歴史ある企業や老舗でよく見かける言葉に「設立」と「創業」があるな。
どちらも企業のスタートを表していそうですが、この2つの違いは何なんでしょうな。
今回は「設立」と「創業」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

設立と創業の違い

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古くから続いている企業やお店では、「設立」と「創業」という言葉がよくキャッチコピーとして使われます。「明治〇〇年設立」や「大正〇〇年創業」なんて看板を見かけたことがある人もいるでしょう。しかし両者の違いを詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。ここでは「設立」と「創業」の違いについて解説していきます。

設立:法人を登記すること

「設立」は法人組織として登記することです。会社を設立するには定款(会社のルール)を決め、資本金を用意し(株式会社であれば株主を募り)、その後取締役などの役員を決定し、公証人の認証を受けることで登記ができます。こうした段階を経て登記申請した日が「設立日」です。

\次のページで「創業:事業を開始すること」を解説!/

創業:事業を開始すること

「創業」とは事業を開始することを意味します。個人事業主でも法人でも、いずれも事業を開始すれば「創業」したと言え、登記の有無は問いません。また開業準備と呼ばれる、不動産取得や原料の仕入れなどの売上を生じない行為も創業と見なされます。事業を開始した日が「創業日」です。

法的に重要なのはどっち?

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「設立」と「創業」の違いについてわかったところで、気になるのは法的に重要なのはどちらかということですよね。対外的に自社の歴史を説明する時にはどちらを用いたほうがよりフォーマルなのでしょうか。ここでは「設立」と「創業」の法的な違いについて解説します。

法的に意味があるのは設立

法的に意味があるのは「設立」です。「設立日」は会社が法人格を取得して社会的に認められたことを意味する重要な日。会社のホームページには必ずと言っていいほど会社概要が掲載されていますが、そこに記載があるのは「設立」なはず。「設立」がどのタイミングかによって、法人住民税の負担額が変動するくらい重要なのです。

創業に法的な意味はない

対して「創業」に法的な意味はありません。「創業」自体が古くても「設立」が最近であれば、会社としての歴史は古いため、社会的信用度もそこまで高いとは言えません。法的な意味がないということは「創業100年です」という宣伝文句があったとしても、それが本当かどうかまではわからないということです。

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設立と創業の類義語

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「設立」と「創業」について理解が深まったところで、この2つの言葉に類義語が存在することを思い出してみましょう。具体的には創立、企業、開業です。ここではこれらの類義語について解説していきます。

創立:組織や機関を立ち上げて事業を開始すること

「創立」は初めて組織や機関を立ち上げて事業を開始することです。こちらは「設立」と違い登記は不要。会社だけでなく学校や団体にも当てはまります。「創業」との違いは組織や機関に限定されている点で、個人事業主は該当しません。

起業:創業とほぼ同じ意味

「起業」は「創業」とほぼ同じ意味で使われます。ニュアンスの違いとしては、創業は企業の歴史を語るときなど過去の事業開始について使われるのに対して、「起業」は今後の計画など未来の事業開始について使うことが多いです。

開業:事業所を構えて創業する

「開業」も「創業」や「起業」とほぼ同じ意味です。大きなニュアンスの違いは、店舗を開く、クリニックを開くなど事業所を構えて創業する意味あいが強い点。なお個人事業主が事業をスタートする場合に提出する届出は「開業届」になります。

設立は法人を登記すること、創業は事業を開始すること

ここまで「設立」と「創業」の違い、法的に重要なのはどちらか、「設立」と「創業」の類義語について解説してきました。この中で法的に重要なのは「設立」だけというのは意外でしたね。

「設立」してから「創業」するまでに時間がかかった企業もあるでしょうし、逆に「創業」してから「設立」するまでにタイムラグがあったケースもあるでしょう。商売を長く続けたという事実は、社会的に信用され続けてきた実績でもあります。身近な企業の「設立」や「創業」を調べてみるのもおもしろいですね。

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3分でわかる設立と創業の違い!法的に重要なのはどっち?類義語と違いも雑学好きライターがわかりやすく解説

歴史ある企業や老舗でよく見かける言葉に「設立」と「創業」があるな。
どちらも企業のスタートを表していそうですが、この2つの違いは何なんでしょうな。
今回は「設立」と「創業」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

設立と創業の違い

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古くから続いている企業やお店では、「設立」と「創業」という言葉がよくキャッチコピーとして使われます。「明治〇〇年設立」や「大正〇〇年創業」なんて看板を見かけたことがある人もいるでしょう。しかし両者の違いを詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。ここでは「設立」と「創業」の違いについて解説していきます。

設立:法人を登記すること

「設立」は法人組織として登記することです。会社を設立するには定款(会社のルール)を決め、資本金を用意し(株式会社であれば株主を募り)、その後取締役などの役員を決定し、公証人の認証を受けることで登記ができます。こうした段階を経て登記申請した日が「設立日」です。

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