パセリは揚げ物に添えられていたり、細かく刻んだものが様々な料理に振りかけられているから、知っている人も多いハーブですね。ですが世界には、ふだん見かけるパセリ以外にも、たくさんの種類のパセリがあるんです。見た目が違うもの、日本ではあまり見かけないもの、エスニック料理には欠かせないあの食材もパセリの仲間なんです。今回はパセリの種類、旬や選び方についてフードアナリストのコナパパと一緒にみていきます。

ライター/コナパパ

フードアナリスト兼、現役のコックで、さまざまな食材に対する知識がある。今回は料理の脇役と思われがちなパセリについて解説していく。

パセリの種類

ふだんよく見かけるパセリは、揚げ物などに添えられているアフロヘアーのようなパセリがほとんどですよね。しかし、パセリには様々な種類があるんですよ。ここでは、ふだんよく見かけるパセリから日本ではあまり見ることの出来ないパセリまでご紹介していきます。

1.料理によく添えられているカーリーパセリ

カーリーパセリは、日本ではよく揚げ物や肉料理に添えられているパセリです。葉が縮れていることからカーリーパセリと呼ばれており、アフロヘアーのような見た目は、品種改良によるものだといわれています。カーリーパセリは、苦味を感じ、パセリ単独で食べると青臭く感じるので苦手な人も多いようです。

しかし、たくさんの栄養素を含んでおり体に良いこと、見た目が鮮やかな緑色であることで、様々な料理の付け合せとして重宝されているんですよ。

2.マイルドな味わいのイタリアンパセリ

image by iStockphoto

イタリアンパセリは食感が柔らかく、くせが少なく食べやすいのが特徴のハーブでヨーロッパではカーリーパセリよりもイタリアンパセリの方が主流なんですよ。イタリアンパセリは、カーリーパセリとは見た目がかなり違いますが、セリ科のオランダゼリ属といった部分や栄養面では違いがありません。

しかし、イタリアンパセリはプレーンリーブド種ですが、カーリーパセリはモスカール種(縮葉種)という品種改良された品種です。イタリアンパセリはそのまま食べても、強い青臭さやくせがなく、さわやかな香りがするので、どんな料理にも使い勝手の良いハーブなんですよ。

3.デザートにも使われるチャービル(セルフィーユ)

チャービルは、イタリアンパセリよりも小さいく、ほのかに甘い香りがして、パセリをマイルドにしたような味が特徴です。フランス料理によく使われるので、フレンチパセリとも呼ばれています。パセリと同じセリ科の仲間ですが、オランダゼリ属ではなくシャク属のハーブです。パセリよりもくせが少ないので、チャービルはデザートに飾られていることもあるんですよ。

\次のページで「4.味と香りにくせのある中国パセリ」を解説!/

4.味と香りにくせのある中国パセリ

image by iStockphoto

エスニック料理には欠かせないパクチーもパセリの仲間で、中国パセリという別名があります。シャンツァイとも呼ばれ、中国料理にもよく使われる食材なので中国パセリと呼ばれているんですよ。しかし実際は、セリ科のコエンドロ(コリアンダー)属の野菜で、パセリとは別物として取り扱われていることがほとんどです。

見た目は、イタリアンパセリとよく似ていますが、パクチーは独特な香りがするので香りで判別することができます。 

5.人参のような見た目の根パセリ

image by iStockphoto

白い人参のような見た目の根パセリもあります。日本ではあまり見かけませんが、ヨーロッパではポピュラーな野菜の一つなんですよ。生でも食べることができ、加熱するとホクホクとした食感になるので揚げ物やポタージュスープなどに使うことができます。また、ルートパセリやハンブルグパセリとも呼ばれているんですよ。

パセリの旬や産地

パセリは、ハウス栽培も行われているので一年中手に入る野菜ですが、美味しくなる旬が存在するんですよ。ここでは、パセリが美味しくなる旬はいつなのか、生産が盛んな産地はどこなのか詳しく解説していきます。

\次のページで「パセリの旬はいつ?」を解説!/

パセリの旬はいつ?

パセリの栽培には、15℃〜20℃くらいの温度が適しているので、そのくらいの気温になる3月〜5月、9月〜11月頃が旬にあたります。この時期に収穫されるパセリは、香りが強く、葉っぱがあまり固くはならないので食べやすいのが特徴です。しかし、近年はハウス栽培も行われているので、一年を通して安定供給が可能なんですよ。

原産地はどこ?

パセリは、ヨーロッパ中南部から北アフリカにかけての地中海沿岸が原産地いわれています。パセリは英語にするとParsley(パースレー)。これは、ギリシャ語で岩を意味する「petro」とセロリを意味する「selinon」を合わせた言葉「petroselinon」、直訳すると「岩場のセロリ」が由来とされているのです。

ギリシャでパセリを「岩場のセロリ」と呼ぶようになったのは、地中海沿岸の岩場に多く生えており、セロリに似た香りがしたことがきっかけとされています。

古代エジプトや古代ギリシアでは、食用、薬用、歯磨き用としても使われていたそうです。その他にも、儀式の際にパセリで首飾りを作り、香りを楽しんでいたという記録もあるんですよ。

国内の有名な産地は?

