この記事では、よもぎの栄養と効能、注意点について解説していきます。よもぎ餅の材料としておなじみのよもぎは、春になると公園や道端に生えているのを見かけることが多いかもしれない。そんなよもぎは、実は栄養が豊富でさまざまな健康効果があることを知っているでしょうか?今回は、よもぎの栄養や効能に加えて、よもぎを食べるときの注意点もフリーランス管理栄養士の宮本ゆかと一緒に解説していきます。

ライター/宮本ゆか

町役場とドラッグストアでの管理栄養士を経てフリーランスの管理栄養士兼Webライターへ。趣味はオーガニックの食材で料理をつくること。食に関する知識をいかし、わかりやすく解説していきます。

よもぎはどんな植物?

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よもぎは、日本各地の野原や道端に自生しているキク科の植物です。春に生える若芽は食べることができるため、よもぎ餅などの材料に使われます。このことから、よもぎは別名「モチグサ(餅草)」とも呼ばれるそうです。また、よもぎはさまざまな健康効果がある薬草としても知られています。とくに生理痛や生理不順といった女性特有の症状に効くことから「ハーブの女王」という異名もあるそうです。

よもぎの栄養と効能

ここからは、よもぎに含まれている栄養とその効能について、くわしく解説していきます。よもぎはハーブの女王と呼ばれるほど、高い栄養価がある食材です。どういった栄養素が含まれているのかを、一緒に見ていきましょう。

1.コレステロールを下げるクロロフィル

よもぎには、クロロフィルという成分が豊富に含まれています。クロロフィルは、植物に含まれる緑色の色素成分で、血液中のコレステロールを下げる効果があるそうです。コレステロールが減少すると、血液がサラサラになり、動脈硬化や心筋梗塞などの予防にもつながります。

また、クロロフィルには貧血を予防する効果やデトックス効果、整腸効果といった、からだによい効果が認められており、積極的にとり入れたい栄養素です。

2.貧血を予防する鉄

よもぎには、貧血予防に効果がある鉄が多く含まれています。貧血を引きおこすと、疲れやすい、動機、めまい、息切れなどの症状が出ることも。先ほど解説したクロロフィルにも貧血を予防する効果があるので、貧血が気になる方は、よもぎを積極的にとるとよいでしょう。

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3.便秘を解消する食物繊維

よもぎは食物繊維がとても多く含まれています。食物繊維が多いことで知られているキャベツと比較すると、よもぎはキャベツの約4倍の食物繊維が含まれているそうです。食物繊維には、便秘を解消しておなかの調子を整える作用があります。そのほかにも、血糖値の上昇をゆるやかにするといった作用があり、糖尿病の予防効果も認められていますよ。

4.血液をさらさらにするビタミンK

よもぎに多く含まれているビタミンKは、血液をさらさらにして血流をよくする作用があります。また、ビタミンKは血液の凝固にも関与しているため、よもぎは止血作用がある薬草として、昔から重宝されてきました。

よもぎの健康効果

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ここからは、よもぎの健康効果について見ていきましょう。よもぎには健康によい効果がたくさんありますよ。よもぎの健康効果を知り、よもぎを食生活に取り入れてみてください。

1.肌荒れや虫刺されに効く抗炎症効果

よもぎには抗炎症効果があり、肌荒れや虫刺されなどに効果があるとされています。アトピー性皮膚炎の症状にも有効で、乾燥させたよもぎの葉をネットに入れて湯船に浮かべて入浴すると、症状がやわらぐそうです。

2.むくみやダイエットに効くデトックス効果

よもぎには利尿作用があるため、体に溜まった老廃物を尿中に排出するデトックス効果があるといわれています。老廃物が体外へ排出されることにより、むくみの改善も期待できるそうです。また、デトックス効果により新陳代謝が活発になると、痩せやすくなるというメリットも。よもぎはダイエットにもおすすめの食材です。

3.香り成分によるリラックス効果

よもぎには、ツヨンやシネオールという香り成分が含まれています。春のようなさわやかな香りが特徴で、精油(エッセンシャルオイル)の材料としても使われていますよ。ツヨンやシネオールには、気持ちを落ち着かせるリラックス効果があるそうです。そのほかにも、胃腸の働きをサポートしたり、体を温めたり、生理痛を緩和したりといった、さまざまな効果が認められています。

\次のページで「よもぎの注意点」を解説!/

よもぎの注意点

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ここからは、よもぎを食べるときの注意点をみていきましょう。よもぎは栄養価の高い食材ですが、食べすぎはよくありません。また、体質に合わない場合もあります。よもぎを食べるときは、これから解説する注意点を参考にしてみてください。

よもぎを食べすぎるとどうなるの?

