この記事では記入と記載の違いについてみていこう。2つとも紙面に書くことを表す熟語ですが、その書く内容や自筆に限るのか、公的な書類や書物ではどちらの言葉を使う方がふさわしいかといったことで細かな違いがみられる。実際にどちらを使ってよいか戸惑う人もいるでしょう。今回は書くことについての2つの熟語の違いを文学部卒のライター海辺のつばくろと一緒に掘り下げて解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

何となく似た意味の言葉の違いを見て、実際はどのように使うのかが気になる文学部卒のライター。

記入と記載が使われる場面

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記入と記載、それぞれの語を使う場面で想定されるのはどのような場面でしょうか。例えば、記入は何らかの申込書を提出する際に「必要事項をご記入ください」と声がけされることがありますね。記載の場合は、説明を受ける際に「まず、書面の記載事項をお確かめください」と言われることも。どのような使い分けがされるのでしょうか。

双方の語に使われる「」には、書きとめる書きしるす(文書)事実をありのままに書く(記録する)などの意味で使われます。文字などを書くことに関係していますね。

記入:所定の欄に書くこと

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記入は、書類などの所定の欄や枠の中に文字や特定の語句、数字などを書くこと。「入」という字は、この場合、所定の欄や枠の中に差し込むようなイメージで使います。記入の対象となるのは文字や数字、それに類する記号(アンケートなど、該当箇所にチェックをするレ点)など。イラストなどの絵柄には使いません。

自筆や他筆は問わない

記入は、自分で書き入れるのか、他人の手を借りて書くのかはあまり関係しません。あくまでも、決まった所に書き入れるという動作について記入と使えます。

パソコンやタブレットなどで文字を入れる場合は?

では、パソコンやタブレットなどで所定の場所に文字を入れる場合には、何という言葉を使ったらよいのでしょうか。この場合は「入力」。”パソコンでワープロソフトを使って文字を入力する。”というように使います。

入力はもともと、機械や電子回路などに動力や信号を与えること。そこから転じて、コンピューターなどに情報を入れて何らかの処理ができるようにすることという意味で使われるようになりました。

ただし、タブレットにペンを接続して、自筆で必要事項を書き入れる場合は記入に近いかもしれませんね。近頃ではオンラインで契約書に名前を入れてサインする例もあります。その場合は「署名」(自筆で名前を書き入れること)のほうがふさわしいでしょう。

記入の使用例

記入の使用例は以下の通りです。

・解答欄に読みやすい字でご記入ください。
・問診票に氏名と気になる症状について記入した。
・署名欄に自筆での記入をするように頼まれる。
・代理で記入する際は、名前欄に代理人の名前と本人との続柄を入れてほしい。
・所定の枠内に収まるよう、郵便番号と住所の記入もお願いします。
・当てはまる所にレ点でチェックを記入するようにしてくださいね。

記載:書物や書類に書きとめてあること

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記載はすでに文字を使って書きとめてある書物や書類などについて使います。「載」は書物などに書くこと。「記」と同じような意味で、書いてあるということを強調しているように感じられますね。

\次のページで「すでに書きあらわしてある・記録してある」を解説!/

すでに書きあらわしてある・記録してある

記載はすでに書きあらわしてあるもの、記録してあるものについて使います。具体的には本などの書籍や雑誌などに印刷された論文、説明書などに書かれた内容。その他、公文書や各種の調書、裁判記録など公的な書類でも使われますし、新聞や雑誌の記事や広告などをのせる場合にも。紙の媒体にかぎらず、ウェブサイトなどの注意書きや記事や記録にも使う場合があります。

記載の使用例

記載の使用例は以下の通りです。

・使用する前に、別紙記載の取扱説明書をよく読んでください。
・彼女の論文は文芸雑誌に記載されているよ。
・ウェブサイトにも昨日の新聞記事の記載があるよ。
・公文書に記載された内容と実態は違っているね。
・ギネスブックに公式記録として記載されているよ。
・商品の返品や交換の仕方はショップサイトにも記載がされています。

決められた所に書くのが記入で予め書かれているのが記載

記入と記載の違いは、書き入れていない所に書くのか、すでに書類や書面などの形で存在するのかに着目するとよいでしょう。自筆や他筆を問わずに決められた所に書くのが記入で、予め書かれて記録されているのが記載というところにあります。

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雑学

3分で分かる記入と記載の違いとは?使い分けや例文も文学部卒ライターがわかりやすく解説

この記事では記入と記載の違いについてみていこう。2つとも紙面に書くことを表す熟語ですが、その書く内容や自筆に限るのか、公的な書類や書物ではどちらの言葉を使う方がふさわしいかといったことで細かな違いがみられる。実際にどちらを使ってよいか戸惑う人もいるでしょう。今回は書くことについての2つの熟語の違いを文学部卒のライター海辺のつばくろと一緒に掘り下げて解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

何となく似た意味の言葉の違いを見て、実際はどのように使うのかが気になる文学部卒のライター。

記入と記載が使われる場面

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記入と記載、それぞれの語を使う場面で想定されるのはどのような場面でしょうか。例えば、記入は何らかの申込書を提出する際に「必要事項をご記入ください」と声がけされることがありますね。記載の場合は、説明を受ける際に「まず、書面の記載事項をお確かめください」と言われることも。どのような使い分けがされるのでしょうか。

双方の語に使われる「」には、書きとめる書きしるす(文書)事実をありのままに書く(記録する)などの意味で使われます。文字などを書くことに関係していますね。

記入:所定の欄に書くこと

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記入は、書類などの所定の欄や枠の中に文字や特定の語句、数字などを書くこと。「入」という字は、この場合、所定の欄や枠の中に差し込むようなイメージで使います。記入の対象となるのは文字や数字、それに類する記号(アンケートなど、該当箇所にチェックをするレ点)など。イラストなどの絵柄には使いません。

自筆や他筆は問わない

記入は、自分で書き入れるのか、他人の手を借りて書くのかはあまり関係しません。あくまでも、決まった所に書き入れるという動作について記入と使えます。

パソコンやタブレットなどで文字を入れる場合は?

では、パソコンやタブレットなどで所定の場所に文字を入れる場合には、何という言葉を使ったらよいのでしょうか。この場合は「入力」。”パソコンでワープロソフトを使って文字を入力する。”というように使います。

入力はもともと、機械や電子回路などに動力や信号を与えること。そこから転じて、コンピューターなどに情報を入れて何らかの処理ができるようにすることという意味で使われるようになりました。

ただし、タブレットにペンを接続して、自筆で必要事項を書き入れる場合は記入に近いかもしれませんね。近頃ではオンラインで契約書に名前を入れてサインする例もあります。その場合は「署名」(自筆で名前を書き入れること)のほうがふさわしいでしょう。

記入の使用例

記入の使用例は以下の通りです。

・解答欄に読みやすい字でご記入ください。
・問診票に氏名と気になる症状について記入した。
・署名欄に自筆での記入をするように頼まれる。
・代理で記入する際は、名前欄に代理人の名前と本人との続柄を入れてほしい。
・所定の枠内に収まるよう、郵便番号と住所の記入もお願いします。
・当てはまる所にレ点でチェックを記入するようにしてくださいね。

記載:書物や書類に書きとめてあること

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記載はすでに文字を使って書きとめてある書物や書類などについて使います。「載」は書物などに書くこと。「記」と同じような意味で、書いてあるということを強調しているように感じられますね。

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