この記事では「序でなし」について解説する。

端的に言えば序でなしの意味は「きっかけがない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「序でなし」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「序でなし」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「序でなし(ついでなし)」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「序でなし」は分類としては日本語の慣用句であるという点もおさえておきましょう。

「序でなし」の意味は?

「序でなし」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.その機会がない。きっかけがない。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「序で無し」

「序でなし」はその機会がない、きっかけがないという意味を表す慣用句です。事を始める時機、手がかりがない様子を表現する意味で使われています。また他にきっかけがなく、唐突・突然である様子を表す意味でも使われている場合があるため、こちらも覚えておきましょう。

「序でなし」は古語となっており、現在は基本的に使われていない言葉です。書籍・新聞等の文章中に使われています。口語においては使用されていないため、こちらの点も覚えておきましょう。この機会に「序でなし」の意味・用法を覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「序でなし」の語源は?

次に「序でなし」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「序でなし」の語源は現在はっきりとはしていません。「序でなし」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。またあわせて「序でなし」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても確認しておきましょう。

970~999年頃の宇津保物語には「女御の君の御はらのみこも、又御めもなくて、あて宮をとおぼせど、ついでなくてえきこえ給はぬを」としてこの言葉が登場しています。このことから「序でなし」は非常に古くから使われている言葉であることがわかりますね。こちらの点についても覚えておきましょう。

\次のページで「「序でなし」の使い方・例文」を解説!/

「序でなし」の使い方・例文

「序でなし」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.序でなく、まだ未婚のまま過ごしている。
2.序でなく、動くことはできない。
3.序でなくて、息子がふらりと帰省してきた。

「序でなし」は例文のように、その機会がないこと、きっかけがないことを表して使われている言葉です。「序でなし」は古語となっているため、一般的な場面では登場することがなく、古書などの限定的な場面でのみ見られる言葉となっています。実際に使用する際は、こちらの点に十分注意しておきましょう。

また古書等においては、「ついでなし」と漢字は使わず平仮名で書かれることが多いです。こちらの点についても注意して覚えておきましょう。例文から「序でなし」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「序でなし」の類義語は?違いは?

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続いて「序でなし」の類義語・違いについて確認していきましょう。「序でなし」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「序でなし」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「端緒(たんしょ)」:物事の手がかり

「端緒」は物事の手がかり、糸口という意味をもった言葉です。こちらも物事の手がかりに関する言葉となっており、「序でなし」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは物事のきっかけそのものを表す言葉となっており、細かい意味が異なるため注意して覚えておきましょう。

\次のページで「その2「糸口(いとぐち)」:きっかけ」を解説!/

その2「糸口(いとぐち)」:きっかけ

「糸口」はきっかけ、手がかりを意味する言葉です。こちらも物事のきっかけに関する言葉となっており、「序でなし」と似た意味をもった類義語となっています。他に糸の端、墨壺の墨糸を引き出す部分を表す意味ももっているため、こちらの違いに注意して使い分けていきましょう。

その3「発端(ほったん)」:物事の始まり

「発端」は物事の始まり、糸口を意味している言葉です。こちらも物事のきっかけに関する言葉となっており、「序でなし」と似た意味をもった類義語となっています。他に、心の底・胸中の奥深い所を表す意味ももっているため、こちらの違いに注意して覚えておきましょう。

その4「足掛り(あしがかり)」:物事を始める場合のきっかけ

「足掛かり」は物事をする場合のきっかけ、糸口を意味する言葉です。こちらも物事のきっかけに関する言葉となっており、「序でなし」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは他に、高いところを登る際の足場を表す意味もあるため、こちらの点に注意して覚えておきましょう。

その5「取っ掛り(とっかかり)」:物事を始める最初の手がかり

「取っ掛かり」は物事を始めること、物事を始める最初の手がかりを意味する言葉です。こちらも物事を始める手がかりに関する言葉となっており、「序でなし」と似た意味をもった類義語となっています。最初の手がかりを表し、最初を強調するニュアンスがあるため、こちらの点に注意して覚えておきましょう。

「序でなし」の対義語は?

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つづいて「序でなし」の対義語についても確認していきましょう。「序でなし」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「序で(ついで)」:そのことに利用できるよい機会

「序で」はそのことに利用できるよい機会を意味する言葉です。「序でなし」がその機会がないことを意味する言葉であったのに対し、こちらは利用できるよい機会があることを意味している言葉となっています。反対の意味を表す対義語として、こちらの表現についてもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「序でなし」を使いこなそう」を解説!/

「序でなし」を使いこなそう

この記事では「序でなし」の意味・使い方・類語などを説明しました。「序でなし」はその機会がないこと、きっかけがないことを意味する言葉です。現在は主に使われていない古語であるため、実際に自身で使用する際は用法に十分注意して使用していきましょう。

また類義語には「端緒」、「糸口」、「発端」、「足掛かり」、「取っ掛かり」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「序でなし」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

その2「糸口(いとぐち)」:きっかけ

「糸口」はきっかけ、手がかりを意味する言葉です。こちらも物事のきっかけに関する言葉となっており、「序でなし」と似た意味をもった類義語となっています。他に糸の端、墨壺の墨糸を引き出す部分を表す意味ももっているため、こちらの違いに注意して使い分けていきましょう。

その3「発端(ほったん)」:物事の始まり

「発端」は物事の始まり、糸口を意味している言葉です。こちらも物事のきっかけに関する言葉となっており、「序でなし」と似た意味をもった類義語となっています。他に、心の底・胸中の奥深い所を表す意味ももっているため、こちらの違いに注意して覚えておきましょう。

その4「足掛り(あしがかり)」:物事を始める場合のきっかけ

「足掛かり」は物事をする場合のきっかけ、糸口を意味する言葉です。こちらも物事のきっかけに関する言葉となっており、「序でなし」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは他に、高いところを登る際の足場を表す意味もあるため、こちらの点に注意して覚えておきましょう。

その5「取っ掛り(とっかかり)」:物事を始める最初の手がかり

「取っ掛かり」は物事を始めること、物事を始める最初の手がかりを意味する言葉です。こちらも物事を始める手がかりに関する言葉となっており、「序でなし」と似た意味をもった類義語となっています。最初の手がかりを表し、最初を強調するニュアンスがあるため、こちらの点に注意して覚えておきましょう。

「序でなし」の対義語は?

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つづいて「序でなし」の対義語についても確認していきましょう。「序でなし」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「序で(ついで)」:そのことに利用できるよい機会

「序で」はそのことに利用できるよい機会を意味する言葉です。「序でなし」がその機会がないことを意味する言葉であったのに対し、こちらは利用できるよい機会があることを意味している言葉となっています。反対の意味を表す対義語として、こちらの表現についてもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「序でなし」を使いこなそう」を解説!/

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