この記事では、「年号」と「元号」の違いについて見ていきます。どちらも日常的に使う言葉であり、歴史の授業中なんかにもよく出てくるイメージがあるよな。この二つの違いはズバリ、対象になる時間の範囲によるものですが、これからもっと具体的にみていこう。今回は大人でもあいまいな二つの言葉の違いを、使い方や「元年」の意味も確認しながら、元国語教員ライター、ことはと一緒に解説していきます。

ライター/ことは

元教員ライター。小・中・高の国語科教員免許をもつ。幼いころから好奇心旺盛で様々な本を読み、たくさんの言葉に触れてきた経験を生かし、今回は二つの言葉の違いを分かりやすく解説していく。

「年号」と「元号」の違いは?

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「年号」と「元号」は、よく似ていますが違う言葉なので、もともとはそれぞれ異なる意味を持っています。しかし、どちらも同じ「年」を表す言葉であるという共通点を持つため、この二つを混同して使ってしまっている人や、なんとなくで使い分けている人も多いのではないでしょうか。

端的に言うと、「年号」と「元号」の違いは、対象になる時間の範囲の違いです。「年号」はある特定の年を示す言葉として、「元号」は大きなまとまりとしての時代を示す言葉として使われます。それでは、さっそく詳しく二つの言葉について見ていきましょう。

「年号」の意味と使い方は?

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はじめに、「年号」について見ていきましょう。「年号」に使われている「年」という漢字には、1年、2年などと使われるように、時間の単位という意味があります。その「年」の漢字の持つ意味から、「年号」は一般的にある特定の年を指す言葉として使われるのです。

例えば、令和1年や2019年などのように、特定の一年を示すことができるのが「年号」ということですね。このことを踏まえて、意味や使い方について詳しくみていきましょう。

「年号」の意味

「年号」の意味は下記の通りです。

1.としにつける称号。元号
2.歴史上のとし。

出典:三省堂国語辞典 第七版

「年号」の使い方

年号は、具体的にある特定の年を示すという意味を持ちます。そのため、重要な書類を作成するときや、本の出版や会社の創立などが行われたときなどに年号を使うことが多いです。歴史的な事柄が起こるのもある特定の年なので、歴史の授業などでも聞くことが多いですね。これらのポイントを押さえた上での使い方を、いくつか紹介していきます。

\次のページで「「元号」の意味と使い方は?」を解説!/

・年号を西暦に直す。
・ここにある本を出版年号が古い順に整理する。
・試験の対策で、歴史的事件が起こった年号を暗記する。

最後の例文を参考にさらに詳しく言うと、ここで暗記する年号とは、事柄が起こったのが何年か、という部分のことです。つまり、歴史の暗記で一度は聞いたことがある「なくよ(794)ウグイス平安京」では「794年」の部分が、「慶長20年大阪夏の陣」では「慶長20年」の部分が年号にあたります。

「年号」を英訳すると「year」になるので、その点を参考にして考えるのもいいかもしれませんね。

「元号」の意味と使い方は?

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次に「元号」について見ていきましょう。年号が特定の年を示すのに対して、「元号」は年や時代全体の名称を示します。元号とは例えば、「昭和」「平成」「令和」などのことです。これを踏まえて、元号の意味や使い方についてより詳しく見ていきましょう。

「元号」の意味

「元号」の意味は以下の通りです。

\次のページで「「元号」の使い方」を解説!/

年号。

出典:三省堂国語辞典 第七版

元号はもともと、年や時代全体の名称という意味をもつものです。昔は歴史を揺るがす事件が起きた時や、天災などの天変地異が起きた時などに元号を改めていましたが、明治以降、現在に至るまで天皇の皇位継承があったときにのみ元号を改めることになっています。そのため、現在では辞書で調べても元号の意味は年号として書かれていることが多いです。

「元号」の使い方

元号は、年や時代のまとまり全体の名称を意味します。そのため、歴史を学ぶときや皇位の継承があった時などに元号を使うことが多いです。これらのポイントをおさえながら、「元号」の使い方をいくつか紹介していきます。

