この記事では、メープルシロップの栄養と効能について解説していきます。パンケーキやワッフルにかけて食べることが多いメープルシロップは、甘くておいしいだけではなく、栄養豊富で体にうれしい効能がたくさんあることを知っているでしょうか?今回はそんなメープルシロップの栄養や効能に加えて、よく比較されるハチミツとの違いや食べるときの注意点なども管理栄養士の宮本ゆかと一緒に解説していきます。

ライター/宮本ゆか

町役場とドラッグストアでの管理栄養士を経て、フリーランスの管理栄養士兼Webライターへ。趣味はオーガニックの食材で料理をつくること。食に関する知識をいかし、わかりやすく解説していきます。

メープルシロップの特徴

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パンケーキにかけて食べることでおなじみのメープルシロップ。メープルシロップは、カエデの樹液を原料として作られている甘いシロップです。メープルシロップといえばカナダというイメージを持っている人も多いかもしれません。そのイメージ通り、カナダは世界最大のメープルシロップ生産国で、全世界に流通しているメープルシロップの70%はカナダ産だそうです。

メープルシロップの栄養と効能

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ここからは、メープルシロップにはどんな栄養が含まれているのかを解説していきます。メープルシロップには体によい効能がたくさんありますよ。一緒にくわしく見ていきましょう。

1.抗酸化作用がある「ポリフェノール」

メープルシロップには、ポリフェノールという色素成分が含まれています。ポリフェノールには、老化やストレスで過剰につくられてしまった活性酸素を抑えるはたらき(抗酸化作用)がありますよ。活性酸素は過剰になると細胞にダメージを与え病気を引きおこす可能性も。ポリフェノールの抗酸化作用には、アンチエイジング効果や動脈硬化予防といったうれしい効果が認められています。

2.歯や骨を強化する「カルシウム」

メープルシロップにはカルシウムも豊富に含まれています。カルシウムは歯や骨を強くするミネラルとしてよく知られていますね。カルシウムが不足すると、骨が弱くなり骨粗しょう症を引きおこすことも。そうならないためにも、カルシウムが多い食品を毎日の食生活にとり入れることが大切です。

3.血圧上昇を抑える「カリウム」

血圧が気になる方は、メープルシロップがおすすめです。メープルシロップには、血圧の上昇を抑える効果があるカリウムとうミネラルが多く含まれています。カリウムは浸透圧の作用により、過剰なナトリウムを体外へ排出し、血圧を正常に保つ働きが認められていますよ。また、カリウムは神経の伝達や筋肉の働きなどにも関係しているので、体に欠かすことができない栄養素です。

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4.貧血を予防する「鉄」

メープルシロップはミネラルの一つである鉄も豊富です。鉄は不足すると、体のだるさや、めまい、立ちくらみ、動悸といった貧血の症状を引きおこすことも。とくに女性は、月経やホルモンバランスの乱れにより貧血になりやすいので、注意が必要です。

5.味覚を正常に保つ「亜鉛」

メープルシロップには、味覚を正常に保つために必要な亜鉛というミネラルが含まれています。亜鉛は舌や上顎にある味細胞の新陳代謝に関わっているため、亜鉛が不足すると、味覚を感じにくくなるそうです。そのほかにも、亜鉛は免疫反応にも関与しているので、亜鉛を十分にとることで、風邪予防にもつながります

6.代謝をサポートする「マンガン」

メープルシロップには、マンガンというミネラルも豊富に含まれています。あまり聞きなじみのない栄養素かもしれませんが、体を維持するためには不可欠な栄養素です。マンガンは主に脂質や糖質の代謝において重要な役割を担っています。また、骨や皮膚の代謝のサポートもしているそうです。

メープルシロップとハチミツの違いは?

メープルシロップとよく似ているハチミツ。実はメープルシロップとハチミツは大きな違いがありますよ。ここでは、メープルシロップとハチミツの違いを、栄養面から見ていきましょう。

メープルシロップとハチミツを比べた場合、メープルシロップはハチミツよりもミネラルが豊富なことが特徴です。カルシウムはハチミツの約3.5倍、カリウムは約18倍ともいわれています。また、メープルシロップはハチミツよりも低カロリーで低糖質。ダイエット中の方は、ハチミツよりもメープルシロップを使うことをおすすめします。

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メープルシロップの注意点

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ここからは、メープルシロップの注意点について見ていきましょう。栄養豊富なメープルシロップでも、食べすぎには注意が必要です。そのほかにも、妊婦や授乳婦の場合は食べてもよいのか、子どもはいつから食べてもいいのか、メープルシロップ尿症との関係性はあるのかといった疑問に対しても、くわしく解説していきます。

食べすぎるとどうなるの?

