3分でわかる理事と役員の違い！理事長って何者？関連用語も雑学好きライターがわかりやすく解説

ライター／おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

理事と役員の違い

image by iStockphoto

「理事」と「役員」という言葉を聞くと、なんとなく上の立場の人というイメージがありますよね。この両者の違いについてはあまり知られていないんです。ここでは「理事」と「役員」の違いについて解説していきます。

理事：経営に関与しない役員

「理事」は会社の経営に関与しない「役員」です。「役員」については後述しますが、つまりは「理事」は「役員」の一種なんですね。経営面に関わらないものの、実務や業務の執行を担当。どの会社にも置かれている役職ではなく、会社によって設置有無は異なります。

役員：会社を運営する役割

「役員」は経営者とともに会社を運営する役割です。雇用されて働く「社員」と違い業務は行いませんし、労働基準法上の労働者にも該当しません。そのため労災保険や雇用保険も適用されません。自社外の第三者に委嘱する（頼んで任せる）場合もあります。

3分でわかる役員と社員の違い！社長は役員ではない？役員の種類や契約形態も雑学好きライターがわかりやすく解説

理事にはもう一つの意味がある

image by iStockphoto

「理事」と「役員」の違いについてはおわかりいただけたと思います。しかしながら、みなさんは「〇〇学園理事長」や「日本〇〇協会理事」といった表現を聞いたことはありませんか。実は「理事」には上記以外の意味もあるのです。ここでは「理事」のもう一つの意味を解説していきます。

会社以外の団体の代表

会社以外の団体において「理事」は代表を意味します。組織や団体の代表として運営を行う役割で、会社で言えば「取締役」に近いイメージです。協会、連盟などの一般社団法人、学校法人、医療法人、組合などに設置されています。

理事会が設置されることもある

一般社団法人においては「理事」の設置が必須となっています。会社における「取締役」が必須なのと同じですね。複数人の「理事」が存在する場合、重要事項を決定するための「理事会」という機関が設置されることも。「理事長」という表現は「理事会」の代表という意味で、会社における「代表取締役」と同様に考えることができます。

3分で簡単！一般社団法人と株式会社の違いや特殊な法人形態について、事業に詳しいライターがわかりやすく解説！

役員の種類

image by iStockphoto

ひとくちに「役員」といっても、実は内部の役職はさまざまです。「役員会議」などの場では、いろいろな役職の「役員」が参加することもありますよね。ここでは「役員」の種類について、法令ごとに解説していきます。

会社法での役員

会社法における役員は「取締役」、「会計参与」、「監査役」の3役があります。「取締役」は会社を経営する人のことで、会社であれば必ず用意しなければいけない役職です。「会計参与」は会計関係を管理する役員で、税理士や公認会計士などの有資格者が就任します。「監査役」とは「取締役」や「会計参与」の業務を監査する役員で、こちらも監査資格が必要です。

「会計参与」や「監査役」は有資格者が求められるため、自社内に該当人員がいなければ外部に委嘱するケースもあります。