・新しい元号が何になるのか皆が興味をもっている。
・元号は漢字二字で定められることになっている。
・書類のフォーマットが古い元号のままだったので新しい元号に直しておいた。

元号とは、最近のものでいうと「昭和」「平成」「令和」といったもののことです。昭和であれば64年間、平成であれば31年間のまとまりを表すのが元号ということですね。「元号」を英訳すると「era」になるので、その点を参考に考えるのもいいかもしれません。

\次のページで「元号の最初の年は「1年」か「元年」かどっち?」を解説!/

元号の最初の年は「1年」か「元年」かどっち?

結論から言うと、「1年」と「元年」のどちらも間違いではありません。どちらも正しい表記なので、書類などではどちらを使っても問題ないです。しかし、役所で扱うような公的な書類を作るときは「元年」を使うようにと法務省から指定されているので、役所で扱う書類は「元年」を使わなければいけません。

これはあくまでも役所で扱う公的な書類でのことなので、その他の書類はどちらを使ってもいいのですが、役所にならって「元年」を使うことが一般的であると言えるでしょう。

「年号」と「元号」を正しく使いこなそう!

「年号」はある特定の年を指し、「元号」は年や時代全体の名称のことを指すということが分かりましたね。現在では、辞書でも年号と元号は同じものとして扱われているほど似ているふたつの言葉ですが、もともとは明確に違いがありました。ふたつの意味の違いを覚えておいて、正しい意味で使いこなしましょう!

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3分で簡単にわかる!「年号」と「元号」の違いとは?元号の最初は「1年」?「元年」?元国語教員ライターがわかりやすく解説

この記事では、「年号」と「元号」の違いについて見ていきます。どちらも日常的に使う言葉であり、歴史の授業中なんかにもよく出てくるイメージがあるよな。この二つの違いはズバリ、対象になる時間の範囲によるものですが、これからもっと具体的にみていこう。今回は大人でもあいまいな二つの言葉の違いを、使い方や「元年」の意味も確認しながら、元国語教員ライター、ことはと一緒に解説していきます。

ライター/ことは

元教員ライター。小・中・高の国語科教員免許をもつ。幼いころから好奇心旺盛で様々な本を読み、たくさんの言葉に触れてきた経験を生かし、今回は二つの言葉の違いを分かりやすく解説していく。

「年号」と「元号」の違いは?

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「年号」と「元号」は、よく似ていますが違う言葉なので、もともとはそれぞれ異なる意味を持っています。しかし、どちらも同じ「年」を表す言葉であるという共通点を持つため、この二つを混同して使ってしまっている人や、なんとなくで使い分けている人も多いのではないでしょうか。

端的に言うと、「年号」と「元号」の違いは、対象になる時間の範囲の違いです。「年号」はある特定の年を示す言葉として、「元号」は大きなまとまりとしての時代を示す言葉として使われます。それでは、さっそく詳しく二つの言葉について見ていきましょう。

「年号」の意味と使い方は?

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はじめに、「年号」について見ていきましょう。「年号」に使われている「年」という漢字には、1年、2年などと使われるように、時間の単位という意味があります。その「年」の漢字の持つ意味から、「年号」は一般的にある特定の年を指す言葉として使われるのです。

例えば、令和1年や2019年などのように、特定の一年を示すことができるのが「年号」ということですね。このことを踏まえて、意味や使い方について詳しくみていきましょう。

「年号」の意味

「年号」の意味は下記の通りです。

1.としにつける称号。元号
2.歴史上のとし。

出典:三省堂国語辞典 第七版

「年号」の使い方

年号は、具体的にある特定の年を示すという意味を持ちます。そのため、重要な書類を作成するときや、本の出版や会社の創立などが行われたときなどに年号を使うことが多いです。歴史的な事柄が起こるのもある特定の年なので、歴史の授業などでも聞くことが多いですね。これらのポイントを押さえた上での使い方を、いくつか紹介していきます。

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