この記事では「頂く」と「戴く」の違いについてみていきます。2つともていねいな文章で見ることがあるよな。どちらも意味は似ているが、その漢字が持つ意味によって使う場面に違うがあるみたいです。
今回はていねいな文章に欠かせないこの2つを「いただく」との違いも含めて、ビジネス文書作成の熟練ライター西風と一緒に解説していきます。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届け。

「頂く」と「戴く」の違いとは?

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「頂く」と「戴く」のように、違う漢字で表現されていても同じ読み方がされるものを同訓異字と呼びます。この2つは「頭にのせる」「高くささげる」「敬い仕える」の他に「もらう」や「食う」「飲む」の謙譲語としての意味を同様に持っています。しかし、その違いが分からない、使い分けられないという人も多いのではないでしょうか。その違いについて、詳しくみていきましょう。

「頂く」は常用漢字

「頂く」に含まれる“頂”という漢字は常用漢字です。常用漢字とは一般の社会生活で使用する目安として定められた漢字で、教科書や公文書には常用漢字が使われています。そのため、漢字を用いる場合は「頂く」を使うのが一般的です

「戴く」は常用外漢字

一方、「戴く」に含まれる“戴”という漢字は常用外漢字です。常用外漢字は表外漢字とも呼ばれ、常用漢字ではない漢字全般を指します。つまり、一般的には使用されない漢字ということです。そのため、公文書には基本的に用いられることはありません。

「頂く」の意味と使い方

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ここからは「頂く」と「戴く」の違いに着目しながら、その意味と使い方について詳しくみていきましょう。

「頂く」の意味

「頂く」を辞書で詳しく調べると、以下のような意味だとわかります。

\次のページで「「頂く」の使い方」を解説!/

1 頭にのせる。かぶる。また、頭上にあるようにする。
2 敬意を表して高くささげる。頭上におしいただく。
3 敬って自分の上の者として迎える。あがめ仕える。
4 「もらう」の謙譲語。
5 「食う」「飲む」の謙譲語。

出典:デジタル大辞泉

「頂く」の使い方

“頂”の漢字の持つ意味は山などの一番高いところや頂上ということです。このことより「頂く」は高いところから授かることを意味し、一般的には「もらう」や「食う」「飲む」の謙譲語として相手を敬いながら以下のように用いられます。

1.お土産を頂く
2.激励の言葉を頂く
3.お食事を頂く

「戴く」の意味と使い方

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「頂く」との違いに着目しながら、その意味や使い方について詳しくみていきましょう。

「戴く」の意味

「戴く」を辞書で調べると「頂く/戴く」と表記されており、このことから意味は「頂く」と同様であることがわかります。しかし、あえて常用外漢字が使われていることには理由があるため、その理由と使い方について詳しく見ていきましょう。

「戴く」の使い方

“戴”の漢字の持つ意味は頭の上に置く、うやうやしく上にささげて持つということです。この“戴”という漢字は、即位の際に王冠を授かる“戴冠”という言葉や貴人を尊んで仕える“奉戴”という言葉にも使用されていることを確認できます。

そのため「頂く」よりも以下の使用例のように、さらに儀式的なニュアンスや身分的に上位の方とのやりとりといった重々しい場面で活用されることが多いです

\次のページで「「いただく」との使いわけ」を解説!/

1.勲章を戴く
2.社長賞を戴く
3.著名人を会長に戴く

「いただく」との使いわけ

「いただく」と平仮名で表現されている文章を見ることも多いのではないでしょうか。「いただく」の公文書などでの使用方法は、内閣が出している”公⽤⽂における漢字使⽤等について”で使い方が定められています。「頂く」や「戴く」が単体で動詞として機能する際に用いられるのに対し、他の動詞を補助する補助動詞として用いる場合は「いただく」と平仮名表記です。

1.こちらまで来ていただく
2.ご確認いただく
3.ご覧いただく

\次のページで「事の重さによって上手に活用しよう」を解説!/

事の重さによって上手に活用しよう

「頂く」と「戴く」の違いについて詳しくみてきました。2つとも持つ意味は同じですが、調べてみると使用されている漢字の意味によって使い分けされていることがわかります。また「いただく」のように平仮名表記にも、漢字表記と違う活用方法があることもわかりました。同じ読み方でも表記の違いにより使い方が異なる…このように意味を調べてみると、日本語の楽しさ・奥深さを感じずにはいられませんね。

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雑学

3分でわかる「頂く」と「戴く」の違い!意味や使い方・「いただく」との使いわけもビジネス文書熟練者がわかりやすく解説!

この記事では「頂く」と「戴く」の違いについてみていきます。2つともていねいな文章で見ることがあるよな。どちらも意味は似ているが、その漢字が持つ意味によって使う場面に違うがあるみたいです。
今回はていねいな文章に欠かせないこの2つを「いただく」との違いも含めて、ビジネス文書作成の熟練ライター西風と一緒に解説していきます。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届け。

「頂く」と「戴く」の違いとは?

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「頂く」と「戴く」のように、違う漢字で表現されていても同じ読み方がされるものを同訓異字と呼びます。この2つは「頭にのせる」「高くささげる」「敬い仕える」の他に「もらう」や「食う」「飲む」の謙譲語としての意味を同様に持っています。しかし、その違いが分からない、使い分けられないという人も多いのではないでしょうか。その違いについて、詳しくみていきましょう。

「頂く」は常用漢字

「頂く」に含まれる“頂”という漢字は常用漢字です。常用漢字とは一般の社会生活で使用する目安として定められた漢字で、教科書や公文書には常用漢字が使われています。そのため、漢字を用いる場合は「頂く」を使うのが一般的です

「戴く」は常用外漢字

一方、「戴く」に含まれる“戴”という漢字は常用外漢字です。常用外漢字は表外漢字とも呼ばれ、常用漢字ではない漢字全般を指します。つまり、一般的には使用されない漢字ということです。そのため、公文書には基本的に用いられることはありません。

「頂く」の意味と使い方

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ここからは「頂く」と「戴く」の違いに着目しながら、その意味と使い方について詳しくみていきましょう。

「頂く」の意味

「頂く」を辞書で詳しく調べると、以下のような意味だとわかります。

\次のページで「「頂く」の使い方」を解説!/

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