「ルバーブ」とはシベリア原産の大型の植物で、細長い葉柄を食用とする野菜です。ルバーブには赤色や緑色、またはそのグラデーションなどのバリエーションがありますが、色の違いが示す特徴を知っているでしょうか?ルバーブの色は意外に奥が深いんです。今回の記事では、ルバーブの旬や産地・種類など、「ルバーブの育ち方と選び方」に関わる知識を果物大好きパティシエのmei.mと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。ルバーブは、クリームチーズと合わせてタルトが美味しい!

ルバーブの旬

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ルバーブの収穫時期は主に4月~9月、特に旬は6月です。長野県だと4月下旬~10月上旬頃、北海道では5月の初め~9月頃と少し短くなりますよ。地域によりますが、ルバーブの収穫は春と初夏の2回、または、それにプラス秋と3回行われます。また、ルバーブは多年草なので、収穫時期を終えて、冬が近づき日照時間が短くなると休眠するそうです。

収穫時期による違い

収穫期は春~秋と長く感じるかもしれませんが、常に同じものが採れるのではなく、収穫のタイミングによって、ルバーブの状態が変化します。では、収穫時期によってどのような違いがあるのでしょうか。特徴を以下にまとめました。

収穫初めの時期(春):緑色で香りが良い。太めで酸味が少し強く、肉質が柔らかい。収穫量が少ない。
収穫終わりの時期(秋):赤色で細め。酸味が控えめで、ソフトな口あたり。

旬が6月とされているように、夏を越える前のルバーブの方が美味しいようです。収穫時期の状態によって、同じレシピでも調理の仕上がりが変わってくるのも面白いところ。加工する場合は、その時々のルバーブによって、甘みや加熱時間を調整しながら作りましょう。

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国内のルバーブ産地

原産地がシベリアのルバーブは、涼しい地域で栽培されます。国内では、主に涼しい高地のある長野県北海道での栽培が有名です。生産高1位は、日本に初めてルバーブが導入された長野県。特に日本一の生産高を誇る富士見町は標高1000mの高原地帯で、富士見町駅はJR本線でも一番高所にある駅だそうですよ。とても涼しいことが分かりますね!

世界のルバーブ栽培

世界では、北米と北ヨーロッパを中心に、いたるところで栽培されています。多年草であり、気温が30度を超えない地域だと比較的簡単に育てられるようです。生産量世界一はヨーロッパの北東部に位置するバルト三国と言われています。ヨーロッパ、とくにイギリスではルバーブは「春を告げる野菜」としてポピュラーな野菜であり、家庭菜園でも栽培されているそうですよ。

軟化栽培のフォースト・ルバーブ

イギリスやアメリカでは、ルバーブは露地栽培のほかに、「軟化栽培」と呼ばれる温室での栽培方法があります。日が当たらない軟化栽培で育てられたルバーブは鮮やかな赤色になり、露地栽培よりも甘く柔らかくなるそうです。軟化栽培のルバーブは特に「フォースト・ルバーブ」と呼ばれ、冬の一時期のみ出回り、親しまれています。

ルバーブはどこで買えるの?

日本ではあまり馴染みのない野菜なので、どこで売っているか悩む方もいるのではないでしょうか?流通量はそんなに多くありませんが、もちろん手に入りますよ!

生のルバーブを購入する場合は、旬の時期百貨店通信販売・生産地の直売所などで販売されてます。旬の時期以外には、短くカットした輸入品や国産品などを、冷凍して販売されているものがありますね。また、ジャムやお菓子などの加工品は、旬の時期を中心に、生産地の直売所や通信販売はもちろんのこと、百貨店自然食品店・洋菓子店などで見かけることが出来ますよ。

ルバーブの種類

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ルバーブには、濃い赤色や緑色、赤と緑のグラデーションなど、様々な色味のバリエーションがありますが、大きく分けて「赤色系」「緑色系」2種類です。品種は数十種類があると言われており、どちらの色のルバーブになるかは、その品種や栽培環境などによって変わります。どちらも強い酸味がありますが、味わいが少し異なりますよ。もちろんジャムなどの仕上がりの食感や味、色にも差が出てきます。

ルバーブの赤色は見た目もきれいですが、どちらの方が美味しいかは好みが分かれるところです。ぜひ食べ比べてみてください。

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1.緑色系ルバーブの特徴

有名な品種は「ヴィクトリア」など。葉柄・葉共に大きく育ち、低地での栽培が可能なルバーブです。赤色に比べ、香りや風味が強めで、肉質が柔らかいのが特徴。アントシアニンも含まれますが、その量は少量です。

