バリエーション豊富?紋章で多様化したワイバーン
様々なバリエーションがあるドラゴンと比べて、イメージが固定化しているワイバーン。しかし、紋章では差別化するためか様々な変形パターンがあります。例えば翼のないワイバーンの紋章はイギリスだけでなく、現在もアメリカ陸軍の一部の部隊で使用中です。
他にも頭が複数あるものや、下半身が魚になっているものなどがあります。特に魚になっているものはシーワイバーンやシードラゴンと呼ぶ場合も。紋章の世界ではワイバーンも多様化しているわけです。
特徴不明?ファンタジー界のワイバーン
地球上のあらゆるところで神話や伝説がある竜やドラゴンと違い、ワイバーンはそういうものは残っていません。そのためドラゴンほど明確な生態や特徴は残っていないのです。そういう個性のなさも人気が伸びない理由かも。
その中でもモンスターとしてのワイバーンの原型とされているのが「ソックバーンのワーム」という伝承です。現在のイングランドとスコットランドの間あたりの話で、翼を持って空を飛ぶとされています。毒を持ち、サソリの様な尾をしており、沼地に生息していると書かれていたそうです。姿形は違いますが、ワイバーンと共通するところも多いですね。
ドラゴンとワイバーンを区別するようになったきっかけは紋章
ワイバーンもドラゴンも古代から存在が知られています。しかし、各地に伝説や伝承、神話があるドラゴンに対し、ワイバーンはそういう資料がありません。そのため、ドラゴンほど知名度もない状況です。その一方、イギリスの紋章という文化の中ではワイバーンの人気は高く、前足の代わりのコウモリの翼と二本のワシの脚など定番のパターンが存在します。そこから様々なパターンに分かれた紋章が生まれたのです。
ドラゴンもワイバーンも語源はヘビ。英単語としてのドラゴンとワイバーンになるまでの経路の違いだけで、実はもともとは同じものなのかもしれません。