身近な果物であるバナナにどんな栄養が含まれているか知っているか?便秘解消に役立つイメージが強いが、これは食物繊維だけでなくオリゴ糖も含まれているからなんです。他にも栄養が豊富に含まれていて身体の健康をサポートしてくれるぞ。今回はそんなバナナの栄養や効能について管理栄養士のツキアオイと一緒に解説していきます。

ライター/ツキアオイ

1児の母として育児に奮闘中の管理栄養士ライター。父には誕生日に1本1000円以上する高級バナナを贈っているが自分用には怖くて手が出せない。病院や介護施設での経験を活かし、食に関して分かりやすく解説する。

バナナに多く含まれている栄養素とは?

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バナナには高血圧や糖尿病のような生活習慣病予防に役立つ栄養素が豊富に含まれています。1日1本を目安に食べることで様々な効果が期待できますよ。多く含まれている栄養素やその効能についてここから詳しく見ていきましょう。

1.高血圧に効果があるカリウム

バナナには他の果物と比較しても特にカリウムが豊富に含まれています。カリウムは水に溶けやすい性質があるので、茹でたり水にさらすことで失われやすい栄養素です。ただしバナナはそのまま食べることができますよね。そのため、カリウムが失われずに摂ることができる貴重な食材なのです。

カリウムには塩分を体外へ排泄する働きがあります。塩分の摂りすぎは高血圧につながってしまうことも。既に高血圧の方にも、予防のためにもカリウムは重要な栄養素です。

2.便秘解消に役立つ食物繊維

食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。バナナには特に不溶性食物繊維が豊富に含まれていますよ。不溶性食物繊維には便のかさを増やしたり、腸を刺激して便通を良くする働きがあります。

その他にも、血糖値の上昇を抑えたりコレステロールの吸収を抑えるといった効果もありますよ。生活習慣病予防には欠かせない成分ですね。厚生労働省が毎年実施している国民健康・栄養調査によると、近年では食物繊維の摂取量は増加傾向にあります。しかしそれでも基準値には達していないのが現状です。食事に加えてバナナを食べることで食物繊維を積極的に補いましょう。

3.腸内環境を整えるオリゴ糖

オリゴ糖は腸内で善玉菌のエサとなって善玉菌を増やします。これによって腸内環境が改善され、便通が良くなりますよ。また、バナナに含まれているオリゴ糖は消化されずにそのまま腸へ届くという特徴があります。胃で吸収されないので食後に血糖値が上がりにくいのもオリゴ糖のメリットですよ。

オリゴ糖の含まれる量はバナナの熟成度によって変わります。より多く含まれるのが青みがかった若いバナナ。腸内環境を整えたい場合は若いバナナを選ぶとより効果が期待できますよ。

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4.生活習慣病を予防するポリフェノール

バナナのポリフェノールは、多く含まれるとされるブドウの約2倍も含まれています。ポリフェノールの効能といえば強い抗酸化作用。これによって動脈硬化や高血圧といった生活習慣病を予防します。さらにシミやシワを防ぐ効果もあるので美容にも欠かせない成分ですね。

また、バナナは完熟してシュガースポット(黒い斑点)が出てくるとポリフェノールが増しますよ。

バナナが身体にもたらす効能とは?

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栄養豊富なバナナですが、私たちの身体にとって嬉しい効能はまだまだありますよ。辛い花粉症や睡眠まで、どのような効果があるのか詳しく見ていきましょう。

1.花粉症に効果あり?

バナナは花粉症に効果があるのはご存知でしたか?日本での研究結果によると、バナナはスギ花粉での花粉症の症状を緩和するというのです。これにはバナナに含まれる「オイゲノール」という香り成分や「ポリフェノール」が関係しています。これらの成分が身体の免疫反応に働いて症状を和らげてくれますよ。

薬ほどの効果はありませんが、日ごろの食生活に取り入れるだけでいいので手軽ですよね。他にも花粉症に効果があるとされるヨーグルトと一緒に食べるのがおすすめですよ。

2.良質な睡眠をサポート

バナナに含まれる「トリプトファン」という必須アミノ酸は良質な睡眠をサポートします。このトリプトファンは「メラトニン」という睡眠ホルモンが分泌されるのを促してくれるのです。

食べるタイミングとしては朝食がおすすめ。食べ物は食べてから身体の中で吸収されるまでに時間がかかります。そのため食べた直後では効果が出ないのです。さらに、メラトニンは日中には活発に活動するためのホルモンとしても活躍。朝にバナナを食べることで日中は元気に活動し、夜にぐっすりと眠るのを助けてくれますよ。

\次のページで「なぜスポーツ選手はバナナを食べる?」を解説!/

なぜスポーツ選手はバナナを食べる?

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運動をすると身体は多くのエネルギーを消費します。特に長距離選手など長時間身体を駆使する場合は気づけば身体はエネルギー不足に。そんな時におすすめなのがバナナです。

運動前や運動中に食べることでバナナに含まれる糖質がすばやくエネルギーに変わります。特にバナナには異なる種類の糖質が含まれているのが特徴です。それぞれ身体に吸収されるスピードが違うので、持続的にエネルギーを生み出してくれるのですよ。

また、バナナには筋肉の疲労や損傷を軽減する分岐鎖アミノ酸(BCAA)が含まれています。運動後の筋肉痛や疲労を減らすためにも運動前に補っておきましょう。他にもカリウムやマグネシウムといったミネラルが含まれており、これらは足がつる(こむら返り)のを予防します。ミネラルは運動によって汗と一緒に流れ出てしまうのでしっかりと補給することが大切ですよ。

健康効果の大きいバナナを食べて身体を強めよう!

バナナは美味しさだけでなく栄養素も豊富に含まれています。便秘の予防や改善のために必要な食物繊維やオリゴ糖が同時に摂れるのは嬉しいですよね。また、日常的に食べることで高血圧や脂質異常症といった生活習慣病の予防に役立ちますよ。消化に良いので体調を崩した時にもおすすめです。1日1本が目安ですが、豊富に含まれるカリウムは腎臓病の方にとっては治療に支障が出てしまいます。持病のある方は必ず医師と相談したうえで摂取してくださいね。手軽に食べられるバナナを取り入れて健康増進に役立てましょう!

" /> 簡単でわかりやすい!バナナの栄養・効能とは?運動前に食べると良いって本当?管理栄養士が詳しく解説 – Study-Z
家庭科

簡単でわかりやすい!バナナの栄養・効能とは?運動前に食べると良いって本当?管理栄養士が詳しく解説

身近な果物であるバナナにどんな栄養が含まれているか知っているか?便秘解消に役立つイメージが強いが、これは食物繊維だけでなくオリゴ糖も含まれているからなんです。他にも栄養が豊富に含まれていて身体の健康をサポートしてくれるぞ。今回はそんなバナナの栄養や効能について管理栄養士のツキアオイと一緒に解説していきます。

ライター/ツキアオイ

1児の母として育児に奮闘中の管理栄養士ライター。父には誕生日に1本1000円以上する高級バナナを贈っているが自分用には怖くて手が出せない。病院や介護施設での経験を活かし、食に関して分かりやすく解説する。

バナナに多く含まれている栄養素とは?

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バナナには高血圧や糖尿病のような生活習慣病予防に役立つ栄養素が豊富に含まれています。1日1本を目安に食べることで様々な効果が期待できますよ。多く含まれている栄養素やその効能についてここから詳しく見ていきましょう。

1.高血圧に効果があるカリウム

バナナには他の果物と比較しても特にカリウムが豊富に含まれています。カリウムは水に溶けやすい性質があるので、茹でたり水にさらすことで失われやすい栄養素です。ただしバナナはそのまま食べることができますよね。そのため、カリウムが失われずに摂ることができる貴重な食材なのです。

カリウムには塩分を体外へ排泄する働きがあります。塩分の摂りすぎは高血圧につながってしまうことも。既に高血圧の方にも、予防のためにもカリウムは重要な栄養素です。

2.便秘解消に役立つ食物繊維

食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。バナナには特に不溶性食物繊維が豊富に含まれていますよ。不溶性食物繊維には便のかさを増やしたり、腸を刺激して便通を良くする働きがあります。

その他にも、血糖値の上昇を抑えたりコレステロールの吸収を抑えるといった効果もありますよ。生活習慣病予防には欠かせない成分ですね。厚生労働省が毎年実施している国民健康・栄養調査によると、近年では食物繊維の摂取量は増加傾向にあります。しかしそれでも基準値には達していないのが現状です。食事に加えてバナナを食べることで食物繊維を積極的に補いましょう。

3.腸内環境を整えるオリゴ糖

オリゴ糖は腸内で善玉菌のエサとなって善玉菌を増やします。これによって腸内環境が改善され、便通が良くなりますよ。また、バナナに含まれているオリゴ糖は消化されずにそのまま腸へ届くという特徴があります。胃で吸収されないので食後に血糖値が上がりにくいのもオリゴ糖のメリットですよ。

オリゴ糖の含まれる量はバナナの熟成度によって変わります。より多く含まれるのが青みがかった若いバナナ。腸内環境を整えたい場合は若いバナナを選ぶとより効果が期待できますよ。

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