この記事では椎茸の旬や種類などについてみていきます。スーパーなどでは一年中流通している椎茸ですが、キノコがおいしいのは秋のイメージですね。しかし、椎茸の旬は1年に2回あるらしいぞ。また、干し椎茸の種類は品種ではなく、収穫時期や生育環境の違いで銘柄が決まるらしのです。驚きですね。
今回は椎茸の歴史をおさえつつ、旬や選び方、種類などについて管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。きのこの中で一番好きなのが、椎茸。歯ごたえあるところが好きで、そのまま焼いたり煮物に入っていたりする椎茸を好んで食べている。

椎茸の歴史

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椎茸はもともと中国で盛んに食べられていた食材で、中国への輸出をメインに江戸時代初期頃の約400年前に日本で栽培が始まりました。椎の木に生えるきのこだったため椎茸(しいたけ)と呼ばれています。

椎茸を日本でいつごろから食べていたのかはっきりしていません。昔は高級食材で庶民ではなかなか食べられない食材でしたが、品種改良が進み安定的に収穫できるようになっていきました。今では日本を代表するきのこの1つです。

椎茸の旬は年2回

椎茸の旬は、春と秋の年2回です。春の椎茸は「春子(はるこ)」と呼ばれ、小ぶりですがうまみが詰まっていて歯応えよく肉厚なのが特徴となっています。秋の椎茸は「秋子(あきこ)」と呼ばれ、大きめに育ち香り高くいことが特徴で鍋物に使われることが多いです。

近年は旬以外にも収穫できる椎茸が多くあります。春子の後の夏前にとれるものを「藤子(ふじこ)」、冬にとれるものを「寒子(かんこ)」など、収穫される時期によって呼び方が変わるのが椎茸の特徴です。

干し椎茸の種類

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干し椎茸は、椎茸の品種としては同じで収穫時期と生育環境によって銘柄が決まります。「冬菇(どんこ)」「香信(こうしん)」「香菇(こうこ)」3種類です。

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1.肉厚で小ぶりな「冬菇」

冬菇は冬から春にかけて収穫されて、高級品で人気もあります。寒い時期に育つため、成長がゆっくりで肉厚な椎茸です。カサが開ききる前に収穫するため、丸形で肉厚、小ぶりなものが多くあります。干し椎茸を戻してそのままの形で使う、煮物やお鍋、丸ごとソテーする料理にもおすすめです。

2.だしが良く出る「香信」

香信は、春や秋に収穫された物でカサが大きく開いています。このかさが開いている特徴から、出汁がよく取れるのは香信の干し椎茸です。出汁を生かした料理や薄くスライスして調理したい場合に、香信がおすすめとなります。出汁と椎茸の両方を使用する八宝菜や煮物、炊き込みご飯などにぴったりです。

3.冬菇と香信の中間!「香菇」

冬菇と香信の間の時期に収穫されたもので、両方の特徴をあわせ持ちます。カサは開ききっておらず厚みもほどほどで、値段も冬菇よりお手頃です。さまざまなレシピで使いやすいでしょう。

椎茸の選び方

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なんとなく椎茸を選んでいる方も多いのではないでしょうか。選び方のポイントをみていきましょう。

おいしい生椎茸の5つのポイント

おいしい椎茸を見分けるポイントは『カサの開き具合・軸の長さ・軸の長さ・カサの色つや・ひだの色』の5つです。

椎茸のカサが開きすぎていると、うまみや栄養が減ってしまっている可能性があります。カサが開いていないものほど肉厚で、ふっくらした味わいです。軸が短いものも同じ特徴を持つ椎茸ですので、カサの開きがよく分からない時は軸に注目すると分かりやすいでしょう。また、このような椎茸は見た目のわりにずっしりしているので、持った時の重量感にも注目してみてください。さらに、カサ表面の茶色い部分の色つやが良く、カサの裏のひだが白っぽいものが新鮮と言えます。

\次のページで「椎茸を産地で選ぶ」を解説!/

椎茸を産地で選ぶ

生椎茸や干し椎茸の生産は日本各地で行われています。生椎茸は、徳島・北海道・岩手で多いです。生の椎茸なら住んでいる地域から近いところで栽培されている椎茸が新鮮なことが多いので、産地をみて選んでみても良いでしょう。

干し椎茸は大分県が全国の約4割を生産していて、九州で多く作られています。しかし、中国からも多く輸入されているのが現状です。産地で風味が変化するので、産地表示を確認して自分に合った干し椎茸を見つけてみてください

保存に便利な干し椎茸

生椎茸はあまり日持ちしませんが、干し椎茸は長く保管できます。戻してすぐに使うこともできるので、家庭で常備しておくことがおすすめです。栄養が偏りがちな一人暮らしの方から、成長期の子供や高齢の方にも必要な栄養が豊富となっています。干し椎茸はうまみが豊富で、野菜との相性も抜群です。日常の食事で活躍してくれるので、ぜひ取り入れてみてください。

椎茸の栽培方法は2つ

椎茸の栽培方法は、椎茸菌を原木につけて栽培させる「原木栽培」と、人工的な「菌床栽培」があります。どのような違いがあるのかみていきましょう。

その1.昔ながらの「原木栽培」

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原木に穴をあけて種菌を埋め込むことで栽培するのが、原木栽培です。風通しが良く日陰のじめじめした場所に原木を立てかけることで椎茸が生えます。自然に自生している状態に近く、菌を植えてから収穫できるようになるまでに1~2年期間がかかるのが特徴です。原木栽培の椎茸は旬の時期にだけ収穫され、乾燥させてから流通することが多く、高価なものが多くなっています。

その2.大量生産しやすい「菌床栽培」

木製の塊に栄養を詰めてブロック状にしたところに種菌を植えて栽培するのが、菌床栽培です。温度や湿度の管理がされた建物内で栽培されて、収穫できるまで3か月ほどで原木栽培に比べて効率的に収穫できます。菌床栽培の場合、旬は関係なくいつでも収穫することが可能です。スーパーで見かける椎茸のほとんどが、菌床栽培されたものとなっています。

自宅でもできるの?

椎茸栽培キットが商品として販売されていて自宅でも簡単に椎茸の菌床栽培ができます。高すぎない室温で湿度を高めに保つと、3回ほど大量収穫可能です。

乾燥やカビが発生すると「失敗した!」と思ってしまいますがすぐにあきらめないで下さい。水で軽く洗うことで復活する可能性があります。また、収穫の際に手でもぎ取らず根元からハサミでカットすることで、菌床が傷むのを防ぐようです。

さらに、原木と椎茸の種である種駒を使えば椎茸の原木栽培できます。私も小学生の時に学校で栽培の経験がありますが、少し準備が大変でした。種駒を埋めてある原木の販売もあるので簡単に始められ、うまく栽培できれば数年間収穫できます。

\次のページで「おいしい椎茸を選んで毎日の献立で使用しよう!」を解説!/

おいしい椎茸を選んで毎日の献立で使用しよう!

椎茸の旬が2回あることや、椎茸の銘柄は品種ではなく条件によって決まっていることが分かりました。生の椎茸をスーパーで選ぶ時の5つのポイントは、すぐに実践できそうですね。生椎茸や干し椎茸を上手に選んで毎日の献立で上手に使用してほしいです。

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家庭科

椎茸の旬は年2回!種類やおいしいものを見分ける5つのポイントも管理栄養士が分かりやすくわかりやすく解説

この記事では椎茸の旬や種類などについてみていきます。スーパーなどでは一年中流通している椎茸ですが、キノコがおいしいのは秋のイメージですね。しかし、椎茸の旬は1年に2回あるらしいぞ。また、干し椎茸の種類は品種ではなく、収穫時期や生育環境の違いで銘柄が決まるらしのです。驚きですね。
今回は椎茸の歴史をおさえつつ、旬や選び方、種類などについて管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。きのこの中で一番好きなのが、椎茸。歯ごたえあるところが好きで、そのまま焼いたり煮物に入っていたりする椎茸を好んで食べている。

椎茸の歴史

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椎茸はもともと中国で盛んに食べられていた食材で、中国への輸出をメインに江戸時代初期頃の約400年前に日本で栽培が始まりました。椎の木に生えるきのこだったため椎茸(しいたけ)と呼ばれています。

椎茸を日本でいつごろから食べていたのかはっきりしていません。昔は高級食材で庶民ではなかなか食べられない食材でしたが、品種改良が進み安定的に収穫できるようになっていきました。今では日本を代表するきのこの1つです。

椎茸の旬は年2回

椎茸の旬は、春と秋の年2回です。春の椎茸は「春子(はるこ)」と呼ばれ、小ぶりですがうまみが詰まっていて歯応えよく肉厚なのが特徴となっています。秋の椎茸は「秋子(あきこ)」と呼ばれ、大きめに育ち香り高くいことが特徴で鍋物に使われることが多いです。

近年は旬以外にも収穫できる椎茸が多くあります。春子の後の夏前にとれるものを「藤子(ふじこ)」、冬にとれるものを「寒子(かんこ)」など、収穫される時期によって呼び方が変わるのが椎茸の特徴です。

干し椎茸の種類

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干し椎茸は、椎茸の品種としては同じで収穫時期と生育環境によって銘柄が決まります。「冬菇(どんこ)」「香信(こうしん)」「香菇(こうこ)」3種類です。

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