この記事では、「尋ねる」と「訊ねる」の違いについてみていきます。どちらも「たずねる」と読み、「人に質問する」という意味でよく使われるのは知っていますね。基本的には同じように使われるこの2つの言葉ですが、ニュアンスが少し違うみたいです。今回は「尋ねる」と「訊ねる」の違いを、意味や使い方も確認しつつ、文学好きの主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。

「尋ねる」と「訊ねる」の違いは?

「尋ねる」と「訊ねる」のように、訓読みは同じでも漢字が異なるものを「同訓異字(どうくんいじ)」と呼びます

この2つ、基本的には同じ意味で使い方もよく似ていますが、「訊ねる」の方が比較的強いニュアンスで使われます。実は、”訊”は常用漢字ではないため、「訊ねる」はあまり使わないという方も多いかもしれません。しかし、文章の中で出てきたときなど、「尋ねる」との違いを理解しておくと、より理解が深まるのではないでしょうか。それでは、1つずつ詳しくみていきましょう。

「尋ねる」の意味と使い方

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「尋ねる」は、日常でもよく使う言葉なので、どのように使うかイメージしやすいかもしれませんね。改めて、意味と使い方を確認していきましょう。

「尋ねる」の意味

「尋ねる」には、次のような意味があります。

1.所在のわからないものなどを探求する。追求する。
2.物事のおおもとなどを明らかにしようと調べたり考えたりする。
3.わからないことを人に聞く。質問する。問う。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「たずねる【尋ねる】」

「尋ねる」の使い方

「尋ねる」の”尋”は、もともと「わからない寸法をさぐる」という意味がある漢字です。そこから先に挙げた3つの意味で使われるようになりました。その中でも、「わからないことを人に聞く・質問する」という意味で使われることが多いです。「…(人)を尋ねる」という形で使う場合は、所在のわからない人を探しに行くときに使います。

\次のページで「「訊ねる」の意味と使い方」を解説!/

中学生のときにお世話になった恩師を尋ねて故郷へ帰る。
その祭りが誕生した由縁を尋ねて発祥の地へ行った。
初めての場所で目的地までの行き方を人に尋ねる。
彼女は迷子の子供に名前を尋ねた。

「訊ねる」の意味と使い方

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「訊ねる」は、日常的にはあまり使わない言葉なので、用例などはイメージしにくいかもしれません。詳しくみていきましょう。

「訊ねる」の意味

「訊ねる」には、次のような意味があります。

1.とう。逃げ口上を考えるひまを与えないように、口早に問いただす。広く、罪をせめとう。罪をとがめたずねる。また、たずねる。質問をする。
2.たより。てがみ。

出典:漢字源(学研)「訊」

「訊ねる」の使い方

「訊ねる」の”訊”は「言+卂(飛の一部)」で成り立っており、もともとの意味は「すばやく次から次へと問うこと」。転じて、「問いただすこと」という意味で使われるようになりました。「尋ねる」と使い方はよく似ていますが、「尋ねる」よりも強い表現として使われることが多いです。

容疑者に犯行の動機を訊ねる。
裁判官が被告人にその事件の真偽を訊ねる。
警察官が公園にいた男に職業などを訊ねていた。
母親が弟に門限を破った理由を訊ねている。

\次のページで「「訪ねる」との違いは?」を解説!/

「訪ねる」との違いは?

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「たずねる」と読む漢字には、他に「訪ねる」というものもありますね。「訪ねる」には、次のような意味があります。

会うためにその人のいる所に行く。ある目的があってわざわざその場所へ行く。訪問する。おとずれる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「訪ねる【たずねる】」

「訪ねる」は、「ある目的のためにその場所へ行く」ときに使う言葉。例えば、「弔事のために叔母を訪ねた。」や「家族旅行では、観光のために北海道を訪ねる予定だ。」など、「…(人や場所)を訪ねる」の形で使います

「尋ねる」も「…(人や場所)を尋ねる」の形で使うことがありますが、「訪ねる」は所在のはっきりしている場所や人のもとへ行くのに対し、「尋ねる」は所在のわからないものを探しに行くという意味です。「尋ねる」と「訪ねる」は意味が明確に違うので、しっかりと区別できるようにしておきましょう。

「尋ねる」と「訊ねる」は基本的には同じ!

「尋ねる」と「訊ねる」は、基本的には同じ意味で使われますが、聞き方の強さが違うということがわかりました。一般的に人に何かを聞くときには、「尋ねる」を使うとよいでしょう。「訪ねる」に関しては「尋ねる」や「訊ねる」とは違う意味で使われる言葉なので、明確に区別できるようにしておきましょう。

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雑学

3分でわかる!「尋ねる」と「訊ねる」の違い!「訪ねる」との違いや使い方も主婦ライターが詳しくわかりやすく解説

この記事では、「尋ねる」と「訊ねる」の違いについてみていきます。どちらも「たずねる」と読み、「人に質問する」という意味でよく使われるのは知っていますね。基本的には同じように使われるこの2つの言葉ですが、ニュアンスが少し違うみたいです。今回は「尋ねる」と「訊ねる」の違いを、意味や使い方も確認しつつ、文学好きの主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。

「尋ねる」と「訊ねる」の違いは?

「尋ねる」と「訊ねる」のように、訓読みは同じでも漢字が異なるものを「同訓異字(どうくんいじ)」と呼びます

この2つ、基本的には同じ意味で使い方もよく似ていますが、「訊ねる」の方が比較的強いニュアンスで使われます。実は、”訊”は常用漢字ではないため、「訊ねる」はあまり使わないという方も多いかもしれません。しかし、文章の中で出てきたときなど、「尋ねる」との違いを理解しておくと、より理解が深まるのではないでしょうか。それでは、1つずつ詳しくみていきましょう。

「尋ねる」の意味と使い方

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「尋ねる」は、日常でもよく使う言葉なので、どのように使うかイメージしやすいかもしれませんね。改めて、意味と使い方を確認していきましょう。

「尋ねる」の意味

「尋ねる」には、次のような意味があります。

1.所在のわからないものなどを探求する。追求する。
2.物事のおおもとなどを明らかにしようと調べたり考えたりする。
3.わからないことを人に聞く。質問する。問う。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「たずねる【尋ねる】」

「尋ねる」の使い方

「尋ねる」の”尋”は、もともと「わからない寸法をさぐる」という意味がある漢字です。そこから先に挙げた3つの意味で使われるようになりました。その中でも、「わからないことを人に聞く・質問する」という意味で使われることが多いです。「…(人)を尋ねる」という形で使う場合は、所在のわからない人を探しに行くときに使います。

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