この記事では「悲鳴を上げる」について解説する。

端的に言えば悲鳴を上げるの意味は「恐ろしさから声を上げる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「悲鳴を上げる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「悲鳴を上げる」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「悲鳴を上げる」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「悲鳴を上げる」は分類としては日本語の慣用句であるという点も押さえておきましょう。

「悲鳴を上げる」の意味は?

「悲鳴を上げる」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.恐ろしい時、驚いた時、苦しい時などに思わず声を出す。
2.困り果てる。また、困り果てて、他に助けを求める。弱気なことをいう。

出典:精選版 日本国語大辞典「悲鳴を上げる」

「悲鳴を上げる」は恐ろしい時、驚いた時、苦しい時などに思わず出す声、または困り果てて他に助けを求める時の様子を意味する慣用句です。2種類の意味をもった言葉となっているため、見聞きした際はどちらの意味で使われているのか、前後の文脈に注意して読み取っていきましょう。

「悲鳴を上げる」は書籍・新聞等の文章中のほか、口語においても使われている言葉となっています。現在も一般的に使われている言葉となっているため、しっかりと覚えておきましょう。この機会に「悲鳴を上げる」の意味・用法を確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「悲鳴を上げる」の語源は?

次に「悲鳴を上げる」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「悲鳴を上げる」の語源ははっきりとはしていません。「悲鳴を上げる」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて「悲鳴を上げる」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても確認しておきましょう。

1900年の泉鏡花・高野聖には「錆びた小刀で引裂く医者殿が腕前ぢゃ、病人は七顛八倒して悲鳴(ヒメイ)を上(ア)げるのが」としてこの言葉が登場しています。このことから「悲鳴を上げる」は非常に古くから使われている言葉であることがわかりますね。こちらの点についても覚えておきましょう。

\次のページで「「悲鳴を上げる」の使い方・例文」を解説!/

「悲鳴を上げる」の使い方・例文

「悲鳴を上げる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.4階の窓の外に人影が見え、思わず悲鳴を上げる。
2.男は悲鳴を上げて逃げ出した。
3.度重なる残業に、従業員は悲鳴を上げている。

「悲鳴を上げる」は例文のように、驚いた時や苦しい時に思わず出す声、困り果てて他に助けを求める様子を表して使われている言葉です。幽霊を見てしまった気がして、驚きと恐怖から声を出す。重労働・残業に、助けを求める従業員。「悲鳴を上げる」はこうした場面の様子を表して使われている言葉です。

幅広い場面で使われている身近な表現となっているため、注意して覚えておきましょう。実際に使用する際は、驚きや恐怖、苦痛から叫ぶニュアンスに注意することが大切です。例文から「悲鳴を上げる」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「悲鳴を上げる」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

続いて「悲鳴を上げる」の類義語・違いについて確認していきましょう。「悲鳴を上げる」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「悲鳴を上げる」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「絶叫(ぜっきょう)」:出せる限りの声を出す

「絶叫」は出せる限りの声を出して叫ぶことを意味する言葉です。こちらも声を出すことに関する言葉となっており、「悲鳴を上げる」と似た意味をもった類義語となっています。困り果てて他に助けを求めることを表す意味はない点など、細かい意味の違いに注意して覚えておきましょう。

\次のページで「その2「怒鳴り声(どなりごえ)」:怒ったり叱りつける際の大声」を解説!/

その2「怒鳴り声(どなりごえ)」:怒ったり叱りつける際の大声

「怒鳴り声」は怒ったり叱りつける際に出す大声を意味する言葉です。こちらも声に関する言葉となっており、「悲鳴を上げる」と似た意味をもった類義語となっています。他に助けを求める意味はない点など、意味・使用頻度に違いがあるため、注意して覚えておきましょう。

その3「金切り声(かなきりごえ)」:高く張り上げた鋭い声

「金切り声」は金属を切るときの音のような高く張り上げた鋭い声を意味する言葉です。こちらも声に関する言葉となっており、「悲鳴を上げる」と似た意味をもった類義語となっています。一般的に女性の声について使われることが多い表現となっているため、こちらの点についても注意しておきましょう。

その4「泣声(なきごえ)」:泣きながら話す声

「泣声」は泣く声、泣きながら話す声を意味する言葉です。こちらも声に関する言葉となっており、「悲鳴を上げる」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは泣く際の声を表すという点や、他に助けを求める意味はない点など、意味・使用頻度に違いがあるため、注意して覚えておきましょう。

その5「音を上げる(ねをあげる)」:苦しさに耐えられず声を立てる

「音を上げる」は苦しさに耐えられず声を立てること、弱音を吐くことを意味する言葉です。こちらも苦しさから思わず声を出すことを意味しており、「悲鳴を上げる」と似た意味をもった類義語となっています。他に泣く際に声を出して泣くことを表す意味ももっているため、注意して覚えておきましょう。

「悲鳴を上げる」の対義語は?

image by iStockphoto

つづいて「悲鳴を上げる」の対義語についても確認していきましょう。「悲鳴を上げる」には明確に対義語とされている語はありません。「悲鳴を上げる」は恐ろしさや苦しさなどから思わず声を出すこと、他に助けを求めることを意味している言葉となっており、対義語を定義することは難しい言葉です。対義語はないと覚えておきましょう。

\次のページで「「悲鳴を上げる」を使いこなそう」を解説!/

「悲鳴を上げる」を使いこなそう

この記事では「悲鳴を上げる」の意味・使い方・類語などを説明しました。「悲鳴を上げる」は驚いた時や苦しい時に思わず出す声、または困り果てることを意味する慣用句です。2種類の意味をもった言葉となっているため、見聞きした際はどちらの意味で使われているのか、文脈に注意して読み取っていきましょう。

また類義語には「絶叫」、「怒鳴り声」、「金切り声」、「泣声」、「音を上げる」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

" /> 【慣用句】「悲鳴を上げる」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターが解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「悲鳴を上げる」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターが解説!

この記事では「悲鳴を上げる」について解説する。

端的に言えば悲鳴を上げるの意味は「恐ろしさから声を上げる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「悲鳴を上げる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「悲鳴を上げる」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「悲鳴を上げる」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「悲鳴を上げる」は分類としては日本語の慣用句であるという点も押さえておきましょう。

「悲鳴を上げる」の意味は?

「悲鳴を上げる」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.恐ろしい時、驚いた時、苦しい時などに思わず声を出す。
2.困り果てる。また、困り果てて、他に助けを求める。弱気なことをいう。

出典:精選版 日本国語大辞典「悲鳴を上げる」

「悲鳴を上げる」は恐ろしい時、驚いた時、苦しい時などに思わず出す声、または困り果てて他に助けを求める時の様子を意味する慣用句です。2種類の意味をもった言葉となっているため、見聞きした際はどちらの意味で使われているのか、前後の文脈に注意して読み取っていきましょう。

「悲鳴を上げる」は書籍・新聞等の文章中のほか、口語においても使われている言葉となっています。現在も一般的に使われている言葉となっているため、しっかりと覚えておきましょう。この機会に「悲鳴を上げる」の意味・用法を確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「悲鳴を上げる」の語源は?

次に「悲鳴を上げる」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「悲鳴を上げる」の語源ははっきりとはしていません。「悲鳴を上げる」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて「悲鳴を上げる」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても確認しておきましょう。

1900年の泉鏡花・高野聖には「錆びた小刀で引裂く医者殿が腕前ぢゃ、病人は七顛八倒して悲鳴(ヒメイ)を上(ア)げるのが」としてこの言葉が登場しています。このことから「悲鳴を上げる」は非常に古くから使われている言葉であることがわかりますね。こちらの点についても覚えておきましょう。

\次のページで「「悲鳴を上げる」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: