仕事の場などでよく聞く言葉「専任」と「専属」。
どちらも「専」の文字がついているが、いったいどういう違いがあるんでしょうな。
今回は「専任」と「専属」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

専任と専属の違い

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普段の生活で何気なく使っていても、あまり違いを意識しない言葉が「専任」と「専属」ですね。学習塾であれば「専任講師」や「専属教師」がいたりしますよね。いったい両者の意味は何が違っているのでしょうか。ここでは「専任」と「専属」の違いについて解説していきます。

専任:特定の任務だけを担当すること

「専任」とは特定の任務だけを担当することを意味しています。この言葉が使われるシーンは基本的に仕事の場。そのため特定の業務のみに従事することを指す場合がほとんどです。「専任」の「専」の字は「専ら(もっぱら)」、つまり「それだけ」という意味があります。また「任」の字には「役目」といった意味。この2文字が組み合わさり、「専任」という言葉は成り立っています。

専属:特定のグループにだけ属していること

「専属」とは特定のグループにだけ属していることを意味しています。この言葉の使用シーンも主に仕事の場なので、基本的に特定の事業所でしか勤務していないことを指す言葉です。前述の通り「専」は「専ら」、また「属」の字は「仲間」や「同類」といった意味。この2文字が組み合わさってできた言葉が「専属」なのです。

専任と専属の使い方

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「専任」と「専属」について意味の上での違いはおわかりいただけたと思います。ここで気になるのは実際の使い方ですよね。ここでは多く用いられる「専任」と「専属」を使った言葉を一部紹介します。

\次のページで「専任:特定の業務を担当する人」を解説!/

専任:特定の業務を担当する人

塾の「専任講師」であれば、特定の生徒担当として指導にあたる講師のこと。学校の「専任教員」も同様です。ジムであれば「専任スタッフ」「専任トレーナー」といった人たちが、顧客のパーソナルトレーニングを担当します。「専任コンサルタント」であれば特定顧客の相談役。また「専任技術者」であれば、特定の機械のメンテナンスを担当する人という意味で使います。

専属:特定の事業所にしかいない人

「専属」は主にフリーランサーなど、組織に属していない人が仕事上はその組織に属する意味合いで使われることが多いです。個人が特定組織と「専属契約」を結ぶケースがほとんど。代表的な例は「専属カメラマン」「専属役者」「専属歌手」「専属ダンサー」などです。役者、歌手、ダンサーといった職業の人には「〇〇劇場専属」とプロフィールに書いている方もいます。

不動産における専任と専属

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実は「専任」と「専属」という言葉が一番使われていて、かつ重要視されているのが不動産業界。皆さんも賃貸物件を探してたり、物件の購入や売却を検討したりすると利用する業界です。ここでは不動産における「専任」と「専属」の使われ方について解説します。

媒介契約で用いられる

物件の購入、売却、賃貸借については基本的に不動産会社に取引の仲介を依頼します。この依頼をもって成立するのが媒介契約です。媒介契約とは仲介をしてもらう不動産会社とサービス内容や仲介手数料などの条件を取り決める契約。ここで「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」、「一般媒介契約」のいずれかを選択することになります。

専任媒介契約:1社としか契約しない

「専任媒介契約」とは1つの不動産会社としか媒介契約が結べない契約です。他の不動産会社とも契約し、複数の営業ルートから取引相手を探すことができなくなります。この契約はあくまで他社が利用できないだけで、自分で取引相手を見つけてくる場合は契約違反にあたりません。

たとえば「売却しようとしている土地を、専任媒介契約は結んだものの、知り合いが買ってくれるようだからそちらに売る」といったケースであればセーフです。

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専属専任媒介契約:1社しか取引相手を見つけられない

「専任専属媒介契約」は1つの不動産会社としか媒介契約が結べない契約である点は「専任媒介契約」と同じです。違っているのは「専属」がついていること。つまり取引相手を見つけるのは必ず不動産会社ということです。

この契約を選択した場合は自分で取引相手を見つけてくることができません。「買ってくれそうな知り合いがいるからそちらに売る」は通用しないことになります。

一般媒介契約はほとんど結ばれない

「一般媒介契約」とは複数の会社と媒介契約が結べる契約です。これは不動産会社としては自社サービスを利用されない可能性があるだけなので、まずおすすめされることはありません。無理に契約したとしても、報酬が約束されていない以上不動産会社のモチベーションが高いはずもなく、取引のタイミングが無駄に遅くなるだけになります。また依頼者としても複数会社とコンタクトを取るのは手間ですよね。

専任は一つの任務だけ、専属は一つのグループだけ

ここまで「専任」と「専属」の違い、「専任」と「専属」の日常生活における使い方、そして不動産業界での「専任」と「専属」の使われ方について解説してきました。

「専任」も「専属」も「その任務だけ」や「そのグループだけ」という意味で個人や組織を束縛する言葉です。しかしその束縛こそが責任の裏返しでもあります。「この仕事は自分以外の人では替えの効かない仕事なんだ」、「この企業は自分を他社に取られたくないと評価してくれたんだ」というプロとしての誇りは、そういった責任から来るものなのです。

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3分でわかる専任と専属の違い!業務や不動産取引での使い方も雑学好きライターがわかりやすく解説

仕事の場などでよく聞く言葉「専任」と「専属」。
どちらも「専」の文字がついているが、いったいどういう違いがあるんでしょうな。
今回は「専任」と「専属」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

専任と専属の違い

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普段の生活で何気なく使っていても、あまり違いを意識しない言葉が「専任」と「専属」ですね。学習塾であれば「専任講師」や「専属教師」がいたりしますよね。いったい両者の意味は何が違っているのでしょうか。ここでは「専任」と「専属」の違いについて解説していきます。

専任:特定の任務だけを担当すること

「専任」とは特定の任務だけを担当することを意味しています。この言葉が使われるシーンは基本的に仕事の場。そのため特定の業務のみに従事することを指す場合がほとんどです。「専任」の「専」の字は「専ら(もっぱら)」、つまり「それだけ」という意味があります。また「任」の字には「役目」といった意味。この2文字が組み合わさり、「専任」という言葉は成り立っています。

専属:特定のグループにだけ属していること

「専属」とは特定のグループにだけ属していることを意味しています。この言葉の使用シーンも主に仕事の場なので、基本的に特定の事業所でしか勤務していないことを指す言葉です。前述の通り「専」は「専ら」、また「属」の字は「仲間」や「同類」といった意味。この2文字が組み合わさってできた言葉が「専属」なのです。

専任と専属の使い方

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「専任」と「専属」について意味の上での違いはおわかりいただけたと思います。ここで気になるのは実際の使い方ですよね。ここでは多く用いられる「専任」と「専属」を使った言葉を一部紹介します。

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