メープルシロップとハチミツの違いで、メープルシロップは低カロリーで低糖質とご紹介しましたが、それでもメープルシロップを食べすぎると糖質の過剰摂取となり、肥満や糖尿病といった生活習慣のリスクが高くなります。メープルシロップの食べすぎは控えましょう。

妊娠中や授乳中でも食べて大丈夫?

妊娠中や授乳中にメープルシロップを食べても問題ありません。メープルシロップはカルシウムやカリウム、亜鉛、マンガンなどのミネラルが豊富な上に、妊娠中や授乳中に不足しやすい鉄も多く含まれているので、積極的にとり入れるとよいでしょう。ただし、先ほど解説したように食べすぎは肥満や糖尿病を引き起こす可能性も。食べすぎに注意しながらとり入れてみてくださいね。

子どもにはいつから与えてもいいの?

子どもにメープルシロップを与える場合は生後10か月を過ぎたころを目安にするとよいでしょう。ハチミツは乳児ボツリヌス症の心配があるため、生後1歳までは食べさせないようする必要がありますが、メープルシロップは乳児ボツリヌス症の心配はありません。メープルシロップは甘味が強く、与えすぎると虫歯になるので注意が必要です。与えるときは、風味づけ程度にしておきましょう。

メープルシロップ尿症と関係あるの?

メープルシロップとメープルシロップ尿症の直接的な関係はありませんメープルシロップ尿症は、分岐鎖アミノ酸の先天性代謝異常症ですので、メープルシロップを食べたことによって起こる病気ではありません。メープルシロップ尿症の乳児の尿のにおいが、メープルシロップの甘いにおいと似ていることから、このような病名がついたそうです。

栄養豊富なメープルシロップをとり入れて健康を維持しよう

この記事では、メープルシロップの栄養と効能や注意点について解説しました。メープルシロップは栄養豊富で、体にうれしい効能がたくさんあることを知っていただけたと思います。また、ハチミツと比べた場合、ミネラルが豊富で低カロリー・低糖質であることもわかりましたね。メープルシロップは食べすぎに気をつければ、とても健康的な食材ですので、積極的に毎日の食生活にとり入れてみてください。

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簡単でわかりやすい!メープルシロップの栄養と効能は?ハチミツとの違いや注意点もフリーランスの管理栄養士が詳しく解説

この記事では、メープルシロップの栄養と効能について解説していきます。パンケーキやワッフルにかけて食べることが多いメープルシロップは、甘くておいしいだけではなく、栄養豊富で体にうれしい効能がたくさんあることを知っているでしょうか?今回はそんなメープルシロップの栄養や効能に加えて、よく比較されるハチミツとの違いや食べるときの注意点なども管理栄養士の宮本ゆかと一緒に解説していきます。

ライター/宮本ゆか

町役場とドラッグストアでの管理栄養士を経て、フリーランスの管理栄養士兼Webライターへ。趣味はオーガニックの食材で料理をつくること。食に関する知識をいかし、わかりやすく解説していきます。

メープルシロップの特徴

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パンケーキにかけて食べることでおなじみのメープルシロップ。メープルシロップは、カエデの樹液を原料として作られている甘いシロップです。メープルシロップといえばカナダというイメージを持っている人も多いかもしれません。そのイメージ通り、カナダは世界最大のメープルシロップ生産国で、全世界に流通しているメープルシロップの70%はカナダ産だそうです。

メープルシロップの栄養と効能

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ここからは、メープルシロップにはどんな栄養が含まれているのかを解説していきます。メープルシロップには体によい効能がたくさんありますよ。一緒にくわしく見ていきましょう。

1.抗酸化作用がある「ポリフェノール」

メープルシロップには、ポリフェノールという色素成分が含まれています。ポリフェノールには、老化やストレスで過剰につくられてしまった活性酸素を抑えるはたらき(抗酸化作用)がありますよ。活性酸素は過剰になると細胞にダメージを与え病気を引きおこす可能性も。ポリフェノールの抗酸化作用には、アンチエイジング効果や動脈硬化予防といったうれしい効果が認められています。

2.歯や骨を強化する「カルシウム」

メープルシロップにはカルシウムも豊富に含まれています。カルシウムは歯や骨を強くするミネラルとしてよく知られていますね。カルシウムが不足すると、骨が弱くなり骨粗しょう症を引きおこすことも。そうならないためにも、カルシウムが多い食品を毎日の食生活にとり入れることが大切です。

3.血圧上昇を抑える「カリウム」

血圧が気になる方は、メープルシロップがおすすめです。メープルシロップには、血圧の上昇を抑える効果があるカリウムとうミネラルが多く含まれています。カリウムは浸透圧の作用により、過剰なナトリウムを体外へ排出し、血圧を正常に保つ働きが認められていますよ。また、カリウムは神経の伝達や筋肉の働きなどにも関係しているので、体に欠かすことができない栄養素です。

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