この記事では「目に掛かる」について解説する。

端的に言えば目に掛かるの意味は「見える」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「目に掛かる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「目に掛かる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「目に掛かる」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「目に掛かる」は分類としては日本語の慣用句であるという点もおさえておきましょう。

「目に掛かる」の意味は?

「目に掛かる」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.見える。目に留まる。目につく。→御目おめに掛かる

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目に掛かる」

「目に掛かる」は見える、目に留まる、目に付くという意味をもった慣用句です。また手前に「御」をつけ、「御目に掛かる」という形で、目上の人に会うことを表す意味ももっています。「目に掛かる」は書籍・新聞等の文章中のほか、口語においても使われている言葉です。

見える・目に留まる・目に付くという意味では現在はあまり使われておらず、ビジネスシーンなどで「御目に掛かる」の形でよく使われています。こちらの点についても注意して覚えておきましょう。この機会に「目に掛かる」の意味・用法を覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「目に掛かる」の語源は?

次に「目に掛かる」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「目に掛かる」の語源は現在はっきりとはしていません。「目に掛かる」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて「目に掛かる」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても確認しておきましょう。

平安時代後期の浜松中納言には「ただいもせのすぢに離れては、朝夕にめにかかりてすごしやらん事の胸いたくくるしきこと、日に添へてまさりゆくは」として、この言葉が登場しています。このことから「目に掛かる」は非常に古くから使われている言葉であることがわかりますね。こちらも覚えておきましょう。

\次のページで「「目に掛かる」の使い方・例文」を解説!/

「目に掛かる」の使い方・例文

「目に掛かる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.最近はどうも女房の良くないところばかり目に掛かる。
2.御目に掛かれて光栄です。
3.お初に御目に掛かります。

「目に掛かる」は例文のように、目に付く、目上の人に会うという意味で使われている言葉です。現在は基本的には「御目に掛かる」という形で、ビジネスシーンなどにおいて目上の人に会うことを指して使われることが多い表現となっているため注意しましょう。

古い書籍等においては、見える・目に留まる・目に付くという意味で使われていることもあります。古書等を読む際には、どの意味で使われているのか注意して読み取っていきましょう。例文から実際の使用場面をイメージし、「目に掛かる」という言葉を自身でも正しく使用することができるようにしていきましょう。

「目に掛かる」の類義語は?違いは?

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続いて「目に掛かる」の類義語・違いについて確認していきましょう。「目に掛かる」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「目に掛かる」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「目撃(もくげき)」:直接目で見ること

「目撃」は直接目で見ることを意味する言葉です。こちらも物を見ることを表す言葉となっており、「目に掛かる」と一部似た意味をもった類義語となっています。目に留まる・目に付くといった意味がない点など、細かい意味・用法に違いがあるため注意して使い分けていきましょう。

\次のページで「その2「目に入る」:自然に目に見える」を解説!/

その2「目に入る」:自然に目に見える

「目に入る」は自然に目に見えること、視野に入ることを意味する言葉です。こちらも物を見ることを意味する言葉となっており、「目に掛かる」と少し似た意味をもった類義語となっています。他に小さいこと・かわいらしいことを形容する意味ももっているため注意しましょう。

その3「見受ける」:目に留まる

「見受ける」は目に留まることを表す意味をもった言葉です。こちらも目に留まるという意味をもっており、「目に掛かる」と一部似た意味をもった類義語となっています。他に見て判断するという意味ももっているため、こちらの点に注意して使い分けていきましょう。

その4「目にする」:実際に自分の目で見る

「目にする」は実際に自分の目で見ることを意味する言葉です。こちらも目で見ることを表す意味をもっており、「目に掛かる」と似た意味をもった類義語となっています。目に留まる・目に付くといった意味はもっていないため、こちらの点に注意して使い分けていきましょう。

その5「目を向ける」:視線を向ける

「目を向ける」は視線を向ける、その方を見ることを意味する言葉です。こちらも目で見ることを表す言葉となっており、「目に掛かる」と似た意味をもった言葉となっています。他に、特定の見方で見るという意味ももっているため、こちらの違いに注意して使い分けていきましょう。

「目に掛かる」の対義語は?

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つづいて「目に掛かる」の対義語についても確認していきましょう。「目に掛かる」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「見落とす(みおとす)」:見ていながらそれに気づかずにいる

「見落とす」は見ていながらそれに気づかずにいることを意味する言葉です。「目に掛かる」が見えることや目に留まることを意味していたのに対し、こちらは見えていながら気づかないことを意味しています。対義語として、こちらの言葉についてもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「目に掛かる」を使いこなそう」を解説!/

「目に掛かる」を使いこなそう

この記事では「目に掛かる」の意味・使い方・類語などを説明しました。「目に掛かる」は見える、目に留まる、目に付くことを意味する慣用句です。また手前に「御」がつき「御目に掛かる」になると意味が大きく変わり、目上の人に会うことを表す言葉になるため、こちらの点に注意して覚えておきましょう。

また類義語には「目撃」、「目に入る」、「見受ける」、「目にする」、「目を向ける」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「目に掛かる」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「目に掛かる」について解説する。

端的に言えば目に掛かるの意味は「見える」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「目に掛かる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「目に掛かる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「目に掛かる」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「目に掛かる」は分類としては日本語の慣用句であるという点もおさえておきましょう。

「目に掛かる」の意味は?

「目に掛かる」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.見える。目に留まる。目につく。→御目おめに掛かる

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目に掛かる」

「目に掛かる」は見える、目に留まる、目に付くという意味をもった慣用句です。また手前に「御」をつけ、「御目に掛かる」という形で、目上の人に会うことを表す意味ももっています。「目に掛かる」は書籍・新聞等の文章中のほか、口語においても使われている言葉です。

見える・目に留まる・目に付くという意味では現在はあまり使われておらず、ビジネスシーンなどで「御目に掛かる」の形でよく使われています。こちらの点についても注意して覚えておきましょう。この機会に「目に掛かる」の意味・用法を覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「目に掛かる」の語源は?

次に「目に掛かる」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「目に掛かる」の語源は現在はっきりとはしていません。「目に掛かる」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて「目に掛かる」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても確認しておきましょう。

平安時代後期の浜松中納言には「ただいもせのすぢに離れては、朝夕にめにかかりてすごしやらん事の胸いたくくるしきこと、日に添へてまさりゆくは」として、この言葉が登場しています。このことから「目に掛かる」は非常に古くから使われている言葉であることがわかりますね。こちらも覚えておきましょう。

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