パセリは、日本各地で栽培がされていますが、令和2年の調べによると、長野県が第一位で国内生産量の30%以上を締めています。長野県は、キャベツやレタスの高原野菜の産地として有名ですが、パセリも冷涼な気候条件を好む高原野菜のひとつなんですよ。

長野県以外ですと、千葉県が20%、静岡県と茨城県が10%ずつを締めていますが、家庭菜園やベランダのプランターでも比較的育てやすい植物なので、日本の各地で生産されているハーブといえます。

パセリの選び方は?

パセリは外食時に添えてあるものを見たことはあるが、自分で買ったことのない人もいるのではないでしょうか。ここでは、そのような人でもわかるようにパセリの選び方を解説します。

\次のページで「濃い色のパセリ」を解説!/

濃い色のパセリ

パセリは、なるべく色の濃いものを選びましょう。色が濃いもののほうが、栄養をたくさん吸収し育った証拠でもあるんですよ。ただ、色が濃く茎も太くなりすぎているものは、葉っぱがごわごわし、歯ざわりの悪いものもあるので気をつける必要があります。特に、夏の暑い時期に収穫されたパセリは、葉が固くなる傾向があるんですよ。

茎や葉につやとハリがあるもの

パセリは、鮮度が落ると葉の色が変色したり、茎の水分が抜けて萎れた状態になってきます。パセリを選ぶ際は、茎や葉につやがあり、ピンとしたとハリがあるものを選ぶようにしましょう。購入後は、なるべく水分が抜けないように保ち、保存するのがおすすめです。

パセリのことを知り食べるきっかけにしよう。

パセリは、ふだんよく見るカーリーパセリ以外にも色々と種類があるのです。今回紹介したパセリ以外にも、乾燥したものや冷凍したものもあり、健康にもとても良い食材なので、ふだんから積極的に食べるようにしましょう。

" /> パセリにはどんな種類があるの?旬や選び方もフードアナリストが簡単にわかりやすく解説 – Study-Z
家庭科

パセリにはどんな種類があるの?旬や選び方もフードアナリストが簡単にわかりやすく解説

パセリは揚げ物に添えられていたり、細かく刻んだものが様々な料理に振りかけられているから、知っている人も多いハーブですね。ですが世界には、ふだん見かけるパセリ以外にも、たくさんの種類のパセリがあるんです。見た目が違うもの、日本ではあまり見かけないもの、エスニック料理には欠かせないあの食材もパセリの仲間なんです。今回はパセリの種類、旬や選び方についてフードアナリストのコナパパと一緒にみていきます。

ライター/コナパパ

フードアナリスト兼、現役のコックで、さまざまな食材に対する知識がある。今回は料理の脇役と思われがちなパセリについて解説していく。

パセリの種類

ふだんよく見かけるパセリは、揚げ物などに添えられているアフロヘアーのようなパセリがほとんどですよね。しかし、パセリには様々な種類があるんですよ。ここでは、ふだんよく見かけるパセリから日本ではあまり見ることの出来ないパセリまでご紹介していきます。

1.料理によく添えられているカーリーパセリ

カーリーパセリは、日本ではよく揚げ物や肉料理に添えられているパセリです。葉が縮れていることからカーリーパセリと呼ばれており、アフロヘアーのような見た目は、品種改良によるものだといわれています。カーリーパセリは、苦味を感じ、パセリ単独で食べると青臭く感じるので苦手な人も多いようです。

しかし、たくさんの栄養素を含んでおり体に良いこと、見た目が鮮やかな緑色であることで、様々な料理の付け合せとして重宝されているんですよ。

2.マイルドな味わいのイタリアンパセリ

image by iStockphoto

イタリアンパセリは食感が柔らかく、くせが少なく食べやすいのが特徴のハーブでヨーロッパではカーリーパセリよりもイタリアンパセリの方が主流なんですよ。イタリアンパセリは、カーリーパセリとは見た目がかなり違いますが、セリ科のオランダゼリ属といった部分や栄養面では違いがありません。

しかし、イタリアンパセリはプレーンリーブド種ですが、カーリーパセリはモスカール種(縮葉種)という品種改良された品種です。イタリアンパセリはそのまま食べても、強い青臭さやくせがなく、さわやかな香りがするので、どんな料理にも使い勝手の良いハーブなんですよ。

3.デザートにも使われるチャービル(セルフィーユ)

チャービルは、イタリアンパセリよりも小さいく、ほのかに甘い香りがして、パセリをマイルドにしたような味が特徴です。フランス料理によく使われるので、フレンチパセリとも呼ばれています。パセリと同じセリ科の仲間ですが、オランダゼリ属ではなくシャク属のハーブです。パセリよりもくせが少ないので、チャービルはデザートに飾られていることもあるんですよ。

\次のページで「4.味と香りにくせのある中国パセリ」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: