この記事ではAM放送とFM放送の違いについてみていきます。勉強などの作業時や、災害の際に役に立つラジオですが、その違いを知らない人もいるんじゃないか?音声を聴く、という役割自体は同じですが、両者には明確な違いが存在するんです。テレビや動画サイトが主流となっている昨今、ラジオを聴く機会が減った人もいるでしょう。しかし、ラジオには動画にはない魅力がある。それも含め元システム運用ライターツカヤと一緒に解説していきます。

ライター/ツカヤ

10年程システム運用に従事していたWebライター。映画、小説、筋トレと多数の趣味を持つ。ラジオは声優や芸人のトークが聴けるAM放送派。

AMとFMの違いとは?

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AM・FM放送では、その音声を送信する仕組みが異なります。ラジオは、放送局が音声を電気信号に変換し電波に乗せたものを受信、再度音声に変換することで情報や音楽などを流す仕組みとなっているのです。このように音声を電気信号に変換し電波を飛ばす方法を変調といいます。この変調の方法が、AM放送とFM放送の主な違いと言えるでしょう。

AM:放送範囲が広く、音質が低い

AMとは、振幅変調(Amplitude Modulation)の略です。放送範囲(音声の到達距離)が広く、音質が低いことが特徴。使っている電波の波長が長いため、障害物などの影響を受けにくく広範囲への放送が可能です。ですが、電波混信など、ノイズが入りやすいため、音質が低いという欠点があります。 AM放送にトーク番組が多いのはこのためです。

FM:放送範囲が短く、音質が良い

FMは、周波数変調(Frequency Modulation)の略です。放送範囲(音声の到達距離)が狭く、音質が高いことが特徴。使用している電波の波長が短いため、放送できる範囲は狭く(数10km~100km程)、地域限定放送に向いています。また、音域が広くノイズに強いため、AM放送と比べて高音質です。 FM放送に、音楽中心の番組が多いことにはこういった理由があります。

AMとFM、どうして差が生まれるの?

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AM放送とFM放送の違いを説明しましたが、そもそもどうしてそのような差が生まれるのでしょうか? これは音声を電波に乗せる一連の仕組み、変調方法と使用する電波がAM放送とFM放送で異なることが理由です。では、それぞれの仕組みについて確認していきましょう。

\次のページで「AMの仕組み」を解説!/

AMの仕組み

AM放送では、「中波」と呼ばれる、波長100~1,000m、周波数300kHz~3MHzの電波を使用しています。AM放送が障害物に影響されにくく、広範囲に放送可能なのは、使用している波長が長く障害物を回り込みやすいためです。音声情報は、振幅変調(Amplitude Modulation)という方式を使用しており、音声信号をそのまま電波の強弱として伝達しています。

この方式を採用することで、広範囲(海外に届くこともある)に安定して放送することが可能な反面、電波の混信などによってノイズが入りやすくなっているんですね。また、周波数は原則的に9kHzごとに割り振られているため、各放送局の周波数はおおむね9の倍数となっています。

FMの仕組み

FM放送では、超短波という波長3~4m、周波数76.1MHz~94.9MHzの短い電波を使用。波長が狭いため、放送範囲が狭くなる点が欠点です。音声情報は、周波数変調(Frequency Modulation)という方式を採用しており、音波の強弱を電波ではなく周波数の変化で表しています。この方式は音域が広くノイズに強いため、AM放送と比べて高音質です。

FM放送の周波数帯は、世界では87.5~108 MHzが一般的。ですが、日本ではすでにテレビ放送に割り当てられているため、日本では主に76~90 MHzを使用されています。

AMラジオは廃止になる?

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民放AMラジオ47局のうち44局が2028年秋までにFM局となることを目指す。という発表が行われています。将来的な話にはなりますが、多くのラジオ局がAMラジオから撤退する可能性は高いようです。ただ、NHKなどの一部のラジオ局はこの発表には参加していないこと、災害の際の有用性を考えると、完全に廃止されるかはまだ分かりません。

放送内容に変化はあるのか?今まで聴けていた番組は変わらず聴くことができるのか?廃止された場合にどのような変化が起きるのか気になるところです。

動画にはないラジオ放送の良さ

テレビをはじめ動画にはさまざまな魅力があります。しかし、ラジオにはラジオにしかない魅力があるんです。耳だけで情報を取入れられるラジオは、運転中や家事の最中など、ながら作業で楽しむことができ、時や場所を選びません。また、テレビなどではなかなか聞くことのできないパーソナリティ(声優や芸人、歌手など)の本音やなんでもない近況報告を聴くこともできます。

1度聴けばきっとラジオの魅力に目覚めると思いますよ。

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雑学

ラジオのAMとFMの違いは?AMラジオは廃止になる?特徴や仕組みも元システム運用ライターがわかりやすく解説

この記事ではAM放送とFM放送の違いについてみていきます。勉強などの作業時や、災害の際に役に立つラジオですが、その違いを知らない人もいるんじゃないか?音声を聴く、という役割自体は同じですが、両者には明確な違いが存在するんです。テレビや動画サイトが主流となっている昨今、ラジオを聴く機会が減った人もいるでしょう。しかし、ラジオには動画にはない魅力がある。それも含め元システム運用ライターツカヤと一緒に解説していきます。

ライター/ツカヤ

10年程システム運用に従事していたWebライター。映画、小説、筋トレと多数の趣味を持つ。ラジオは声優や芸人のトークが聴けるAM放送派。

AMとFMの違いとは?

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AM・FM放送では、その音声を送信する仕組みが異なります。ラジオは、放送局が音声を電気信号に変換し電波に乗せたものを受信、再度音声に変換することで情報や音楽などを流す仕組みとなっているのです。このように音声を電気信号に変換し電波を飛ばす方法を変調といいます。この変調の方法が、AM放送とFM放送の主な違いと言えるでしょう。

AM:放送範囲が広く、音質が低い

AMとは、振幅変調(Amplitude Modulation)の略です。放送範囲(音声の到達距離)が広く、音質が低いことが特徴。使っている電波の波長が長いため、障害物などの影響を受けにくく広範囲への放送が可能です。ですが、電波混信など、ノイズが入りやすいため、音質が低いという欠点があります。 AM放送にトーク番組が多いのはこのためです。

FM:放送範囲が短く、音質が良い

FMは、周波数変調(Frequency Modulation)の略です。放送範囲(音声の到達距離)が狭く、音質が高いことが特徴。使用している電波の波長が短いため、放送できる範囲は狭く(数10km~100km程)、地域限定放送に向いています。また、音域が広くノイズに強いため、AM放送と比べて高音質です。 FM放送に、音楽中心の番組が多いことにはこういった理由があります。

AMとFM、どうして差が生まれるの?

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AM放送とFM放送の違いを説明しましたが、そもそもどうしてそのような差が生まれるのでしょうか? これは音声を電波に乗せる一連の仕組み、変調方法と使用する電波がAM放送とFM放送で異なることが理由です。では、それぞれの仕組みについて確認していきましょう。

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