2.赤色系ルバーブの特徴

有名な品種は「クリムゾン・レッド」「カーウッド・ディライト」「スタークリムゾン」など。緑色のルバーブに比べて、全体的に小さめ収穫量が少なく高原地帯でないと栽培が難しい希少な品種です。

ジャムなどの仕上がりがきれいなため、好まれることが多いですが、緑色に比べて繊維質が多く香りがやや弱いと言われています。色味の元はアントシアニンで、その含有量が多く、特に赤色が濃く出る品種もありますよ。

ジャムなどに加工する場合、仕上がりの色は鮮やかに出来上がる「赤色系」風味は酸味と香りが引き立って柔らかい「緑色系」が、それぞれ好まれる傾向にあるとか。ぜひ、食べ比べてみたいですね!

ルバーブの選び方

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ルバーブは採り立てですぐに食べられる野菜なので、販売されている状態が一番の食べ頃です。出来るだけ新鮮なものを選ぶと良いでしょう。また、色の違いは、風味の差こそあるものの「新鮮さ」の指標ではないため、好みの方を選んでくださいね。では、新鮮なルバーブの見分け方を詳しく解説していきましょう。

良いルバーブってどんなもの?

新鮮で良いルバーブは、全体的にハリがあってみずみずしいものです。赤色系なら、赤色がより鮮やかなものが◎。葉柄全体を確認し、さらに、切り口の断面にも注目しましょう。切り口が、出来るだけ切りたてに近いものが新鮮で良いですね。葉は付いていても食べられないので、無いまま売られているのが一般的です。

こんなルバーブは避けよう

最後に、状態の良くないルバーブの特徴を見てみましょう。ルバーブは傷んでくると茶色く変色し、水分が抜けて柔らかくなります。葉柄全体を見て、変色していたり、しおれているルバーブは避けましょう。また、切り口もよく確認して。茶色くなっていたり、傷み始めているものも新鮮さに欠ける証拠ですよ。

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赤・緑の2色のルバーブ!それぞれの特徴を季節と共に楽しもう!

収穫時期や栽培方法、そして品種の影響を受けながら、太く・細く、そして赤色・緑色に、生態は強壮ながら繊細に姿を変えるルバーブ。イギリスでは、「フォースト・ルバーブ」の赤色が冬の風物詩であるように、季節感が豊かに映り込む野菜ですね。日本ではまだまだ隠れた野菜ですが、次の春はルバーブと共に季節を追って、違いを食べ比べてみてはいかかでしょうか。

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ルバーブの赤や緑の違いとは?良品の選び方や旬・産地・種類も果物大好きパティシエが詳しくわかりやすく解説

「ルバーブ」とはシベリア原産の大型の植物で、細長い葉柄を食用とする野菜です。ルバーブには赤色や緑色、またはそのグラデーションなどのバリエーションがありますが、色の違いが示す特徴を知っているでしょうか?ルバーブの色は意外に奥が深いんです。今回の記事では、ルバーブの旬や産地・種類など、「ルバーブの育ち方と選び方」に関わる知識を果物大好きパティシエのmei.mと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。ルバーブは、クリームチーズと合わせてタルトが美味しい!

ルバーブの旬

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ルバーブの収穫時期は主に4月~9月、特に旬は6月です。長野県だと4月下旬~10月上旬頃、北海道では5月の初め~9月頃と少し短くなりますよ。地域によりますが、ルバーブの収穫は春と初夏の2回、または、それにプラス秋と3回行われます。また、ルバーブは多年草なので、収穫時期を終えて、冬が近づき日照時間が短くなると休眠するそうです。

収穫時期による違い

収穫期は春~秋と長く感じるかもしれませんが、常に同じものが採れるのではなく、収穫のタイミングによって、ルバーブの状態が変化します。では、収穫時期によってどのような違いがあるのでしょうか。特徴を以下にまとめました。

収穫初めの時期(春):緑色で香りが良い。太めで酸味が少し強く、肉質が柔らかい。収穫量が少ない。
収穫終わりの時期(秋):赤色で細め。酸味が控えめで、ソフトな口あたり。

旬が6月とされているように、夏を越える前のルバーブの方が美味しいようです。収穫時期の状態によって、同じレシピでも調理の仕上がりが変わってくるのも面白いところ。加工する場合は、その時々のルバーブによって、甘みや加熱時間を調整しながら作りましょう。

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