この記事では論文と作文の違いについてみていきます。どちらも学校現場などで採用されている文章を指すよな。ところが執筆目的はもちろん、文体やテーマの決まり方までさまざまな部分で違いがあるようです。今回は誰でも一度は聞いたことのある文章の種類の違いを、会社員ライターれおな=007と一緒に解説していきます。
れおな=007

ライター/れおな=007

会社員生活の傍ら執筆活動を続けるWEBライター。得意分野は言葉の意味をはじめとする雑学から、日常生活に根ざしたIT関連の内容まで多岐に及ぶ。子どもの頃から文章を書くことが大好きで、日々ブラッシュアップを継続中。

論文と作文の大まかな違いは?

論文と作文とは、それぞれどのような文章を指すのでしょうか。まずは両者の違いを、大まかに比較してみましょう。

論文:調査研究に関して論理的に記述された文章

論文は、一連の調査研究に関して論理的に記述されたものです。そのため研究を行う理由から結果及びその考察までが、整合性を持たせながら執筆されます。テーマは研究及び執筆者が自ら決定し、研究する理由までを明言することも求められるでしょう。もちろん学会や研究場面で用いられるため、専門用語が多くその定義も厳密に区別して記述されます。

作文:執筆者の経験や感想を表現力豊かに記述された文章

作文は、執筆者の経験や感想を表現力豊かに記述されたものです。出題者が決定したテーマに則り、読者にイメージしてもらえるように執筆されることが求められます。そのため場合によっては比喩や時系列の入れ替えなど、様々な表現技法が盛り込むことも可能です。

違いその1.執筆目的

論文と作文では、執筆される目的が違います。本項ではそれぞれの執筆目的について比較し、どのような内容になるかも解説していきましょう。

論文:調査や研究の結果を発表する

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論文とは、学術的な研究結果を発表するための文章を指します。具体的には執筆者が先行研究や時代背景をもとに問いを立てて調査や実験を行いその結果及び考察を一連のものとしてまとめられた文章です。そのため内容には数値やインタビュー内容、結果から導き出される図などが盛り込まれることもあります。

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作文:執筆者の体験や感想を伝える

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作文は、執筆者の体験や感想を伝えるために執筆するものです。具体的には学校行事や読書や観劇などの感想、将来の夢をはじめとする執筆者自身に関する事項などが挙げられます。そのため執筆者がある体験を通じて感じたことや考えたこと、どのような意図で行動したかなどが綴られることが多いです。

違いその2.構成

論文と作文では文章全体の構成が違います。本項ではそれぞれの文章の全体の構成について比較し、展開の仕方や文体などについても詳しくみていきましょう。

論文:一定の形式がある

論文の構成や文体には一定のルールがあります。大学の卒業論文の場合は研究背景から導き出される目的、調査の方法や結果と考察が一般的です。また得られた結果から、次に行われる研究への展望までが盛り込まれることもあります。文体はである調で書かれることが多く、一文の内容が簡潔なものであることが重視されるでしょう。

作文:自由度が高い

作文は論文に比べて、全体の構成の自由度が高いです。例えば学校行事の体験を踏まえた内容の場合は必ずしも時系列通りに書かれるとは限らないですし、冒頭がセリフから始まるものもあります。読書や観劇などの感想文でも、執筆者の印象に残ったものから順に書かれることが多いでしょう。また文体が「である調」か「ですます調」かも、発表する場面や執筆者の裁量で変わります。

違いその3.取り扱われる場面

論文と作文では、取り扱われる場面が違います。本項では両者がどのような場面で取り扱われるのか、テーマの決められ方についても詳しく比較していきましょう。

\次のページで「論文:学術研究の場面」を解説!/

論文:学術研究の場面

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論文は一般的に、学術研究の場面で用いられます。具体的には大学及び大学院、各種学会などで発表されるものです。テーマは研究及び執筆者が社会問題や先行研究などをもとに自ら決定し、新奇性があるものが求められます。

作文:学校や企業など

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作文は小学校以上の学校ではもちろん、企業や各種教育団体などでも取り扱われます。テーマは出題者が決めることが一般的とはいえ、執筆者が経験したであろうことが元になることが多いです。学校以外で出題される場合、コンテストの形式が取られることもあります。

論文や作文を執筆する際のポイントは?

以上までの内容を踏まえると、論文と作文はどのような基準で評価されるでしょうか。本項ではそれぞれの文章を執筆する際のポイントについて比較していきましょう。

論文:明確かつ論理的に書く

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論文を執筆する際は、内容を明確かつ論理的に書くことがポイントです。例えば序論として研究の意図を執筆する場合、なぜこの研究を行ったのかを読者が納得できるように掘り下げて書かれます。また調査研究の結果は明確に書くことが重要で、考察や展望も結果と整合するように論理的に記述することが求められるでしょう。

もちろん用語は定義に則って使い分け、1つの論文の中では一貫して用いることも読みやすくするためには大切です。

作文:表現力豊かに書く

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作文を執筆する際は、読者にイメージしてもらえるよう表現力豊かに書くことがポイントです。具体的には平易な文体を使い、部分によっては比喩表現を盛り込むことが考えられます。読者を引き込むことを重視する場合、時系列を変えたり文体に変化をつけたりするのも可能です。

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論文と作文では執筆目的が違う

ここまで比較してきた通り、論文と作文では執筆目的が大きく異なります。前者は調査研究の結果を発表するもの、後者は経験や感想を述べるものです。そのため求められる表現や文体、文章全体の構成にも違いが生まれています。執筆時にはそれぞれの特徴を踏まえて、相応しい文章であるかを確かめましょう。

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雑学

簡単にわかる!論文と作文の違いとは?執筆のポイントや目的・取り扱われる場面も会社員ライターがわかりやすく解説

この記事では論文と作文の違いについてみていきます。どちらも学校現場などで採用されている文章を指すよな。ところが執筆目的はもちろん、文体やテーマの決まり方までさまざまな部分で違いがあるようです。今回は誰でも一度は聞いたことのある文章の種類の違いを、会社員ライターれおな=007と一緒に解説していきます。
れおな=007

ライター/れおな=007

会社員生活の傍ら執筆活動を続けるWEBライター。得意分野は言葉の意味をはじめとする雑学から、日常生活に根ざしたIT関連の内容まで多岐に及ぶ。子どもの頃から文章を書くことが大好きで、日々ブラッシュアップを継続中。

論文と作文の大まかな違いは?

論文と作文とは、それぞれどのような文章を指すのでしょうか。まずは両者の違いを、大まかに比較してみましょう。

論文:調査研究に関して論理的に記述された文章

論文は、一連の調査研究に関して論理的に記述されたものです。そのため研究を行う理由から結果及びその考察までが、整合性を持たせながら執筆されます。テーマは研究及び執筆者が自ら決定し、研究する理由までを明言することも求められるでしょう。もちろん学会や研究場面で用いられるため、専門用語が多くその定義も厳密に区別して記述されます。

作文:執筆者の経験や感想を表現力豊かに記述された文章

作文は、執筆者の経験や感想を表現力豊かに記述されたものです。出題者が決定したテーマに則り、読者にイメージしてもらえるように執筆されることが求められます。そのため場合によっては比喩や時系列の入れ替えなど、様々な表現技法が盛り込むことも可能です。

違いその1.執筆目的

論文と作文では、執筆される目的が違います。本項ではそれぞれの執筆目的について比較し、どのような内容になるかも解説していきましょう。

論文:調査や研究の結果を発表する

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論文とは、学術的な研究結果を発表するための文章を指します。具体的には執筆者が先行研究や時代背景をもとに問いを立てて調査や実験を行いその結果及び考察を一連のものとしてまとめられた文章です。そのため内容には数値やインタビュー内容、結果から導き出される図などが盛り込まれることもあります。

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