この記事では、フグの種類や旬、選び方について解説していきます。フグといえば、鍋料理や薄造りの美しい刺身で有名な高級魚ですね。また、フグは毒をもつ魚としてのイメージも強いかもしれない。そんなフグは、実は驚くほど種類が多いということを知っているでしょうか?今回は代表的なフグの種類につて、フリーランス管理栄養士の宮本ゆかと一緒に解説していきます。また、フグの旬や産地、ハリセンボンとの違い、新鮮なフグの選び方につても解説していくので、ぜひ参考にしてほしい。

ライター/宮本ゆか

町役場とドラッグストアでの管理栄養士を経て、フリーランスの管理栄養士兼Webライターへ。趣味はオーガニックの食材で料理をつくること。食に関する知識をいかし、わかりやすく解説していきます。

フグの特徴

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ここからは、フグの旬や産地、フグとよく似ているハリセンボンとの違いについて、解説していきます。あまり知られていないフグの一面を知ることができるかもしれません。一緒にくわしく見ていきましょう。

フグの旬

フグの旬は「秋の彼岸から春の彼岸まで」という言葉でよく表現されます。その言葉どおり、フグの旬は、冬の寒い時期と言われていて、特に11月~2月あたりに採れるフグはとてもおいしいそうです。また、フグの白子(精巣)は、産卵前の1月~3月ごろに旬をむかえます。

フグの産地

フグで有名な産地と言えば、山口県下関市を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実は山口県のフグの漁獲量は、意外にも日本一ではないそうです。漁獲量に関しては、山口県よりも北海道や石川県などの方が多いそうですよ。では、なぜ山口県がふぐの産地として有名になったのでしょうか?その理由は次のとおりです。

かつて日本では、フグの毒性の高さから、豊臣秀吉が「河豚食禁止の令」を出し、人々にフグを食べることを禁止していました。しかし、山口県出身の初代総理大臣の伊藤博文が、日本で初めて山口県だけでフグを解禁したことにより、全国で水揚げされたフグが山口県に集まるように。そのため、山口県がフグの名産地というイメージがついたそうです。現在ではフグ調理師免許制度が設けられ、プロの調理師がフグを安全に調理することにより、全国でフグを食べられるようになりました。

\次のページで「フグとハリセンボンの違いは?」を解説!/

フグとハリセンボンの違いは?

フグとよく似た魚のハリセンボン。フグもハリセンボンも同じフグ目の魚ですが、フグはフグ科、ハリセンボンはハリセンボン科に属します。フグとハリセンボンの違いは歯の数ですフグの歯は4本なのに対して、ハリセンボンの歯は2本だそうです。また、フグには毒がありますが、ハリセンボンには毒がないという違いもあります。

フグの種類

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ここからは、フグの種類について解説していきます。実はフグはとても種類が多い魚です。世界では、100種類以上のフグが分布しているそうですよ。その中でも代表的なフグの種類について、くわしく見ていきましょう。

1.高級魚の「トラフグ」

トラフグは、フグの中でも最もおいしく高級な種類で「フグの王様」と言われています。トラフグは、胸ひれの後ろに白く縁どられた黒紋があり、臀ひれは白色で、背部と腹部に小さなトゲが生えているのが特徴です。トラフグは希少なため、高級料理店でしか食べることができませんでしたが、近年では養殖が盛んになり、一般店でもトラフグを食べることができるようになっているそうですよ。

2.トラフグにそっくりな「カラスフグ」

カラスフグはトラフグとよく似た見た目をしているため、かつてはトラフグと同種とみなされていたことも。トラフグと異なる点は、臀ひれが黒いところです。トラフグは臀ひれが白いので、見分けるときは臀ひれの色を確認するとよいそうですよ。また、トラフグよりも紫がかった黒っぽい体表をしています。味はトラフグより劣るそうです。

\次のページで「3.トゲがなくなめらかな体の「マフグ」」を解説!/

3.トゲがなくなめらかな体の「マフグ」

マフグはトゲがなくなめらかな体表をしていて、別名「ナメラフグ」とも呼ばれています。尾ひれが黄色で、体の中央に黄色い線があるのが特徴です。場所によって「北海道ふぐ」や「新潟フグ」と呼ばれることも。マフグはちり鍋の具材として使われることが多いそうです。

4.縞模様が特徴的な「シマフグ」

シマフグは、背部と体側に白い縞模様があるのが特徴です。また、ひれはどの箇所も黄色をしていて、背部と腹部に小さなトゲがあります。トラフグなどの高級魚に比べると、比較的安い値段で入手できるそうです。鍋の具材や煮つけ、焼き物、一夜干しなどに使われます。

5.背中が緑色で小柄な「クサフグ」

クサフグは沿岸でよく見かける体長10~15cmほどの小型のフグです。体表が褐色に緑色が混ざったような色をしているため、クサフグと名付けられたそうですよ。また、砂に潜って敵から身を守る習性があることから「スナフグ」という別名もあります。クサフグは、肝臓や卵巣以外にも精巣や皮といった部分にもフグ毒が存在するので、食用にはあまり適していません。

6.河豚の由来となった「メフグ」

メフグは東シナ海や南シナ海に分布しており、それらの海につながる河川にも生息しています。漢字の「河豚」はメフグに由来すると言われていますよ。かつて中国では、海に棲むフグよりも河川に棲むフグをよく食していました。また、フグの膨らんだ見た目や鳴き声が豚に似ているため、フグを「河豚」と表記するようになったそうです。

7.箱のような体をしている「ハコフグ」

ハコフグはその名前のとおり、箱のような四角形の甲羅をもつフグです。ハコフグはトゲやフグ毒のテトロドトキシンを持っていないという特徴があります。しかし、食物連鎖によりテトロドトキシンとは別の毒性物質が肝臓などに蓄積している場合があるため、食べる場合には注意が必要です。

新鮮なフグの選び方

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ここからは、新鮮なフグの選び方について見ていきましょう。丸ごと1匹を調理する場合は、フグ調理師免許が必要なため、素人は調理することができませんが、選び方を知識として知っておくとよいでしょう。また、鮮度の高い切り身の特徴についてもご紹介するので、参考にしてみてください。

\次のページで「まるごと1匹の場合」を解説!/

まるごと1匹の場合

新鮮なフグは、体に傷がなくふっくらとしていて頭が小さいことが特徴です。また、鮮度の高いものは、腹部がきれいな白色をしています。腹部に赤い斑点などがある場合は鮮度が落ちている場合があるそうです。

切り身の場合

切り身の場合は身の透明度を見ましょう。白っぽく透明感があるものが鮮度が高いとされています。また、身に弾力があるものも、新鮮な切り身の証です。透明感がなく身に締まりがないものは、あまり鮮度が高くないので、気をつけてくださいね。

冬にはフグのおいしさを味わってみて

この記事では、フグの種類や旬、新鮮なフグの選び方について解説しました。フグは種類がとても豊富な魚だということが分かりましたね。高級魚のイメージが強いフグですが、種類によってはお手頃のものもあります。また、近年では養殖が盛んになり、比較的手が届きやすい魚になっていますので、フグの旬である冬季には、ぜひフグのおいしさを味わってみてください。

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家庭科

フグは種類が豊富な魚!旬や新鮮なフグの選び方もフリーランス管理栄養士がくわしくわかりやすく解説

この記事では、フグの種類や旬、選び方について解説していきます。フグといえば、鍋料理や薄造りの美しい刺身で有名な高級魚ですね。また、フグは毒をもつ魚としてのイメージも強いかもしれない。そんなフグは、実は驚くほど種類が多いということを知っているでしょうか?今回は代表的なフグの種類につて、フリーランス管理栄養士の宮本ゆかと一緒に解説していきます。また、フグの旬や産地、ハリセンボンとの違い、新鮮なフグの選び方につても解説していくので、ぜひ参考にしてほしい。

ライター/宮本ゆか

町役場とドラッグストアでの管理栄養士を経て、フリーランスの管理栄養士兼Webライターへ。趣味はオーガニックの食材で料理をつくること。食に関する知識をいかし、わかりやすく解説していきます。

フグの特徴

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ここからは、フグの旬や産地、フグとよく似ているハリセンボンとの違いについて、解説していきます。あまり知られていないフグの一面を知ることができるかもしれません。一緒にくわしく見ていきましょう。

フグの旬

フグの旬は「秋の彼岸から春の彼岸まで」という言葉でよく表現されます。その言葉どおり、フグの旬は、冬の寒い時期と言われていて、特に11月~2月あたりに採れるフグはとてもおいしいそうです。また、フグの白子(精巣)は、産卵前の1月~3月ごろに旬をむかえます。

フグの産地

フグで有名な産地と言えば、山口県下関市を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実は山口県のフグの漁獲量は、意外にも日本一ではないそうです。漁獲量に関しては、山口県よりも北海道や石川県などの方が多いそうですよ。では、なぜ山口県がふぐの産地として有名になったのでしょうか?その理由は次のとおりです。

かつて日本では、フグの毒性の高さから、豊臣秀吉が「河豚食禁止の令」を出し、人々にフグを食べることを禁止していました。しかし、山口県出身の初代総理大臣の伊藤博文が、日本で初めて山口県だけでフグを解禁したことにより、全国で水揚げされたフグが山口県に集まるように。そのため、山口県がフグの名産地というイメージがついたそうです。現在ではフグ調理師免許制度が設けられ、プロの調理師がフグを安全に調理することにより、全国でフグを食べられるようになりました。

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