この記事では日本の伝統的な調味料の1つである味噌についてみていきます。味噌はそのまま野菜につけて食べても味噌汁やラーメンにしてもおいしいが、実は栄養が豊富な食品なんです。毎日口にいる人もいるんじゃないかと思うが、健康に役立つし美容にも効果があるし、おいしいだけでなく身体にもいい効果が期待できる。
今回は味噌の基礎知識から、栄養や効能について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。家に味噌は常備しており、健康のためにも具沢山味噌汁をよく飲んでいる。

味噌ってどういう調味料なの?

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味噌は和食に欠かせない調味料の1つで大豆から作られていることは知られていますが、具体的にどのような食品なのでしょうか。

味噌は、大豆や米、麦等の穀物に塩と麹を加えて発酵させて作る発酵食品で、日本の伝統的な食品の一つである。日本料理(和食)の代表的な材料として、日本国外にも知られている。

出典:Wikipedia「味噌」

発酵食品というと納豆やヨーグルトなどクセや酸味のあるものを思い浮かべますが、味噌も発酵食品の1つなのです。発酵食品とは微生物の働きによって風味や固さなどに変化が現れるものを言い、一般的に健康的と言われる食品が多くあります。英語でも「miso」と呼ばれ、世界的にも日本の発酵調味料であることが知られているようです。

\次のページで「味噌の歴史」を解説!/

味噌の歴史

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味噌の元となったと言われているのは、中国の「醤(しょう/ひしお)」という説が濃厚です。肉や魚をつぶして麹や塩などと混ぜて成熟させたものと言われていて、醤油やソースのように使われたりそのまま食べたりしていたと考えられています。これが日本で味噌に変化していきました。

平安時代の文献に味噌が登場しており、味噌は約1200年間日本での歴史があります。そのころは栄養豊富で貴重な食材とされて、庶民が食べられるものではありませんでした。鎌倉時代になると味噌は味噌汁としても食べられるようになり、庶民にも広がっていったのです。これが現在の日本の食生活につながっています。

味噌の身体にうれしい栄養6種

栄養豊富の大豆を主な原料として作られる味噌も、たんぱく質やミネラル、ビタミン類が豊富です。味噌は発酵食品で、大豆として食べるよりも優れた点もあります。味噌に含まれる特に注目してほしい6種の栄養についてみてみましょう。

1.調味料でも「たんぱく質」補給

味噌は身体を作る素になるたんぱく質を含んでいます。身体をつくるのに食べ物から摂取しなければならない必須アミノ酸9種類のすべて含んでいて、調味料の位置づけでありながら栄養豊富です。また、大豆を発酵させることにより、大豆そのもののたんぱく質より消化吸収がしやすい状態になっています。

2.アンチエイジングに「イソフラボン」

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イソフラボンは大豆製品に多く、味噌にも含まれています。女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをする栄養素です。肌の新陳代謝を促進することからアンチエイジング効果や美肌に効果が期待できます。また、骨を丈夫にすることを助ける効果や生活習慣病の予防効果もあるので、欠かしたくない栄養の1つです。

3.血流改善効果の「サポニン」

味噌に含まれるサポニンは豆類に多い苦みの成分のことで、血流改善効果が期待されます。コレステロール値を低下や動脈硬化の予防に効果的です。

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4.美肌効果の「ビタミン類」も豊富

味噌は、抗酸化作用のあるビタミンEや美肌効果のあるビタミンB₁・B₂も多いです。味噌でビタミン類まで取れるのは嬉しいですよね。また、ビタミン類を摂取することで免疫力を高め生活習慣病の予防にもつながります。

5.「食物繊維」は野菜類に負けず劣らず

味噌に食物繊維が多く含まれるイメージは少ないかと思いますが、100gあたりの含有量は人参や大根よりも豊富です。味噌は野菜類のようにたくさんの量を摂取することはありませんが、不足しがちな食物繊維を摂取するには効率的と言えます。

