この記事では社会福祉士と介護福祉士の違いについてみていきます。2つとも福祉の国家資格として知られていますね。どちらの資格を使っても活躍できる施設もあるようですが、職務内容が大きく異なる資格です。今回はそんな2つの福祉の専門職について、社会福祉士の資格を持つライターれおな=007と一緒に解説していきます。
れおな=007

ライター/れおな=007

会社員生活の傍ら執筆活動を続けるWEBライター。学生時代に母子生活支援施設での実習を経て、社会福祉士の資格を現役で取得。その経験を踏まえて本記事を執筆する。

社会福祉士と介護福祉士の大まかな違いは?

社会福祉士と介護福祉士の違いについてご存知でしょうか。本項では両資格の違いを大まかに解説し、どのような職務を行えるかを解説していきましょう。

社会福祉士:相談援助の専門職

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社会福祉士とは相談援助の専門職のことで、さまざまなサービス利用者を適切な支援につなげるのが仕事です。彼らは高齢者や障害者、児童やその家族などに直接アプローチするのはもちろん、地域全体のネットワークにも関わっていきます。そのため主な勤務先も入所して生活する施設から、地方自治体や社会福祉協議会やなど多岐に及ぶでしょう。

介護福祉士:介護の専門職

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介護福祉士とは介護の専門職で、介護を必要とする人に適切な介護を行うのが仕事です。主な勤務先は特別養護老人ホームや障害者支援施設などで、中には利用者の自宅を訪問して行う職務もあります。

違いその1.主な職務内容

社会福祉士と介護福祉士では、メインの職務内容が違います。本項ではそれぞれの有資格者が行う職務について、詳しく解説していきましょう。

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社会:相談援助

社会福祉士の職務内容は主に相談援助で、サービス利用者の生活に関する相談及び支援を行います。具体的には高齢者や生活困窮者などの相談に乗ったり、他の専門職との連携を図り適切なサービスに繋げたりすることです。その上サービス利用者の支援計画を練って定期的に見直し、彼らの力を引き出すことが求められる場面もあります。

また地域の実情に合わせた課題の解決や資源の開拓及び活用、支援が必要な住民へのアプローチも行うのも社会福祉士の仕事です。

介護:介護及び介護の指導

介護福祉士のメインの職務は介護及び介護の指導で、介護職員をまとめることも含まれます。具体的には食事や排泄、入浴などの介助、服薬管理など直接的な生活の支援です。またホームヘルパーなどの場合は利用者本人の衣類の洗濯をはじめとする家事、通院や買い物といった移動や社会活動の支援も行います。

また施設での介護の場合は他の介護職員を育成したり、チームとしての介護が機能するように指揮を執ることも求められるでしょう。

違いその2.受験資格に必要な学歴や実習時間

社会福祉士と介護福祉士では、受験資格に必要な学歴や実習の時間が違います。本項ではそれぞれの資格を取得する際に必要な実習について比較し、内容まで詳しく解説していきましょう。ただしどちらの資格でも実務経験を証明できれば特別に実習を受ける必要はなく、マークシートの試験に出願できます。

社会福祉士:指定の学校を卒業し23日間以上で180時間以上の実習

社会福祉士試験の受験資格を得るには、大学や短期大学など指定のカリキュラムのある学校を卒業し23日間以上かつ180時間以上の実習を経験することが必要です。そのため福祉に関連する学部を卒業していない社会人が資格取得を目指す場合、大学の通信過程を修了することなどが求めらます。

実習内容は利用者と接した上で個別支援計画を策定してみたり、ケース会議に臨んだりといったものです。もちろん施設利用者の生活に入りこむ実習のため、さまざまな配慮が求められます。

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介護福祉士:450時間以上

介護福祉士の国家資格試験に出願するには、学歴不問ですが450時間以上の実習が求められます。そのため実習が2回以上に分割されていることがほとんどで、養成課程のカリキュラムの中でも重要な部分です。

内容は実際に施設利用者とコミュニケーションを取って介護を実践したり、カンファレンスと呼ばれる支援会議に参加したりします。その中で実際の介護に必要な配慮や、他の職種との関わり方なども学んで専門職になるための知識を取得していくのです。

社会福祉士はどこで活躍できる?

社会福祉士の資格があると、どこで活躍できるのでしょうか。本項では社会福祉士の資格を使うと活躍できる分野、具体的な方法について詳しくご紹介します。

1.高齢者福祉

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社会福祉士は高齢者福祉の分野で活躍できます。具体的には特別養護老人ホームをはじめとする入所施設を利用する高齢者及びその家族の生活の相談に乗ったり、さまざまな手続きの補助をしたりするのです。もちろんサービスを利用する高齢者が安心して生活できるよう、医師をはじめとする他の専門職との連携が必要になります。

2.児童福祉

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社会福祉士は児童福祉の分野で活躍できます。具体的には児童養護施設や児童相談所で虐待を受けたり家族と離れたりした子どもたちと関わり、彼らを適切な支援につなげるのです。もちろん母親をはじめとする家族も含めた、総合的な支援を行う場合もあります。また学校に出向くこともあり、いじめや子どもの貧困、不登校の問題に関わっていくこともあるでしょう。

3.障害者福祉

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社会福祉士は障害者福祉の分野でも力を発揮できるでしょう。具体的にはグループホームをはじめとする入所施設を利用する障害者の生活に関して相談援助を行ったり、就労や外出などにおける支援にも携わります。サービス利用者それぞれの特性に応じて意思決定や金銭管理の支援も行い、彼らにとってより良い生活が送れるようにするのです。

4.地域福祉

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社会福祉士は個人に関わる支援だけではなく、地域福祉に関わっていくこともあります。具体的には地方自治体や社会福祉協議会に所属して地域の福祉計画を策定に関与したり、住民からの生活相談を受けたりするのです。その上で彼らが適切なサービスを受けるのに繋げたり、利用を継続するサポートをしたりします。

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介護福祉士はどこで活躍できる?

介護福祉士の活躍できるのは、どのような場所でしょうか。本項で詳しくご紹介しますので、社会福祉士の活躍する場所と比較してみてください。

1.高齢者福祉

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介護福祉士は、高齢者福祉の分野で大いに活躍できます。具体的には特別養護老人ホームやサービス付き高齢者住宅といった入所施設ではもちろん、訪問介護やデイサービスでの介護が該当するでしょう。もちろん社会福祉士と同様に、他の職種と連携し高齢者本人に合った支援が必要です。

2.障害者福祉

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介護福祉士はは障害者福祉の分野でも活躍できるでしょう。具体的には障害者の入所施設では生活で必要な介護をしたり、レクリエーションの支援を行ったりします。サービスを受ける障害者が自立した生活を送れるよう、本人の状態に応じて関わっていくのです。

社会福祉士は相談援助の専門職、介護福祉士は介護の専門職

ここまで比較した通り、社会福祉士は相談援助の専門職で介護福祉士は介護の専門職です。どちらも名称独占の国家資格で協働する場面もありますが、職務内容や実習について違いが見られました。実務経験を使った資格取得を目指す場合は、実務の内容をよく確認する必要があるため注意しましょう。

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雑学

社会福祉士と介護福祉士の違いは?職務内容や活躍する場面などを社会福祉士ライターが詳しく解説

この記事では社会福祉士と介護福祉士の違いについてみていきます。2つとも福祉の国家資格として知られていますね。どちらの資格を使っても活躍できる施設もあるようですが、職務内容が大きく異なる資格です。今回はそんな2つの福祉の専門職について、社会福祉士の資格を持つライターれおな=007と一緒に解説していきます。
れおな=007

ライター/れおな=007

会社員生活の傍ら執筆活動を続けるWEBライター。学生時代に母子生活支援施設での実習を経て、社会福祉士の資格を現役で取得。その経験を踏まえて本記事を執筆する。

社会福祉士と介護福祉士の大まかな違いは?

社会福祉士と介護福祉士の違いについてご存知でしょうか。本項では両資格の違いを大まかに解説し、どのような職務を行えるかを解説していきましょう。

社会福祉士:相談援助の専門職

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社会福祉士とは相談援助の専門職のことで、さまざまなサービス利用者を適切な支援につなげるのが仕事です。彼らは高齢者や障害者、児童やその家族などに直接アプローチするのはもちろん、地域全体のネットワークにも関わっていきます。そのため主な勤務先も入所して生活する施設から、地方自治体や社会福祉協議会やなど多岐に及ぶでしょう。

介護福祉士:介護の専門職

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介護福祉士とは介護の専門職で、介護を必要とする人に適切な介護を行うのが仕事です。主な勤務先は特別養護老人ホームや障害者支援施設などで、中には利用者の自宅を訪問して行う職務もあります。

違いその1.主な職務内容

社会福祉士と介護福祉士では、メインの職務内容が違います。本項ではそれぞれの有資格者が行う職務について、詳しく解説していきましょう。

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