
いなだと同じ種類の魚は?旬の時期や選び方も現役料理人が詳しくわかりやすく解説
2.通年楽しめるカンパチ
アジ科の中で最大級の大きさを誇り、主に西日本に生息しています。全体に黄色味があり、目から尾びれまで茶色に近い黄色です。口から背ビレにかけて、黒い線が左右に通っています。
正面から見たときに、眉間のあたりが漢数字の「八」に見えることから「間八」と名付けられました。
幼魚や若魚の呼び名は「シオ・シオッコ・ショッコ」。名前に魚偏が付かないため、出世魚にするかどうかは意見がわかれます。旬は6~10月ですが、養殖も盛んです。身に弾力があり、とくに腹の身は繊維質でプリッとした歯ごたえがあります。修行時代は刺身にする際、薄めに切るようにと教わりました。
3.夏の高級魚ヒラマサ
いなだやブリと比べ魚体が平たく、頭が短く丸みを帯びています。旬は6~8月の初夏から夏にかけて。一方で産卵前の冬のほうが、脂が乗っているという意見もあります。
東北より南の広い地域で漁獲され、主な産地は九州や高知県です。ブリやカンパチよりも漁獲量が少ないため、市場価値は高め。知名度こそ低いですが、料亭や寿司店では高級魚として扱われます。ブリ御三家の中ではもっとも脂が少なく、あっさりした味わいです。

いなだの仲間である「ブリ御三家」についてわかったな。3種類ともよく似ているが、旬や味などに違いがあるぞ。漁獲量が少ないほど希少性があり、市場価値は高くなる。冬のブリ、夏のヒラマサ、通年手に入るカンパチと覚えておくといいだろう。次はいなだの旬がいつなのか学んでいくぞ。
いなだの旬はいつ?

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いなだは漢字で「鰍」と書くように、秋が旬の魚です。ワカシ→いなだ→ワラサ→ブリと成長していく過程で、いなだと呼べるサイズは秋に漁獲量のピークを迎えます。いなだより大きいサイズになると、養殖も盛んです。60cm以上の大きさで、養殖ハマチや養殖ブリとして通年流通します。
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旬と出まわる時期
出世魚のブリに商品として値段が付くのは、いなだの大きさからです。旬は秋ですが、7~11月の間は出まわります。いなだと呼べるサイズ(40cm以上・重さ1〜3㎏)で、もっとも多く水揚げされるのが秋なのです。夏は1㎏未満のワカシのサイズで、寒くなると3~7㎏ほどのワラサのサイズに近づきます。
いなだ(ブリ)は養殖も盛んです。昔の養殖物は40cm程度の大きさでしたが、今は60cmを超えないと出荷されません。養殖ハマチとして、通年出まわります。
いなだの主な産地
いなだは北海道沿岸から九州南海岸まで、日本列島周辺の広い海域に生息します。全国的に漁獲されますが、とくに漁獲量が多いのは千葉県や宮城県の太平洋側です。いなだの成魚であるブリは春に産卵期を迎え、房総半島や能登半島よりも南で産卵します。黒潮に乗って回遊しながら大きくなり、秋口に太平洋側で多く獲れるというわけです。
養殖は南の温暖な地域が盛んで、四国や九州地方が主な産地になります。
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