よもぎを食べすぎると下痢や便秘を引きおこす可能性があります。先ほど、よもぎに含まれている食物繊維には便秘を改善するという効果があると解説しました。しかし、食物繊維をとりすぎると、便通が乱れて逆に便秘や下痢を誘発する可能性が指摘されています。よもぎの食べすぎは消化に負担がかかるので、控えるようにしましょう。

アレルギーを引きおこすことも

よもぎはアレルギーに注意が必要な食材です。よもぎはキク科の植物なので、同じキク科の植物(ブタクサなど)にアレルギーを持っている方は、よもぎにもアレルギー反応が出ることがあります。よもぎを食べて、くしゃみや鼻水といった花粉症の症状が出たり、口や喉がかゆくなったり、違和感が出たりといった口腔アレルギー症候群の症状が出たりした場合は、すみやかに医師に相談しましょう。

妊婦は特に注意が必要

妊娠中でもよもぎを食べて問題ありませんが、食べる量には気をつけてください。よもぎに含まれている香り成分のツヨンには、子宮を収縮する作用があり、過剰に摂取すると流産や早産のリスクが上がりるそうです。よもぎの食べすぎや、よもぎが含まれているサプリメントのとりすぎは控えましょう。

子どもはいつから食べてもいいの?

よもぎは生後7~8か月(離乳食中期)から食べさせてもよいといわれています。よもぎはアクがあり、食物繊維も豊富で硬いので、やわらかく茹でてすり潰したものを与えるようにしましょう。アレルギーの心配もありますので、スプーンで少量を少しずつ与えることからはじめてください。

また、よもぎ餅を子どもに食べさせるのは、3歳以降を目安にするのがよいそうです。よもぎ餅は弾力があり、よく伸びるので、嚙み切る力が弱いと餅を喉に詰まらせてしまう可能性も。子どもに噛み切る力がしっかりついてきたことを確認してから、与えるようにしましょう。

\次のページで「栄養豊富なよもぎを食べて健康な生活を送ろう」を解説!/

栄養豊富なよもぎを食べて健康な生活を送ろう

この記事では、よもぎの栄養や効能、注意点について解説しました。よもぎには、体によい栄養素が豊富に含まれていて、さまざまな健康効果があることがわかりましたね。また、食べすぎはよくないということや、アレルギーを引きおこす可能などがあることもわかりました。よもぎは、食べすぎに注意すれば、健康な体づくりの心強いサポーターです。よもぎのパワーをとり入れて健康な毎日を過ごしていきましょう。

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家庭科

よもぎにはどんな栄養が含まれているの?効能や注意点もフリーランス管理栄養士がくわしくわかりやすく解説

この記事では、よもぎの栄養と効能、注意点について解説していきます。よもぎ餅の材料としておなじみのよもぎは、春になると公園や道端に生えているのを見かけることが多いかもしれない。そんなよもぎは、実は栄養が豊富でさまざまな健康効果があることを知っているでしょうか?今回は、よもぎの栄養や効能に加えて、よもぎを食べるときの注意点もフリーランス管理栄養士の宮本ゆかと一緒に解説していきます。

ライター/宮本ゆか

町役場とドラッグストアでの管理栄養士を経てフリーランスの管理栄養士兼Webライターへ。趣味はオーガニックの食材で料理をつくること。食に関する知識をいかし、わかりやすく解説していきます。

よもぎはどんな植物?

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よもぎは、日本各地の野原や道端に自生しているキク科の植物です。春に生える若芽は食べることができるため、よもぎ餅などの材料に使われます。このことから、よもぎは別名「モチグサ(餅草)」とも呼ばれるそうです。また、よもぎはさまざまな健康効果がある薬草としても知られています。とくに生理痛や生理不順といった女性特有の症状に効くことから「ハーブの女王」という異名もあるそうです。

よもぎの栄養と効能

ここからは、よもぎに含まれている栄養とその効能について、くわしく解説していきます。よもぎはハーブの女王と呼ばれるほど、高い栄養価がある食材です。どういった栄養素が含まれているのかを、一緒に見ていきましょう。

1.コレステロールを下げるクロロフィル

よもぎには、クロロフィルという成分が豊富に含まれています。クロロフィルは、植物に含まれる緑色の色素成分で、血液中のコレステロールを下げる効果があるそうです。コレステロールが減少すると、血液がサラサラになり、動脈硬化や心筋梗塞などの予防にもつながります。

また、クロロフィルには貧血を予防する効果やデトックス効果、整腸効果といった、からだによい効果が認められており、積極的にとり入れたい栄養素です。

2.貧血を予防する鉄

よもぎには、貧血予防に効果がある鉄が多く含まれています。貧血を引きおこすと、疲れやすい、動機、めまい、息切れなどの症状が出ることも。先ほど解説したクロロフィルにも貧血を予防する効果があるので、貧血が気になる方は、よもぎを積極的にとるとよいでしょう。

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