この記事では「手に取るよう」について解説する。

端的に言えば手に取るようの意味は「明瞭に分かる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「手に取るよう」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「手に取るよう」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「手に取るよう」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「手に取るよう」は分類としては日本語の慣用句であるという点もおさえておきましょう。

「手に取るよう」の意味は?

「手に取るよう」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.きわめて近く、または明瞭に見えたり聞こえたりするさま。手に取るばかり。
2.たやすく事を運ぶさま。すぐにも実現しそうなさま。

出典:精選版 日本国語大辞典「手に取るよう」

「手に取るよう」はきわめて近く明瞭に見えたり聞こえる様子、または簡単に事が運ぶ様子、すぐにも実現しそうである様子を表す慣用句です。2種類の意味をもった慣用句となっているため、「手に取るよう」を見聞きした際はどちらの意味で使われているのか、前後の文脈に注意して読み取っていきましょう。

「手に取るよう」は書籍・新聞等の文章中のほか、口語においても時折使われている言葉となっています。現在は主に物事が明瞭に見えたり聞こえる様子を表す意味で使われているため、こちらの点に注意が必要です。この機会に「手に取るよう」の意味・用法を覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「手に取るよう」の語源は?

次に「手に取るよう」の語源を確認しておきましょう。「手に取るよう」という言葉は手の中にあるもののように、という意味となっており、自分の手の中にあるものの細部がよく分かるように、物事が明瞭に見えたり聞こえるということを表して生まれています。こちらのニュアンスも注意して覚えておきましょう。

また1678年の浄瑠璃・酒顛童子付頼光山入には「おにかみをも手の内に。にぎる程のつはものなれば。あっはれしさいは候まじと。只手に取やうにぞ申さるる」としてこの言葉が登場しています。このことから「手に取るように」は非常に古くから使われている言葉であることがわかりますね。こちらも覚えておきましょう。

\次のページで「「手に取るよう」の使い方・例文」を解説!/

「手に取るよう」の使い方・例文

「手に取るよう」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.相手が今なにを考えているのか、手に取るようにわかった。
2.上空から街を見ると、どの道がどこに繋がっているのか手に取るようにわかった。
3.しっかり医学を学んでいれば、人体がどういう仕組みで動いているのか手に取るように分かるようになる。

「手に取るよう」は例文のように、物事が明瞭に見えたり聞こえてはっきりと分かるという意味で使われています。物事がはっきり分かるというニュアンスに注意して覚えておくことが大切です。また「手に取るように分かる」という形で使われていることが多いため、こちらのフレーズについても覚えておきましょう。

簡単に事が運ぶ・すぐにも実現しそうであるという意味では現在はあまり使われておらず、古い書籍などに登場する際に使われていることがあります。古書等を読む際には、注意しましょう。例文から「手に取るよう」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「手に取るよう」の類義語は?違いは?

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続いて「手に取るよう」の類義語・違いについて確認していきましょう。「手に取るよう」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「手に取るよう」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「明瞭(めいりょう)」:はっきりとしている

「明瞭」ははっきりとしていること、またその様子を意味する言葉です。こちらもはっきりと分かる様子を意味している言葉となっており、「手に取るよう」と似た意味をもった類義語となっています。簡単に事が運ぶ様を表す意味はない点など、細かい意味の違いに注意して使い分けていきましょう。

\次のページで「その2「有り有り(ありあり)」:現実かのようにはっきりと見える」を解説!/

その2「有り有り(ありあり)」:現実かのようにはっきりと見える

「有り有り」ははっきりと外に現れる様子、またはまるで現実であるかのようにはっきりと見える様子を意味する言葉です。こちらもはっきりと見えることを意味している言葉となっており、「手に取るよう」と似た意味をもった類義語となっています。細かいニュアンス・使用頻度が異なるため、注意して覚えておきましょう。

