この記事では椎茸の特徴などをみていきます。椎茸はきのこ類の中でも肉厚で食べ応えのある食材ですね。なんとなく健康に良さそうなイメージですが、実際にはどのような栄養や効能があるのか気になるな。椎茸がうまいのは、うまみ成分が多く含まれているかららしいぞ。
今回は椎茸の栄養や特徴、効能から、なんで椎茸がうまいのかなどについて管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。きのこの中で一番好きなのが、椎茸。歯ごたえあるところが好きで、そのまま焼いたり煮物に入っていたりする椎茸を好んで食べている。

椎茸の栄養は?

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きのこ類は低カロリーな食材で食物繊維やビタミンDの供給源として知られていますが、椎茸もその1つです。生の椎茸100gあたりの栄養成分表と、効能をみてみましょう。

・エネルギー:25kcal 
・たんぱく質:3.1g
・脂質:0.3g 
・炭水化物:6.4g
・カリウム:290mg
・ビタミンD:0.3mg
・ビタミンB₁:0.13mg
・ビタミンB₂:0.21mg
・食物繊維総量:4.9mg
・食塩相当量:0g

出典:日本食品標準成分表2020版(八訂)

1.カルシウムの働きを助けて骨を作る「ビタミンD」

椎茸にはカルシウムの働きを助けるビタミンDが多く含まれています。ビタミンDはカルシウムの働きを助けることから、同様に丈夫な骨や歯を作るのに大切な栄養素です。カルシウムだけ摂取しても丈夫な骨や歯を作ることはできません。ビタミンDとともに摂取することが重要です。きのこ類に多く含まれているビタミンDは意識的に摂取しないと不足しがちとなります。椎茸を積極的に摂取して補いましょう。

2.おなかの調子を整える「食物繊維」

椎茸には、お腹の調子を整えるのに大切な食物繊維が豊富です。特に不溶性食物繊維が多く含まれていて、便秘改善や整腸作用があります。しっかりした繊維が特徴的で、よく噛んで食べる必要があることから食べすぎを防ぎダイエット効果も期待できるでしょう。

3.栄養の代謝に必要な「ビタミンB群」が豊富

椎茸には、身体の調子を整えるなどの様々な役割のあるビタミンB群が豊富に含まれています。椎茸には8種類あるビタミンB群のうち7種類が含まれていてバランスが良い食材です。

ビタミンB₁やB₂、ナイアシンなどは栄養素の消化吸収を助ける働きがあります。疲労の改善や皮膚の代謝に必要な成分でもありますが、ビタミンB群は水溶性で身体にため込むことができません。毎食摂取することが大切なので、椎茸をはじめきのこ類を食べることが大切です。

4.椎茸だけに含まれる「エリタデニン」

エリタデニンは悪玉コレステロール値を下げて血流を良くする働きがあり、動脈硬化やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病を防ぐ効果が期待できます。エリタデニンは椎茸から発見された成分です。きのこ類の中でも椎茸とマッシュルームのみ含まれます。椎茸は、ダイエットや血圧の高い方におすすめの食材です。

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椎茸がおいしいのはなんでなの?

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椎茸がおいしい理由は、うまみ成分が多く含まれているからです。椎茸のうまみ成分について詳しく見ていきましょう。

その1.椎茸のうまみ成分「グルタミン酸」

生の椎茸にはグルタミン酸が豊富です。グルタミン酸は、昆布やトマト、ブロッコリーなど野菜類に多く含まれていることで知られていますが、椎茸にも含まれています。グルタミン酸は食品の風味を増加させる役割としても知られていますね。

その2.干し椎茸だけに豊富な「グアニル酸」

生の椎茸には含まれないうまみ成分「グアニル酸」は、椎茸を干すことによってはじめて生成されます。干し椎茸以外ではのりやドライトマトにわずかに含まれていますがごく微量ですので、グアニル酸は干し椎茸だけのうまみ成分だと思って問題ないです。強いうまみが特徴となっています。

干し椎茸ひとつでうまみの相乗効果

うまみ成分はおいしい食事に欠かせない成分の1つで、2種類以上を組み合わせることでうまみが増します。昆布のグルタミン酸、かつお節のイノシン酸、干し椎茸のグアニル酸が3大うまみ成分です。味噌汁のだしも昆布とかつお節で合わせだしにするととてもおいしいですよね。

干し椎茸はうまみ成分のグルタミン酸とグアニル酸の2つを多く含んでいます干し椎茸だけでうまみの相乗効果を得ることができることが、干し椎茸がおいしい理由だったのですね。干し椎茸だけのうまみ成分であるグアニル酸はもちろん、グルタミン酸も椎茸を干すことで増加します。干し椎茸を料理に使って、うまみの相乗効果を活用しましょう。

椎茸を食べるときの注意点

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椎茸は低カロリーで脂質が少なく、たくさん食べても身体に問題のない水溶性ビタミンが豊富です。椎茸を食べるときの注意点をみてみましょう。

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1.洗いすぎると栄養と香りが飛んでしまう

椎茸は、洗わなくても食べられます。日本で栽培されるほとんどが無農薬で、椎茸が生えるのも原木なので土がつくことが少ないからです。しかし、ホコリや虫が気になる場合は、濡らしたペーパーでふき取るかさっと洗う程度にとどめましょう。虫が心配な場合は塩水につけて取り除く方法もありますが、時間をかけると栄養や香りが飛んでしまうため短時間で行うことがポイントです。

2.生焼け椎茸は危険!

あまり知られていませんが、生焼けの椎茸を食べると食中毒になる危険があります症状は腹痛や嘔吐、皮膚炎です。皮膚炎は「しいたけ皮膚炎」と呼ばれ、強いかゆみがともなう発疹が現れる特徴があります。

食べた後1~4日後に症状が現れるので、原因が何なのか自分ではわからないことも多いようです。生椎茸と干し椎茸、椎茸のだしの加熱不十分が原因になります。特にバーベキューで生焼けを食べてしまうことが多いようですので、しっかり加熱して食べるようにしましょう。

3.食べすぎで便秘の可能性

椎茸はお腹の調子を整える食物繊維が豊富ですが、食べすぎることで便秘になる可能性もあります。椎茸の不溶性食物繊維と一緒に、野菜や果物に多い水溶性食物繊維を一緒に食べることが大切です。同じ食材だけでなくさまざまな食材を食べるように心がけましょう。

4.離乳食では細かく刻むことがポイント

離乳食中期(7~8か月)ごろから食べることができますが、きのこ類は食物繊維が豊富で咀嚼しにくいので細かく刻むことがポイントです。形がしっかり残っている椎茸は食べにくいため、1歳を超えてからが良いでしょう。椎茸のだしは初期食(5~6カ月)から与えることができます。椎茸は離乳食ではうまみとして活用するとよさそうですね。

低カロリーで栄養とうまみ豊富な椎茸を食べよう

椎茸の栄養や特徴が分かりましたね。身体の調子を整えたり整腸効果が期待出来たりするのはもちろん、椎茸から発見された「エリタデニン」は高血圧の方やダイエットする方に良い成分です。さらに、椎茸のうまみは豊富で、特に干し椎茸はそれだけでうまみの相乗効果が得られます。さまざまな料理に合う椎茸を積極的に使って、健康でおいしい食事を食べてほしいです。

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家庭科

椎茸は低カロリーなのに独自の栄養やうまみが豊富!特徴や注意点を管理栄養士が詳しくわかりやすく解説

この記事では椎茸の特徴などをみていきます。椎茸はきのこ類の中でも肉厚で食べ応えのある食材ですね。なんとなく健康に良さそうなイメージですが、実際にはどのような栄養や効能があるのか気になるな。椎茸がうまいのは、うまみ成分が多く含まれているかららしいぞ。
今回は椎茸の栄養や特徴、効能から、なんで椎茸がうまいのかなどについて管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。きのこの中で一番好きなのが、椎茸。歯ごたえあるところが好きで、そのまま焼いたり煮物に入っていたりする椎茸を好んで食べている。

椎茸の栄養は?

image by iStockphoto

きのこ類は低カロリーな食材で食物繊維やビタミンDの供給源として知られていますが、椎茸もその1つです。生の椎茸100gあたりの栄養成分表と、効能をみてみましょう。

・エネルギー:25kcal 
・たんぱく質:3.1g
・脂質:0.3g 
・炭水化物:6.4g
・カリウム:290mg
・ビタミンD:0.3mg
・ビタミンB₁:0.13mg
・ビタミンB₂:0.21mg
・食物繊維総量:4.9mg
・食塩相当量:0g

出典:日本食品標準成分表2020版(八訂)

1.カルシウムの働きを助けて骨を作る「ビタミンD」

椎茸にはカルシウムの働きを助けるビタミンDが多く含まれています。ビタミンDはカルシウムの働きを助けることから、同様に丈夫な骨や歯を作るのに大切な栄養素です。カルシウムだけ摂取しても丈夫な骨や歯を作ることはできません。ビタミンDとともに摂取することが重要です。きのこ類に多く含まれているビタミンDは意識的に摂取しないと不足しがちとなります。椎茸を積極的に摂取して補いましょう。

2.おなかの調子を整える「食物繊維」

椎茸には、お腹の調子を整えるのに大切な食物繊維が豊富です。特に不溶性食物繊維が多く含まれていて、便秘改善や整腸作用があります。しっかりした繊維が特徴的で、よく噛んで食べる必要があることから食べすぎを防ぎダイエット効果も期待できるでしょう。

3.栄養の代謝に必要な「ビタミンB群」が豊富

椎茸には、身体の調子を整えるなどの様々な役割のあるビタミンB群が豊富に含まれています。椎茸には8種類あるビタミンB群のうち7種類が含まれていてバランスが良い食材です。

ビタミンB₁やB₂、ナイアシンなどは栄養素の消化吸収を助ける働きがあります。疲労の改善や皮膚の代謝に必要な成分でもありますが、ビタミンB群は水溶性で身体にため込むことができません。毎食摂取することが大切なので、椎茸をはじめきのこ類を食べることが大切です。

4.椎茸だけに含まれる「エリタデニン」

エリタデニンは悪玉コレステロール値を下げて血流を良くする働きがあり、動脈硬化やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病を防ぐ効果が期待できます。エリタデニンは椎茸から発見された成分です。きのこ類の中でも椎茸とマッシュルームのみ含まれます。椎茸は、ダイエットや血圧の高い方におすすめの食材です。

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