この記事では、異字同訓(いじどうくん)の言葉である「現れる」と「表れる」の違いについてみていきます。両方とも「あらわれる」と読み、日常的によく使う言葉ですが、どうやって使い分けたらいいのかギモンに思ったことはないでしょうか。この2つ、意味も非常によく似ていて明確な線引きが難しく、混同されることがすごく多のです。今回は「現れる」と「表れる」の違いを、「顕(あらわ)れる」との使い分けも併せて確認しつつ、主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。

「現れる」と「表れる」の違いは?

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「現れる」と「表れる」のように、異なる漢字でありながら、訓読みが同じになるものを異字同訓と呼びます。この2つ、意味もよく似ているので、使い分けがわからない、今まで何となく使い分けていたという人も多いのではないでしょうか。

ざっくりというと、「現れる」は形がある物理的なもの、「表れる」は内面的で抽象的なものに対して使います。それでは、詳しくみていきましょう

「現れる」の意味と使い方

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「現れる」はどのような意味で使うのでしょうか。「現実」や「現物」などの言葉があるように、”現”という漢字は「そこに見えて存在する」ことを表します。それを踏まえて、意味と使い方を詳しくみていきましょう。

「現れる」の意味

「現れる」には、次のような意味があります。

1.今までなかったものが姿を見せる。
2.隠れていたものが際立って見えてくる。知れわたる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「あらわれる【現れる】」

「現れる」の使い方

「現れる」は、それまで隠れていたものが目に見えるようになったときに使います。人やものなど物理的なもの、実際に目で見えて形がわかるものに対して使うというのがポイントです。

\次のページで「「表れる」の意味と使い方」を解説!/

雲間から太陽が現れる。
人気のアイドルがあそこの居酒屋に現れたらしい。
苦しい状況に皆が諦めた瞬間、救世主が現れた。

また、実物がないものであっても、「隠れていたものが際立ち、広く知れ渡るようになる」ときには「現れる」を使います。例えば、「真価が世に現れる」や「本性が現れた」というように、それまでは認識されていなかったもの、見えていなかったものがはっきりしたときは「現れる」。この場合は特にどちらの漢字を使うか迷いやすいので、しっかりと覚えておくようにしましょう。

「表れる」の意味と使い方

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「表れる」はどのようなときに使うのでしょうか。意味と使い方を確認していきましょう。

「表れる」の意味

「表れる」には、次のような意味があります。

隠れていたものが表面に出てくる。感情・思想などが表面から知られる状態になる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「あらわれる【表れる】」

「表れる」の使い方

「表れる」は、人の感情や思考など内面的なものが表に出るときに使います。実際には形のない、抽象的なものに対して使うというのがポイントです。

\次のページで「どちらも使える場合も!」を解説!/

先ほど彼女に会ったが、上機嫌であるのが言葉の節々に表れていた。
気持ちは隠そうとしても表情や態度に表れる。
その年は、至るところに不景気の影響が表れていた。
それまでの練習の成果が結果として表れる。

「表れる」は、抽象的なものが何か別のものを経由して表に出てくることを意味するときに多く使う表現です。感情に限らず、「ランキングに表れる」や「数字に表れる」など客観的な事実として表に出るときに幅広く使われます。

どちらも使える場合も!

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「現れる」と「表れる」、どちらを使っても問題ないものもあります。例えば、「効果があらわれる」「症状があらわれる」という場合。これらの場合は、それまでなかったものが目に見える形になるということも、内面的にあったものが表に出てくるということも、両方考えうるのでどちらを用いても間違いではないとされています。

「顕れる」との違いは?

「顕れる」には、次のような意味があります。

\次のページで「「現れる」と「表れる」は対象によって使い分けよう!」を解説!/

公になる。発覚する。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「あらわれる【顕れる】」

「顕れる」は、「悪事が顕れる」というように、「誰からもはっきりとわかる」状態になるときに使います。「顕れる」に関しては常用外の読み方であり、なかなか使う機会はないかもしれませんが、「現れる」や「表れる」の異字同訓として押さえておきましょう。

「現れる」と「表れる」は対象によって使い分けよう!

「現れる」は目に見える物理的なもの、「表れる」は内面にある抽象的なものに使われる傾向があるということがわかりましたね。両者違いはありますが、実際は明確な線引きが難しい言葉でもあります。定義の違いを確認し、話の焦点や主語がどこにあるのかを意識して使い分けてみましょう!

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3分でわかる!「現れる」と「表れる」の違い!「顕れる」との違いや使い方も主婦ライターが詳しくわかりやすく解説

この記事では、異字同訓(いじどうくん)の言葉である「現れる」と「表れる」の違いについてみていきます。両方とも「あらわれる」と読み、日常的によく使う言葉ですが、どうやって使い分けたらいいのかギモンに思ったことはないでしょうか。この2つ、意味も非常によく似ていて明確な線引きが難しく、混同されることがすごく多のです。今回は「現れる」と「表れる」の違いを、「顕(あらわ)れる」との使い分けも併せて確認しつつ、主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。

「現れる」と「表れる」の違いは?

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「現れる」と「表れる」のように、異なる漢字でありながら、訓読みが同じになるものを異字同訓と呼びます。この2つ、意味もよく似ているので、使い分けがわからない、今まで何となく使い分けていたという人も多いのではないでしょうか。

ざっくりというと、「現れる」は形がある物理的なもの、「表れる」は内面的で抽象的なものに対して使います。それでは、詳しくみていきましょう

「現れる」の意味と使い方

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「現れる」はどのような意味で使うのでしょうか。「現実」や「現物」などの言葉があるように、”現”という漢字は「そこに見えて存在する」ことを表します。それを踏まえて、意味と使い方を詳しくみていきましょう。

「現れる」の意味

「現れる」には、次のような意味があります。

1.今までなかったものが姿を見せる。
2.隠れていたものが際立って見えてくる。知れわたる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「あらわれる【現れる】」

「現れる」の使い方

「現れる」は、それまで隠れていたものが目に見えるようになったときに使います。人やものなど物理的なもの、実際に目で見えて形がわかるものに対して使うというのがポイントです。

\次のページで「「表れる」の意味と使い方」を解説!/

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