君たちは「フェンネルシード」を知っているかい?俺は初めて聞いたのだけれど、どうやらハーブの一種らしいぞ!しかもかなりのパワーを持っているらしのです。君たちも、今流行のハーブと聞いて興味が湧いてこないか?主婦歴26年の元管理栄養士mimikaと一緒にフェンネルシードの栄養・特徴・効能を解説していきます。

ライター/mimika

主婦歴26年の元管理栄養士。趣味は家庭菜園。新鮮野菜やハーブの素材を生かした調理が好き。「食べるもので体は作られる」という思いから、家族の健康を思い食材の持つエネルギーを生かした料理をモットーにしている。これらの経験を生かして、食にまつわる様々な知識や疑問をわかりやすく紹介・解説していく。

筆者宅にも元気なフェンネルがあります。実はこれ、4年前にホームセンターの園芸コーナーで購入した見切り品なんですよ。

ハーブって何?

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近年の健康志向からか、ハーブという言葉や食材を目にすることが多くなりましたが、「体に良さそう」なイメージのハーブとはどのようなものでしょうか?

それぞれに香りや風味、刺激性がある植物の花・茎・葉・根・種子などが、健康や美容やこころのケア、さらに芳香剤や消臭剤や虫よけや染物、そして料理の風味付けなど、食用や薬用をはじめとする生活に役立つもののことで、これを食用に用いたものを「香辛料」といいます。日本でも昔から利用されていて、しょうがやしそ、三つ葉やよもぎ、ゴボウなどもハーブで、私達の暮らしの中でも身近に存在していますね。

フェンネルの特徴

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フェンネルは地中海沿岸の原産で、食用・薬用として活用された最古の作物の一つといわれ、中世ヨーロッパでは呪術にも用いられていたといいます。ラテン語で「小さな干し草」を意味しており、古代ギリシャでは、「細くなる」を意味する言葉で呼ばれていたそうですよ。

フェンネルはセリ科ウイキョウ属の多年草で、和名は 茴香(ウイキョウ)。代表的なスイートフェンネルのほかに、ジャイアントフェンネルやフローレンスフェンネル、ブロンズフェンネルなどいくつかの種類があり、生育旺盛で高さ2mほどになるものも。黄緑色の茎から枝分かれしたような細い葉が伸び、夏になると茎の頂上に黄色の小花をたくさんつけます。日本ではそれほど馴染みがない珍しい野菜ですが、根茎や葉、種など全ての部位が使える優秀な野菜であり、「捨てるところがないハーブ」として、ヨーロッパでは大昔からハーブティーの原料やスパイスに活用されていたのです。

フェンネルシードの正体

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フェンネルは葉や茎、種に香りがあり、すべてがハーブやスパイスとして利用されており、その中でも種子を乾燥させたものが「フェンネルシード(種)」です。

フェンネルシードにも強い香りがあるので、主に香辛料として様々な料理に用いられ、なかでも魚料理と相性がよい(魚臭さなどを消臭する効果があり)ため、「魚のハーブ」といわれています。また、ほのかな甘みとピリッとしたスパイシーな風味で、カレーなどのスパイス料理に利用されたり、ハーブティーとしてカモミールなど他のハーブとブレンドされたりもしているんですよ。

見た目が似ているクミンとの違いは?

クミンシードやキャラウェイシードというフェンネルシードと形や色がよく似ているハーブを知っていますか?特徴がとても似ているので、見た目では判断しづらいかもしれません。しかし、香りや風味はそれぞれ明らかに違う特徴があります。

フェンネルシードは独特の甘い香りが特徴。香りが強いので食材の臭み消しに効果的とされ、ラムやマトンといった臭みがきつい肉料理や魚料理に適しています。対してクミンシードはインド料理に欠かせないスパイス。料理の最初に油で炒めて香りを引き出す「スタータースパイス」として、そのスパイシーな香りは料理のアクセントとしてなくてはならないものなのです。一方のキャラウェイシードは、爽快感のある甘い香りとほろ苦い味が特徴。辛味は全くなく、他の2つと比べると香りも風味も穏やかで、臭み消しやスパイスとしてではなく、パンやスパイスクッキーなどの焼き菓子に利用されています。

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フェンネルシードの効果効能は?

インドの家庭では、毎食後にフェンネルシードを噛むことが「当たり前」の風景だそうです。私達が食後の歯磨きをするように、お口のリフレッシュと思えますが、それだけではありません。フェンネルシードにはカリウムや銅、鉄やカルシウム、マンガン、セレン、亜鉛、マグネシウムなどが含まれており、まるでミネラルのかたまりのようなのです。

インドの人々はフェンネルシード噛むことで口臭を取り除くだけでなく、様々な栄養とその効能を取り入れていたのですね。

1.食後のお口リフレッシュ

インド料理店に行った時、レジ横に置いてあるカラフルで小さなつぶつぶした砂糖菓子のような物を見たことがありますか?インドではおなじみの口直しスパイス「フェンネル」です。フェンネルシードに含まれるエッセンシャルオイルは口の悪臭を消して食べかすを取り除き、消化プロセスの始まりである唾液の分泌を増やしてくれるだけではなく、抗菌特性と抗炎症特性も持ち合わせており、口臭や歯肉炎の原因となる細菌を取り除いてくれるのですよ。

口臭を消したい場合、食後にフェンネルシードを数粒かみましょう。歯肉炎の場合は、フェンネルシードをお湯で煮て作ったフェンネル水で口をゆすぐのが良いでしょう。定期的に行うことで、口臭を抑え口腔内の健康を保つことが期待できますね。

2.お腹に優しく消化不良や便秘に効果的

フェンネルシードは消化不良にとても効果的。清涼感たっぷりな種を噛んだ瞬間から、消化プロセスを開始する唾液分泌を増加させて消化に働きかけてくれるうえ、刺激による急速なガスの充満で腹部がふくれてしまうのを抑えたりと、食べ物の適切な消化と吸収を助けてくれます。また、多く含む食物繊維によって腸内での水分吸収が高まるため、便を柔らかくして排便を促してくれるのです。

3.不快な生理痛を緩和

フェンネルシードは月経促進薬としても知られており、骨盤内および子宮内の血流を刺激し、うまく調節するのを助けることで月経痛を和らげてくれるのです。

4.貧血の緩和や予防にも

フェンネルシードに含まれる、鉄、銅、ヒスチジンは、赤血球の産生と形成に必要な成分。体内の鉄分を増やしヘモグロビンの生産に役立ちます。毎日食べることで、貧血の悪影響から守ってくれるでしょう。

\次のページで「5.むくみ解消に期待」を解説!/

5.むくみ解消に期待

フェンネルシードに含まれるたくさんのカリウムは、体内の水分量を調節してくれる欠かせない成分。優れた利尿作用がむくみの予防や緩和をうながすので、消化の改善や代謝率を高め心拍数や血圧のコントロールにも役立ちます。

また、この特性は体重を減らすことにもつながり、自然を利用したダイエットの1つと言えるでしょう。フェンネルシードを噛むことで様々な効果が期待できますが、まずは原因を特定することが大切ですね。

摂取する際の注意点2つ

多くの効能があるフェンネルシードですが、効果があるからと言ってむやみに利用するのはおすすめしません。どのようなことに注意するべきなのかを見ていきましょう。

1.大量に摂取するのはNG

どのような食品でも、過剰摂取は逆に良くない状態を引き起こしてします場合もあるので、適度な量を無理なく摂取するようにしましょう。例えば、フェンネルに含まれているカリウムは強力な利尿作用があるため、過剰に飲み過ぎると逆に体の水分が失われてしまい、のどが渇いたり頻尿になって困ることも考えられ、注意が必要です。しかし適正量を守っていれば副作用の心配はないでしょう。

フェンネルシードをハーブティとして利用するならば、一日に2~3杯程度を、健康茶として活用することができます

2.妊婦・セリ科アレルギーの人は避けましょう!

妊婦や授乳中の人、さらに子供や「てんかん」の持病を持つ人、セリ科アレルギーの人は、フェンネルシードの使用は避けた方が良いと言われていますので注意しましょう。  

セリ科アレルギーの症状として、じんましんやかゆみ、下痢、腹痛、咳などがあります。このような症状が出てしまった場合、ただちに使用をやめ、医師に相談し適切な処置をしてもらってください。また、子宮を刺激する作用があるので、妊婦の摂取には注意が必要です。しかし、もし間違って使用してしまった場合でも、少量で特に体調に異変がなければ問題はないと思われますが、念のため妊婦検診の際には医師に伝え、その後の使用は控えるようにしましょう。

妊婦でなくても、子宮筋腫、子宮内膜症、乳がんなど婦人科系の病気を持つ人はの過剰摂取は、影響があるため注意をしなければいけませんし、まだ体が未発達である子供や、思春期の子供が摂取する場合にも注意が必要です。

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フェンネルシードの小さい粒に効能大!

フェンネルシードは3ミリほどの大きさをしています。そんな小さな粒にたくさんの効果を持つフェンネルシードですが、注意するポイントをしっかり抑えて上手に利用したいですね。

" /> 体に優しいハーブ「フェンネルシード」の栄養・特徴・効能を管理栄養士がわかりやすく解説 – Study-Z
家庭科

体に優しいハーブ「フェンネルシード」の栄養・特徴・効能を管理栄養士がわかりやすく解説


君たちは「フェンネルシード」を知っているかい?俺は初めて聞いたのだけれど、どうやらハーブの一種らしいぞ!しかもかなりのパワーを持っているらしのです。君たちも、今流行のハーブと聞いて興味が湧いてこないか?主婦歴26年の元管理栄養士mimikaと一緒にフェンネルシードの栄養・特徴・効能を解説していきます。

ライター/mimika

主婦歴26年の元管理栄養士。趣味は家庭菜園。新鮮野菜やハーブの素材を生かした調理が好き。「食べるもので体は作られる」という思いから、家族の健康を思い食材の持つエネルギーを生かした料理をモットーにしている。これらの経験を生かして、食にまつわる様々な知識や疑問をわかりやすく紹介・解説していく。

筆者宅にも元気なフェンネルがあります。実はこれ、4年前にホームセンターの園芸コーナーで購入した見切り品なんですよ。

ハーブって何?

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近年の健康志向からか、ハーブという言葉や食材を目にすることが多くなりましたが、「体に良さそう」なイメージのハーブとはどのようなものでしょうか?

それぞれに香りや風味、刺激性がある植物の花・茎・葉・根・種子などが、健康や美容やこころのケア、さらに芳香剤や消臭剤や虫よけや染物、そして料理の風味付けなど、食用や薬用をはじめとする生活に役立つもののことで、これを食用に用いたものを「香辛料」といいます。日本でも昔から利用されていて、しょうがやしそ、三つ葉やよもぎ、ゴボウなどもハーブで、私達の暮らしの中でも身近に存在していますね。

フェンネルの特徴

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フェンネルは地中海沿岸の原産で、食用・薬用として活用された最古の作物の一つといわれ、中世ヨーロッパでは呪術にも用いられていたといいます。ラテン語で「小さな干し草」を意味しており、古代ギリシャでは、「細くなる」を意味する言葉で呼ばれていたそうですよ。

フェンネルはセリ科ウイキョウ属の多年草で、和名は 茴香(ウイキョウ)。代表的なスイートフェンネルのほかに、ジャイアントフェンネルやフローレンスフェンネル、ブロンズフェンネルなどいくつかの種類があり、生育旺盛で高さ2mほどになるものも。黄緑色の茎から枝分かれしたような細い葉が伸び、夏になると茎の頂上に黄色の小花をたくさんつけます。日本ではそれほど馴染みがない珍しい野菜ですが、根茎や葉、種など全ての部位が使える優秀な野菜であり、「捨てるところがないハーブ」として、ヨーロッパでは大昔からハーブティーの原料やスパイスに活用されていたのです。

フェンネルシードの正体

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フェンネルは葉や茎、種に香りがあり、すべてがハーブやスパイスとして利用されており、その中でも種子を乾燥させたものが「フェンネルシード(種)」です。

フェンネルシードにも強い香りがあるので、主に香辛料として様々な料理に用いられ、なかでも魚料理と相性がよい(魚臭さなどを消臭する効果があり)ため、「魚のハーブ」といわれています。また、ほのかな甘みとピリッとしたスパイシーな風味で、カレーなどのスパイス料理に利用されたり、ハーブティーとしてカモミールなど他のハーブとブレンドされたりもしているんですよ。

見た目が似ているクミンとの違いは?

クミンシードやキャラウェイシードというフェンネルシードと形や色がよく似ているハーブを知っていますか?特徴がとても似ているので、見た目では判断しづらいかもしれません。しかし、香りや風味はそれぞれ明らかに違う特徴があります。

フェンネルシードは独特の甘い香りが特徴。香りが強いので食材の臭み消しに効果的とされ、ラムやマトンといった臭みがきつい肉料理や魚料理に適しています。対してクミンシードはインド料理に欠かせないスパイス。料理の最初に油で炒めて香りを引き出す「スタータースパイス」として、そのスパイシーな香りは料理のアクセントとしてなくてはならないものなのです。一方のキャラウェイシードは、爽快感のある甘い香りとほろ苦い味が特徴。辛味は全くなく、他の2つと比べると香りも風味も穏やかで、臭み消しやスパイスとしてではなく、パンやスパイスクッキーなどの焼き菓子に利用されています。

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