この記事では「力に余る」について解説する。

端的に言えば力に余るの意味は「自分の力以上のこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「力に余る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「力に余る」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「力に余る」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他分類としては日本語の慣用句であるという点もおさえておきましょう。

「力に余る」の意味は?

「力に余る」というキーワードを精選国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.自分の力以上のことである。手に負えない。力が及ばない。「今度の任務は―・る」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「力に余る」

「力に余る」は自分の力以上であること、手に負えないことを意味する言葉です。手掛ける物事が、自分の力量以上のことで処理しかねる。「力に余る」はこうした意味を表す言葉となっています。力が足りず処理できないというニュアンスに注意して覚えておきましょう。

「力に余る」は書籍・新聞等の文章中のほか、口語においても時折使われています。現在は同じ意味を表す「手に余る」がより一般的に使われているため、こちらの点についても注意しておきましょう。この機会に「力に余る」の意味・用法を覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「力に余る」の語源は?

次に語源を確認しておきましょう。残念ながら「力に余る」の語源は現在はっきりとはしていません。語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて「力に余る」がいつ頃から使われだした言葉であるのかという点についても確認しておきましょう。

1921年の蘭学事始には「価は、二十五人扶持の彼に取っては、力に余る三両と云ふ大金だった」として、この言葉が登場しています。このことから「力に余る」は非常に古くから現在と同じ意味で使われていた言葉であることがわかりますね。こちらの点についても、あわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「力に余る」の使い方・例文」を解説!/

「力に余る」の使い方・例文

「力に余る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.今回の仕事は、自分一人の力に余る。
2.あのクラスの生徒たちは、自分の力に余る。
3.まだ入社したばかりの自分には、力に余る仕事だ。

「力に余る」は例文のように、自分の力量以上のことで処理できないという意味を表して使われている言葉です。与えられた仕事が自分の力量ではこなせない内容で、処理しかねる。手に負えない生徒たちで、うまく指導することができない。「力に余る」はこうした場面の様子を表現する言葉となっています。

比較的古風な表現となっており、現在は同じ状況でより一般的に「手に余る」が使われているため、実際に使用する際は注意して使い分けていきましょう。例文から「力に余る」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「力に余る」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

続いて類義語・違いについて確認していきましょう。類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「力に余る」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「手に負えない」:自分の力では扱いきれない

「手に負えない」は自分の力では扱いきれない、処置に困るという意味をもった言葉です。こちらも自分の力以上のことで困ることを表す言葉となっており、「力に余る」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは現在も一般的に使用されている言葉であるため、こちらもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「その2「手に余る」:自分の力では及ばない」を解説!/

その2「手に余る」:自分の力では及ばない

「手に余る」は自分の力では及ばない、手に負えないことを意味する言葉です。こちらも自分の力以上で処理しかねることを表す言葉となっており、「力に余る」と非常によく似た意味をもった類義語となっています。こちらは使用頻度・細かいニュアンスが異なるため、違いに注意して使い分けていきましょう。

その3「始末に負えない(しまつにおえない)」:処理できない

「始末に負えない」はどうしようもない、処理できないことを表す言葉です。こちらも処理できないことを表す言葉となっており、「力に余る」と似た意味をもった類義語となっています。使用される場面・頻度が少し異なるため、こちらの点に注意して使い分けていきましょう。

その4「御手上げ(おてあげ)」:解決する手段がない

「御手上げ」は解決する手段がないこと、どうにもしようがないことを意味する言葉です。こちらも物事を解決できないことを表す言葉となっており、「力に余る」と似た意味をもった類義語となっています。両手を挙げて降参するというニュアンスをもっているため、こちらの点に注意して覚えておきましょう。

その5「手を焼く」:うまく処理できず困る

「手を焼く」はうまく処理できなくて困ることを意味する言葉です。こちらも処理できないことを表す言葉となっており、「力に余る」と似た意味をもった類義語となっています。「新人に手を焼く」など、扱いきれない人を指して使われることも多い表現となっているため、こちらの点に注意しましょう。

「力に余る」の対義語は?

image by iStockphoto

つづいて「力に余る」の対義語についても確認していきましょう。「力に余る」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「容易い(たやすい)」:わけなくできる

「容易い」はわけなくできる様子、簡単である様子を意味する言葉です。「力に余る」は、物事が自分の力量以上で処理できないことを表していたのに対し、こちらは物事がわけなくできる様子、簡単である様子を意味しています。対義語として、こちらの表現についても覚えておきましょう。

\次のページで「「力に余る」を使いこなそう」を解説!/

「力に余る」を使いこなそう

この記事では「力に余る」の意味・使い方・類語などを説明しました。「力に余る」は自分の力以上のことである、手に負えないという意味を表す慣用句です。与えられた仕事等が自分の力量以上のものであり、処理することができない。「力に余る」はこうした場面の様子を表現する言葉となっています。

また類義語には「手に負えない」、「手に余る」、「始末に負えない」、「御手上げ」、「手を焼く」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

" /> 【慣用句】「力に余る」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「力に余る」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「力に余る」について解説する。

端的に言えば力に余るの意味は「自分の力以上のこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「力に余る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「力に余る」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「力に余る」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他分類としては日本語の慣用句であるという点もおさえておきましょう。

「力に余る」の意味は?

「力に余る」というキーワードを精選国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.自分の力以上のことである。手に負えない。力が及ばない。「今度の任務は―・る」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「力に余る」

「力に余る」は自分の力以上であること、手に負えないことを意味する言葉です。手掛ける物事が、自分の力量以上のことで処理しかねる。「力に余る」はこうした意味を表す言葉となっています。力が足りず処理できないというニュアンスに注意して覚えておきましょう。

「力に余る」は書籍・新聞等の文章中のほか、口語においても時折使われています。現在は同じ意味を表す「手に余る」がより一般的に使われているため、こちらの点についても注意しておきましょう。この機会に「力に余る」の意味・用法を覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「力に余る」の語源は?

次に語源を確認しておきましょう。残念ながら「力に余る」の語源は現在はっきりとはしていません。語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて「力に余る」がいつ頃から使われだした言葉であるのかという点についても確認しておきましょう。

1921年の蘭学事始には「価は、二十五人扶持の彼に取っては、力に余る三両と云ふ大金だった」として、この言葉が登場しています。このことから「力に余る」は非常に古くから現在と同じ意味で使われていた言葉であることがわかりますね。こちらの点についても、あわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「力に余る」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: