。ただ、ファイルの名簿だと考えれば少しはそれっぽいですよね。実際、コンピュータの中ではどのファイルがディスクのどの場所にあるか、ということを保存しておくための名簿なのです。

このディレクトリという考え方が元になってフォルダが生まれていますので、ディレクトリがルーツになります。

フォルダ:Macが起源、今はWindowsも

そのディレクトリですが、コンピューターを普通の人が使うようになるとわかりにくく感じる人も増えました。特にWindowsやMacのようなグラフィカルなユーザーインターフェイスを使うようになると、ファイルをしまうフォルダというのがイメージにピッタリです。そのため、Macではディレクトリのことをフォルダと呼び始めます。

MS-DOSから発展したWindowsも当初はディレクトリという言葉を使っていました。しかし、やはり分かりやすいのでいつの間にかフォルダと呼ぶようになっていました。その理由はパソコンが専門家や仕事で使うものから、趣味や娯楽で使うようになったことが大きいかもしれません。

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