6.身体の機能維持に必要な「ミネラル」

味噌は、カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄などの多くのミネラル類を含んでいます。ミネラル類は身体の機能維持や健康のために必要な栄養素です。カルシウムやマグネシウムは骨や歯を作るのに役立ち、カリウムは血圧上昇を抑える作用、鉄分は不足すると疲れやすくなり貧血になる恐れがあり、どれも身体にとって大切な働きがあります。

ミネラル類は少量でも大きな働きがあり、味噌で補給できるのはうれしいですね。

味噌を食べるときの注意点

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味噌は大量に食べるような食品ではないので大きな注意点はありませんが、塩分やアレルギーなど気になるところを確認してみましょう。

\次のページで「1.味噌汁は塩分の取りすぎになるの?」を解説!/

1.味噌汁は塩分の取りすぎになるの?

味噌汁を毎食飲んでも塩分の取りすぎになることないでしょう。味噌汁1杯あたりの塩分は約1.2gで、際立って多くはないです。

また、味噌には、食物繊維やサポニン、カリウムなどの塩分を排出させたり塩分の取りすぎで起こる高血圧の予防に役立ったりする栄養が含まれているので、大きな心配はいりません。

味噌汁1回の水分量は160㏄です。飲みすぎに気を付けて、具沢山にするなどの工夫をすれば塩分の取りすぎは大丈夫でしょう。それでも気になる方はだしのうまみを活用し、水分量を減らしたり減塩味噌を活用したりする方法もあります。汁物よりもおかずの塩分量が高いので、そちらを注意するほうが減塩効果があるでしょう。

2.大豆アレルギーの方は味噌を食べられるの?

味噌は主な原料が大豆ですが、大豆アレルギーの方でも味噌は基本的に食べることができます。大豆アレルギーの原因になるのが、大豆たんぱく質です。大豆アレルギーのある方は大豆や豆腐、きな粉などは大豆たんぱく質がそのまま残っているので食べられません。

しかし、醤油や味噌、大豆油は加工の段階でアレルギーのもとになる物質が変化しているので大豆アレルギーのある方でも食べられることがほとんどです。

醤油や味噌が使えないと日本の一般家庭では調理が難しくなりますが、大豆アレルギーでも味噌や醤油が使えるのは安心ですね。とはいえ、アレルギーある方は医師に指示をよく聞き始めは注意して試すようにしてください。

栄養豊富な調味料「味噌」を使用しよう!

味噌の栄養は豊富で、気になる塩分もそんなに高くないことが分かりました。長い間日本で親しまれてきた味噌は、栄養のことが分かる前から栄養摂取のためにも食べられてきたようですね。野菜などそのまま食べることが苦手でも味噌汁なら飲める方もいるかと思います。相性の良い味噌と野菜を一緒に摂取し栄養をたくさん補給して、健康的な生活の助けにしてほしいです。

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家庭科

味噌は栄養豊富な調味料!基本情報や効果効能・注意点も管理栄養士が簡単にわかりやすく解説

この記事では日本の伝統的な調味料の1つである味噌についてみていきます。味噌はそのまま野菜につけて食べても味噌汁やラーメンにしてもおいしいが、実は栄養が豊富な食品なんです。毎日口にいる人もいるんじゃないかと思うが、健康に役立つし美容にも効果があるし、おいしいだけでなく身体にもいい効果が期待できる。
今回は味噌の基礎知識から、栄養や効能について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。家に味噌は常備しており、健康のためにも具沢山味噌汁をよく飲んでいる。

味噌ってどういう調味料なの?

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味噌は和食に欠かせない調味料の1つで大豆から作られていることは知られていますが、具体的にどのような食品なのでしょうか。

味噌は、大豆や米、麦等の穀物に塩と麹を加えて発酵させて作る発酵食品で、日本の伝統的な食品の一つである。日本料理(和食)の代表的な材料として、日本国外にも知られている。

出典:Wikipedia「味噌」

発酵食品というと納豆やヨーグルトなどクセや酸味のあるものを思い浮かべますが、味噌も発酵食品の1つなのです。発酵食品とは微生物の働きによって風味や固さなどに変化が現れるものを言い、一般的に健康的と言われる食品が多くあります。英語でも「miso」と呼ばれ、世界的にも日本の発酵調味料であることが知られているようです。

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