その3「明明白白(めいめいはくはく)」:非常にはっきりしていて疑うところがない

「明明白白」は非常にはっきりとしていて、少しも疑わしいところがない様子を意味する言葉です。こちらもはっきりとしている様子を表す言葉となっており、「手に取るよう」と似た意味をもった類義語となっています。「明白」をさらに強調した言葉となっているため、こちらの点に注意して覚えておきましょう。

その4「鮮明(せんめい)」:鮮やかではっきりしている

「鮮明」は鮮やかではっきりとしている様子を意味する言葉です。こちらもはっきりとしている様子を意味している言葉となっており、「手に取るよう」と似た意味をもった類義語となっています。漢書においては、華やかで美しいという意味を表すため、こちらの点についても覚えておきましょう。

その5「確と(しかと)」:はっきりとしている

「確と」ははっきりとしている様子、確実で間違いがない様子を意味する言葉です。こちらもはっきりとしている様子を意味している言葉となっており、「手に取るよう」と似た意味をもった類義語となっています。他に、十分に・隙間なくといった意味もあるため注意して覚えておきましょう。

「手に取るよう」の対義語は?

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つづいて「手に取るよう」の対義語についても確認していきましょう。「手に取るよう」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「朧げ(おぼろげ)」:はっきりしない

「朧げ」ははっきりしない様子、不確かである様子を意味する言葉です。「手に取るよう」が物事が明瞭に見えたり聞こえたりし、はっきり分かる様子を表していたのに対し、こちらは物事がはっきりせず不確かであることを意味しています。対義語として、こちらの言葉についてもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「手に取るよう」を使いこなそう」を解説!/

「手に取るよう」を使いこなそう

この記事では「手に取るよう」の意味・使い方・類語などを説明しました。「手に取るよう」はきわめて近く明瞭に見えたり聞こえる様子、または簡単に事が運ぶ様子を表す言葉です。現在は基本的に、明瞭に見えたり聞こえたりし、物事がはっきり分かるという意味で使われている言葉となっています。

また類義語には「明瞭」、「有り有り」、「明明白白」、「鮮明」、「確と」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「手に取るよう」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「手に取るよう」について解説する。

端的に言えば手に取るようの意味は「明瞭に分かる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「手に取るよう」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「手に取るよう」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「手に取るよう」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「手に取るよう」は分類としては日本語の慣用句であるという点もおさえておきましょう。

「手に取るよう」の意味は?

「手に取るよう」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.きわめて近く、または明瞭に見えたり聞こえたりするさま。手に取るばかり。
2.たやすく事を運ぶさま。すぐにも実現しそうなさま。

出典:精選版 日本国語大辞典「手に取るよう」

「手に取るよう」はきわめて近く明瞭に見えたり聞こえる様子、または簡単に事が運ぶ様子、すぐにも実現しそうである様子を表す慣用句です。2種類の意味をもった慣用句となっているため、「手に取るよう」を見聞きした際はどちらの意味で使われているのか、前後の文脈に注意して読み取っていきましょう。

「手に取るよう」は書籍・新聞等の文章中のほか、口語においても時折使われている言葉となっています。現在は主に物事が明瞭に見えたり聞こえる様子を表す意味で使われているため、こちらの点に注意が必要です。この機会に「手に取るよう」の意味・用法を覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「手に取るよう」の語源は?

次に「手に取るよう」の語源を確認しておきましょう。「手に取るよう」という言葉は手の中にあるもののように、という意味となっており、自分の手の中にあるものの細部がよく分かるように、物事が明瞭に見えたり聞こえるということを表して生まれています。こちらのニュアンスも注意して覚えておきましょう。

また1678年の浄瑠璃・酒顛童子付頼光山入には「おにかみをも手の内に。にぎる程のつはものなれば。あっはれしさいは候まじと。只手に取やうにぞ申さるる」としてこの言葉が登場しています。このことから「手に取るように」は非常に古くから使われている言葉であることがわかりますね。こちらも覚えておきましょう。

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