企業の事業活動においてよく使われる言葉が「役務」と「委託」です。
どちらも第三者に仕事を任せるイメージですが、詳しい違いまではわからない人が多いよな。
ここではシステムエンジニアとして業務委託で働いているおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

役務と委託の違い

image by iStockphoto

主にサービス業において、自社内の人員以外に業務を依頼する際に使う言葉に「役務(えきむ)」と「委託(いたく)」があります。契約書などの文面でも目にする言葉ですが、これらの違いはいったい何なのでしょうか。ここでは「役務」と「委託」の違いについて解説していきます。

役務:対価を約束した上でサービスを提供すること

「役務」とは外部のために行う労働を指すことで、ビジネスの世界では対価を約束した上でサービスを提供することを指します。業務を依頼される側の視点に立った言葉です。消費税法において「役務の提供」とは、サービスの提供および、専門的知識・技能等の提供を指しています。

委託:外部に仕事を任せること

「委託」とは外部に仕事を任せ頼むことを意味しており、ビジネスの世界では対価を約束した上で業務を依頼することを指します。「役務」とは逆で、業務を依頼する側の視点に立った言葉。依頼する内容は自社が受注した案件や事務作業に関して、サービスの提供や成果物の引き渡しといった内容が多いです。

委託の種類

image by iStockphoto

「役務」と「委託」の違いについてはおわかりいただけたと思います。ここで疑問を抱くのは、「委託」と一口に言っても、提供するサービスや成果物のレベルはさまざまであることですね。ここでは「委託」の種類について解説していきます。

\次のページで「請負:完了義務を負う委託」を解説!/

請負:完了義務を負う委託

「請負(うけおい)」は委託された業務を完了する義務を負います。「請負契約」を結んだ場合、たとえばサービスであれば該当業務の終了まで、成果物であれば完成品の納品までが業務範囲です。業務を完了させなければ報酬は得られませんし、完了したとしても契約不適合(サービスや品質が契約基準を満たさない)であれば追完請求(成果物の修補、代替物の引き渡し、不足分の引き渡し)や報酬の減額請求、損害賠償請求、契約解除となる場合もあります。

自社のノウハウで自由に仕事を進められる反面、プロフェッショナルとしての精度を求められる「委託」の形態です。

委任:完了義務を負わない委託

「委任(いにん)」は委託された業務を完了する義務を負いません。「委任契約」を結んだ場合、たとえばサービスであれば該当期間の終了まで(3か月契約など)、成果物であれば期間内で仕上がった部分までが業務範囲です。業務を完了しなくても報酬は得られますが、注意義務に従わなければいけません。

現実的な例を挙げれば「完了義務がないからダラダラと仕事をしていい」わけではなく、監督者の指示に従い、スケジュール通りに基準を満たした精度で業務を行う必要があります。

類似の言葉

image by iStockphoto

「役務」、「委託」についての理解度は深まったと思いますが、第三者に仕事を依頼する言葉は他にも存在します。具体的には「委嘱」と「嘱託」です。ここでは補足として、この2つの言葉についても解説していきます。

委嘱:外部の専門家に依頼すること

「委嘱(いしょく)」は「委託」の類義語で、業務や役割を外部の人へ任せるという意味です。専門的な知識が必要となる場合に使われるため、監査役の外注などに使われます。「委託」はザックリと業務を任せることを意味しますが、「委嘱」は専門性がより問われるシーンで使うことがほとんどです。たとえば「自社に監査役がいないので、監査法人に委嘱する」といった使い方が挙げられます。

嘱託:正社員以外の自社社員に業務を任せること

「嘱託(しょくたく)」は「委託」と違い、外部に業務を依頼することではありません。正規の業務を正社員以外に任せる場合に利用される言葉です。正社員がすべき業務を任せられる社員を「嘱託社員」とい呼びます。定年退職後に、それまで勤務していた企業と再度雇用契約を結び働き続けるといったケースで用いられることが多い言葉です。

「契約社員」と「嘱託社員」は似ていますが、前者はフルタイム、後者は非常勤という扱いで使われます。

\次のページで「役務は依頼される側、委託は依頼する側」を解説!/

役務は依頼される側、委託は依頼する側

ここまで「役務」と「委託」の違い、「委託」の種類、そして類似の言葉について解説してきました。第三者に業務を依頼する言葉だけでも、こんなに種類があるんですね。

筆者はシステムエンジニアとして、SES(システムエンジニアリングサービス)という労働形態で働いています。これは顧客のシステム開発会社に常駐し「委託」された業務を行う形態。もっと具体的に言えば、顧客の人手不足を解消する人員補充として勤務しているのです。

終身雇用の崩壊とともに自社で常に人員を確保し続けることは難しくなりました。欧米では一時的な人員の不足を外部に「委託」することで、流動的な雇用の確保を行っています。それが良いか悪いかは別として、日本社会もそのような労働形態がメジャーになりつつあると言えるでしょう。

" /> 3分でわかる役務と委託の違い!フリーランスの仕事は委託?委託の種類や類似語も業務委託で働くエンジニアがわかりやすく解説 – Study-Z
ビジネス雑学

3分でわかる役務と委託の違い!フリーランスの仕事は委託?委託の種類や類似語も業務委託で働くエンジニアがわかりやすく解説

企業の事業活動においてよく使われる言葉が「役務」と「委託」です。
どちらも第三者に仕事を任せるイメージですが、詳しい違いまではわからない人が多いよな。
ここではシステムエンジニアとして業務委託で働いているおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

役務と委託の違い

image by iStockphoto

主にサービス業において、自社内の人員以外に業務を依頼する際に使う言葉に「役務(えきむ)」と「委託(いたく)」があります。契約書などの文面でも目にする言葉ですが、これらの違いはいったい何なのでしょうか。ここでは「役務」と「委託」の違いについて解説していきます。

役務:対価を約束した上でサービスを提供すること

「役務」とは外部のために行う労働を指すことで、ビジネスの世界では対価を約束した上でサービスを提供することを指します。業務を依頼される側の視点に立った言葉です。消費税法において「役務の提供」とは、サービスの提供および、専門的知識・技能等の提供を指しています。

委託:外部に仕事を任せること

「委託」とは外部に仕事を任せ頼むことを意味しており、ビジネスの世界では対価を約束した上で業務を依頼することを指します。「役務」とは逆で、業務を依頼する側の視点に立った言葉。依頼する内容は自社が受注した案件や事務作業に関して、サービスの提供や成果物の引き渡しといった内容が多いです。

委託の種類

image by iStockphoto

「役務」と「委託」の違いについてはおわかりいただけたと思います。ここで疑問を抱くのは、「委託」と一口に言っても、提供するサービスや成果物のレベルはさまざまであることですね。ここでは「委託」の種類について解説していきます。

\次のページで「請負:完了義務を負う委託」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: