この記事では、「及び」と「並びに」の違いについてみていきます。2つとも複数の事柄を並列するときに使う、英語でいうとandにあたる表現ですね。日常的には2つとも同じ意味で使われるが、法令や公文書においては厳密なルールがあって使い分けが必要みたいです。今回は「及び」と「並びに」の違いを、意味や使い方を確認しつつ、文学好きの主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。

「及び」と「並びに」の違いは?

「及び」と「並びに」は、両方とも複数の事柄を並列するときに使う接続詞。日常用語では同じような意味で使われていますが、法令の条文や公文書においては厳密なルールがあり、使い分けが必要です。

ざっくりというと、「及び」は同じグループの事柄を並べるとき、「並びに」は異なる種類の事柄を並べるとき、または「及び」で接続されたグループ同士を接続するときに使います。それでは、詳しく見ていきましょう。

「及び」の意味と使い方

image by iStockphoto

「及び」は、「同じレベルの事柄を並列するとき」に使います。意味と具体的な使い方を確認していきましょう。

「及び」の意味

「及び」の意味は以下の通りです。

[接]《漢文訓読で接続詞に使う「及」の字を「および」と読んだところから》複数の事物・事柄を並列して挙げたり、別の事物・事柄を付け加えて言ったりするのに用いる語。と。ならびに。また。そして。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「および【及び】」

\次のページで「「及び」の使い方」を解説!/

「及び」の使い方

「及び」は、2つ以上の同等のものを並列するときに、「A及びB」という形で使うことができます。注意すべきなのは、3つ以上のものを並べるとき。「A、B及びC」というように、最後にくる語との間にのみ「及び」を置き、他のものは読点(、)でつなぎます。通常、「A及びB及びC」のような使い方はしないので気をつけましょう。

集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
生徒及び保護者のみなさんは整列してください。
この学校の受験科目は、国語、数学及び英語です。

「並びに」の意味と使い方

image by iStockphoto

「並びに」は、「種類やレベルが異なる事柄を並列するとき」に使います。こちらも詳しく確認していきましょう。

「並びに」の意味

「並びに」の意味は以下の通りです。

[接]前後二つの事柄をつなぐのに用いる語。および。また。と。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ならびに【並びに】」

\次のページで「「並びに」の使い方」を解説!/

「並びに」の使い方

「並びに」は、2つ以上の異なる種類のものを並列するときに、「A並びにB」という形で使うことができます。日常で使用するときには、「及び」と同様の使い方で問題ありません。

例えば、キャベツと豚肉を並列したいとき、「キャベツ及び豚肉」でも「キャベツ並びに豚肉」でも意味は同じ。しかし、キャベツと豚肉が違う種類のものであるというニュアンスを強調するならば、「キャベツ並びに豚肉」という表現を使います。

氏名並びに電話番号を明記の上ご応募ください。
ご来賓の皆様並びに教職員は着席してください。
経済並びに環境問題について議論する。

法令や公文書における「及び」と「並びに」

image by iStockphoto

日常用語においては、「及び」と「並びに」はそれほど細かく使い分ける必要はありませんが、法令や公文書においては厳密に使い分ける必要があります。

法令や公文書における使い分け

法令や公文書においては、「及び」は2つ以上の同じレベル・種類の事柄を並列するときに使い、「並びに」は「及び」でつないだグループと別の事柄を接続するときに使います

例えば、「ケーキ及びタルト並びにどら焼き及びおはぎ」という文をみてみましょう。洋菓子と和菓子という括りでそれぞれを「及び」で並列し、「及び」でつないだ2つのグループをさらに接続するために「並びに」を使っています。このように、法令などにおいては「及び」でつないだ小さなグループ同士を「並びに」で接続するというのが決まりです。

「及び」と「並びに」は場合によっては使い分けが必要!

「及び」と「並びに」は、日常においては基本的に同じ意味で使うことができます。ただし、「及び」は同じ種類の事柄、「並びに」は別の事柄を並列するときに使うことが多いということがわかりましたね。一方、法令や公文書における使い方には厳密な決まりがあります。法令や公文書は文章が難しいことも多いですが、「及び」と「並びに」の使い方を見ると文章の構造がわかるので、内容がぐっと理解しやすくなりますよ。

" /> 3分でわかる!「及び」と「並びに」の違い!意味や使い分けも主婦ライターがわかりやすく解説 – Study-Z
雑学

3分でわかる!「及び」と「並びに」の違い!意味や使い分けも主婦ライターがわかりやすく解説

この記事では、「及び」と「並びに」の違いについてみていきます。2つとも複数の事柄を並列するときに使う、英語でいうとandにあたる表現ですね。日常的には2つとも同じ意味で使われるが、法令や公文書においては厳密なルールがあって使い分けが必要みたいです。今回は「及び」と「並びに」の違いを、意味や使い方を確認しつつ、文学好きの主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。

「及び」と「並びに」の違いは?

「及び」と「並びに」は、両方とも複数の事柄を並列するときに使う接続詞。日常用語では同じような意味で使われていますが、法令の条文や公文書においては厳密なルールがあり、使い分けが必要です。

ざっくりというと、「及び」は同じグループの事柄を並べるとき、「並びに」は異なる種類の事柄を並べるとき、または「及び」で接続されたグループ同士を接続するときに使います。それでは、詳しく見ていきましょう。

「及び」の意味と使い方

image by iStockphoto

「及び」は、「同じレベルの事柄を並列するとき」に使います。意味と具体的な使い方を確認していきましょう。

「及び」の意味

「及び」の意味は以下の通りです。

[接]《漢文訓読で接続詞に使う「及」の字を「および」と読んだところから》複数の事物・事柄を並列して挙げたり、別の事物・事柄を付け加えて言ったりするのに用いる語。と。ならびに。また。そして。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「および【及び】」

\次のページで「「及び」の使い方」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: