グレープフルーツは甘酸っぱい柑橘類のフルーツです。グレープフルーツは輸入品が多いが、最近では国産のものも作られているんです。ただし、国産品はまだまだ希少なんです。なぜ、日本ではグレープフルーツの栽培が少ないのか、その理由も見ていこう。また、グレープフルーツの品種についても考えていきます。「ホワイト・ピンク・ルビー」は果肉の色による大別であって、品種の名前はちゃんとあるんです。今回の記事では、グレープフルーツの旬や産地、品種や見分け方など果物大好きパティシエのmei.mと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。グレープフルーツのお気に入りのアレンジは、果汁を混ぜ込んで作るグレープフルーツシフォンケーキ!

名産地はどこ?

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日本国内に出回っているグレープフルーツは、ほとんどが輸入品です。しかし近年、国産グレープフルーツも静岡県熊本県など一部の地域で生産されるようになりました。トップシェア静岡県23.3トン、次いで熊本県が12トンと生産量はごく少ないので、見かけることは珍しいでしょう。

世界的に見てみると、生産高の上位は中国ベトナムアメリカなど。亜熱帯地域が原産のフルーツで寒さと湿度に弱いため、暖かく乾燥した地域で多く栽培されています。

グレープフルーツの輸入先

グレープフルーツの輸入量は年間で約6万2000トン、日本に出回る輸入フルーツの中で現在は第6位。長らく、バナナに次いで輸入量の多かった果物でしたが、ここ20年ほど、輸入量は減少傾向にあります。

輸入品の主な産地は南アフリカフロリダカリフォルニアなどを主としたアメリカ、旬と旬の間にイスラエルからもやってきますよ。現在では国内に出回る輸入グレープフルーツの約40%が南アフリカ産です。

国産グレープフルーツが少ない理由

庭先でもグレープフルーツがなっているのを見かけますが、国産品の流通が少ないのはなぜなのでしょうか?

一番の理由は、日本の気候がグレープフルーツには適さないこと。グレープフルーツは寒さに弱く、1年を通して20度以上の気温が必要になります。そのため、同じ柑橘類のミカンの産地でも、グレープフルーツはうまく育てることが出来ないそう。また、温度を保つためにハウス栽培にすると、コストがかかってしまうため、1個100円ほどで売られている輸入品と比べてかなり高価になってしまい、販売しにくいのも原因のひとつ。

しかし、輸入品との差別化を図りながら、現在では栽培を始める地域も増えてきているそう。国産グレープフルーツは輸送に時間のかかる輸入品に比べて、完熟で収穫されたり、農薬が少ないなどのメリットが消費者に好まれているようですよ。

「旬」もあります!

国産のグレープフルーツの旬は4~6月とされています。輸入品のグレープフルーツは基本的に通年出回っていますが、実は「旬」もあるのです。特に生産量の多いフロリダでは4~6月頃が最も美味しい季節になりますよ。また、旬の季節は産地によって異なり、同じアメリカでもカリフォルニア5~10月南アフリカでは6~10月頃に収穫されています。

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白・ピンク・ルビーの品種

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グレープフルーツは果肉の色によって、白系と赤系の2種類に大別されますね。赤系の中には、「ピンク」と、ピンクよりさらに赤みの強い「ルビー」があります。白系と赤系の果肉の色の違いは、含まれている栄養素によるもの。赤系にはβカロテンリコピンといった色素成分が含まれていますので、栄養を考えるなら、白系より赤系の方がメリットが大きいですね。

以前の日本では白系のグレープフルーツが主流で、輸入グレープフルーツでも大部分を占めていました。しかし、最近ではピンクやルビーの品種も定着人気の高まりによって、輸入量の割合も同程度となっています。

では、グレープフルーツの品種をそれぞれの特徴と共に詳しく見ていきましょう。

1.「マーシュ」:グレープフルーツの代表格

「ホワイト」とも呼ばれる、最も流通している「グレープフルーツの代表格」です。旬はありますが、スーパーなどでも一年中手に入りますね。皮は黄色く、果肉は薄い黄色をしています。果汁が多く、他の品種に比べると、酸味やほろ苦さが強めに感じる品種です。

流通している果肉の白いグレープフルーツは、ほぼ「マーシュ」。意外にも、流通している白系のグレープフルーツの品種は少ないのです。

2.「トムソン」:ピンク色のマーシュ種

「ピンク・マーシュ」とも呼ばれるマーシュの変異から生まれた品種。皮はホワイトのマーシュと似ていますが、果肉がピンク色のグレープフルーツです。最近では生産数が少なく、あまり出回っていません

3.「ルビー(レッドブラッシュ)」:ポピュラーなピンク色の果肉

果肉の赤い品種の中で最もポピュラーで、一般的に「ピンクグレープフルーツ」と呼ばれるのが、この品種です。皮は黄色赤みがかったオレンジ色で、ところどころ赤みがさしているものもあります。果肉はピンク色をしており、種が入っていません。酸味やほろ苦さはありますが、ホワイトに比べるとやや甘さを感じられます。

4.「スタールビー」:ルビーのような真っ赤な果肉

アメリカのテキサスで誕生した、栽培が難しい品種。皮は黄色ピンク色っぽいオレンジ色、部分的に赤く染まっているものもあります。果肉はルビーのような鮮やかな濃い赤色です。果汁は少なめで、ホワイト・マーシュより酸味やほろ苦さが穏やかで、甘みが強めに感じられます。

\次のページで「その他の赤系グレープフルーツ:「リオレッド」「フレーム」」を解説!/

その他の赤系グレープフルーツ:「リオレッド」「フレーム」

他にも、ジュースなどに加工されることの多い「リオレッド」、グレープフルーツ独特の苦みが少なく、酸味も穏やかなため、食べやすいと評判の「フレーム」などの品種がありますよ。いずれも果皮は黄色や赤みがかったオレンジ色をしており、「スタールビー」のような濃い赤色の果肉をしています。

グレープフルーツの選び方

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見た目や栄養素で選ぶなら「品種」、値段や育て方で選ぶなら「産地」、と、グレープフルーツにも様々な選び方があります。グレープフルーツは身近なスーパーなどでももちろん手に入りますが、最近では通信販売フルーツ専門店で、国産品特定の品種などのこだわりのグレープフルーツを購入することも出来ますよ。

また、同じ輸入品でも、産地が違うと味わいも変わってくるとか。特に、フロリダ産は皮が薄く、ジューシーで、栄養分も高いそうです。南アフリカ産は皮が厚めの傾向があると言われています。もちろん、鮮度重要なポイント。スーパーなどではグレープフルーツはバラで販売されていることが多いので、1個ずつ状態を確認することも出来ますね。

美味しいグレープフルーツの見分け方

続いて、1個ずつの良いグレープフルーツの見分け方をご紹介します。店頭で見比べられるときは、ぜひ参考にしてくださいね。

・へこみが無く、形が良い
・皮のきめが細かく、色が鮮やか
・表面にハリとツヤがある
・ずっしりとした重みがある

グレープフルーツは、その名前の由来の通り、ブドウの房のように密集して実りますので、隣り合った果実同士でへこんでいるものが多いです。しかし、他の実と離れて1つだけでなっていた実の方が、栄養の行き渡りが良く太陽の光もしっかり当たっているので、形は丸いものを選びましょう。

ただし、表面にこすれたようなシミのあるものは、葉の擦れなどですので、中の果肉には影響がありませんよ。

\次のページで「こんな実は避けよう」を解説!/

こんな実は避けよう

まずは見た目に、ヘタ部分や皮などがカビているものは、果肉まで傷み始めている可能性があります。他にも、「皮が茶色い」「ブヨブヨしている」なども傷んでいるサインです。また、触った時に、皮がペコペコしていたり、重さが軽いものは、中の果肉がスカスカしているので避けましょう。

いつも身近にあるグレープフルーツ!産地や旬で選んでみよう!

「白・ピンク・ルビー」どの色の果肉も、つややかで透明感のあり、見ているだけでも爽やかさを感じるグレープフルーツ。スーパーなどでも通年手に入る非常に身近なフルーツですが、栽培の背景は意外に知られていないようです。今度食べる時は、「産地」や「旬の時期」を気にして選んでみると、また違ったグレープフルーツが見えるかもしれません。

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グレープフルーツの旬や産地が簡単にわかる!白・ピンク・ルビーの品種も果物大好きパティシエがわかりやすく解説

グレープフルーツは甘酸っぱい柑橘類のフルーツです。グレープフルーツは輸入品が多いが、最近では国産のものも作られているんです。ただし、国産品はまだまだ希少なんです。なぜ、日本ではグレープフルーツの栽培が少ないのか、その理由も見ていこう。また、グレープフルーツの品種についても考えていきます。「ホワイト・ピンク・ルビー」は果肉の色による大別であって、品種の名前はちゃんとあるんです。今回の記事では、グレープフルーツの旬や産地、品種や見分け方など果物大好きパティシエのmei.mと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。グレープフルーツのお気に入りのアレンジは、果汁を混ぜ込んで作るグレープフルーツシフォンケーキ!

名産地はどこ?

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日本国内に出回っているグレープフルーツは、ほとんどが輸入品です。しかし近年、国産グレープフルーツも静岡県熊本県など一部の地域で生産されるようになりました。トップシェア静岡県23.3トン、次いで熊本県が12トンと生産量はごく少ないので、見かけることは珍しいでしょう。

世界的に見てみると、生産高の上位は中国ベトナムアメリカなど。亜熱帯地域が原産のフルーツで寒さと湿度に弱いため、暖かく乾燥した地域で多く栽培されています。

グレープフルーツの輸入先

グレープフルーツの輸入量は年間で約6万2000トン、日本に出回る輸入フルーツの中で現在は第6位。長らく、バナナに次いで輸入量の多かった果物でしたが、ここ20年ほど、輸入量は減少傾向にあります。

輸入品の主な産地は南アフリカフロリダカリフォルニアなどを主としたアメリカ、旬と旬の間にイスラエルからもやってきますよ。現在では国内に出回る輸入グレープフルーツの約40%が南アフリカ産です。

国産グレープフルーツが少ない理由

庭先でもグレープフルーツがなっているのを見かけますが、国産品の流通が少ないのはなぜなのでしょうか?

一番の理由は、日本の気候がグレープフルーツには適さないこと。グレープフルーツは寒さに弱く、1年を通して20度以上の気温が必要になります。そのため、同じ柑橘類のミカンの産地でも、グレープフルーツはうまく育てることが出来ないそう。また、温度を保つためにハウス栽培にすると、コストがかかってしまうため、1個100円ほどで売られている輸入品と比べてかなり高価になってしまい、販売しにくいのも原因のひとつ。

しかし、輸入品との差別化を図りながら、現在では栽培を始める地域も増えてきているそう。国産グレープフルーツは輸送に時間のかかる輸入品に比べて、完熟で収穫されたり、農薬が少ないなどのメリットが消費者に好まれているようですよ。

「旬」もあります!

国産のグレープフルーツの旬は4~6月とされています。輸入品のグレープフルーツは基本的に通年出回っていますが、実は「旬」もあるのです。特に生産量の多いフロリダでは4~6月頃が最も美味しい季節になりますよ。また、旬の季節は産地によって異なり、同じアメリカでもカリフォルニア5~10月南アフリカでは6~10月頃に収穫されています。

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